研究論文
Application of Molecular Hydrogen as a Novel Antioxidant in Sports Science(スポーツ科学における新しい抗酸化物質としての水素分子の応用)

スポーツ科学における水素分子の応用

一言まとめ

水素分子の摂取は、運動による酸化ストレスを軽減し、抗酸化作用を示す可能性があるが、その効果は摂取方法やタイミングに依存し、長期的な影響は未解明。

3分で読める詳細解説

結論

水素分子の摂取は運動による酸化ストレスと炎症を抑制するが、最適な摂取方法や長期的な影響は今後の研究が必要。

研究の背景と目的

酸化ストレスは高強度の運動によって引き起こされ、筋肉の疲労や炎症、筋肉痛(DOMS)をもたらすことが知られている。従来の抗酸化物質は酸化ストレスを軽減するが、長期的な摂取が運動適応を阻害する可能性がある。水素分子は選択的にヒドロキシルラジカルやパーオキシ亜硝酸塩を除去し、運動による酸化ストレスに対する新たな抗酸化戦略として注目されている。本研究は、水素分子摂取が運動による酸化ストレスや炎症に及ぼす影響を調査することを目的とした。

研究方法

本レビューでは、水素分子の摂取方法(経口摂取、水素浴、静脈注射、吸入)に関する6つの研究が取り上げられた。以下は各方法の概要である:

  • 水素水の経口摂取(500mL、運動前に摂取など):酸化ストレスマーカーやパフォーマンスへの影響を調査した。
  • 水素浴(20分間、運動直前および運動後に実施):筋肉痛や炎症マーカーへの影響を調査した。
  • 静脈注射(水素を含む生理食塩水を使用):高強度運動後の酸化ストレスマーカーに対する影響を検討した。
  • 水素ガス吸入(2%、2.4L/分、運動前および運動中に吸入):運動中の酸化ストレスおよび炎症マーカーに対する影響を調査した。

研究結果

  • 水素水の経口摂取:酸化還元バランスには影響がなかったが、血中乳酸濃度が低下し、運動中のピークトルクが増加。
  • 水素浴:筋肉痛は軽減されたが、酸化ストレスや炎症マーカーには有意な影響なし。
  • 静脈注射:DNA損傷マーカーの減少が確認されたが、他の酸化ストレスマーカーには影響なし。
  • 水素ガス吸入:酸化ストレスおよび炎症マーカー(TNF-α、IL-6)が減少し、抗酸化酵素(SOD)活性が増加。

Appendix(用語解説)

  • 酸化ストレス:細胞内でフリーラジカルが過剰に生成されることにより生じる状態。運動や環境ストレスによって引き起こされる。
  • 乳酸:運動中に筋肉で生成される代謝産物。高濃度になると筋肉疲労を引き起こす。
  • SOD(スーパーオキシドジムスターゼ):酸化ストレスに対する防御酵素。
  • TNF-α:炎症性サイトカイン。

論文情報

タイトル

Application of Molecular Hydrogen as a Novel Antioxidant in Sports Science(スポーツ科学における新しい抗酸化物質としての水素分子の応用)

引用元

Kawamura, T., Higashida, K., & Muraoka, I. (2020). Application of Molecular Hydrogen as a Novel Antioxidant in Sports Science. Oxidative medicine and cellular longevity2020, 2328768. https://doi.org/10.1155/2020/2328768

専門家のコメント

まだコメントはありません。

この記事は役に立ちましたか?

役に立ったら、下のボタンで教えてください。

関連記事

新着記事
会員限定
おすすめ
PAGE TOP
ログイン

\水素吸入に関する無料相談受付中!/

お友だち追加

\水素吸入に関する無料相談受付中!/

LINEお友だち追加