研究論文
高血圧の中高年者に対する低用量の水素吸入の効果

高血圧の中高年者に対する低用量の水素吸入の効果

一言まとめ

高血圧の中高年者60名を対象に、66%水素ガス/33%酸素ガスの吸入療法を1日4時間、2週間実施したところ、右腕の収縮期血圧の低下および高血圧関連ホルモンの改善が見られた。

3分で読める詳細解説

結論

低用量の水素・酸素混合ガス吸入療法は、高血圧の中高年者の血圧改善に効果があり、特に60-70歳の患者でその効果が顕著である。

研究の背景と目的

高血圧は世界中で14億人が罹患し、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な合併症リスクを高める。生活習慣の改善だけでは血圧管理が難しい場合、降圧薬の併用が必要だが、副作用の懸念や服薬固守の問題がある。そこで本研究は、新たな補助療法として注目される水素分子に着目。高血圧の中高年患者を対象に、水素・酸素混合ガス吸入療法の効果を検証した。

研究方法

50-70歳の高血圧患者60名を、無作為に水素群(66%水素/33%酸素吸入)とコントロール群(プラセボエア吸入)の2群に割り付け。各群30名ずつ。

水素群は1日4時間、2週間連続で水素・酸素混合ガスを30-60 ml/分の流量で吸入。

治療前後で両腕両脚の血圧、24時間自由行動下血圧、血中の各種高血圧関連ホルモンを測定し比較した。

研究結果

  • 水素群で右腕収縮期血圧が平均4.8 mmHg低下(151.9±12.7mmHg→147.1±12.0mmHg)。
  • 左腕でも同様に平均5.0mmHgの有意な低下あり(150.7±13.3mmHg→145.7±13.0 mmHg)。
  • コントロール群は変化なし。
  • 水素群で夜間の拡張期血圧が平均2.7 mmHg低下。
  • 60-70歳の水素群で、50-59歳と比べてより大きな血圧低下効果あり。
  • 水素群で血中コルチゾール、アンジオテンシンII、アルドステロンが有意に低下。レニン・アルドステロン比も改善。
  • 体重や血中脂質、腎機能、酸化ストレス度、炎症マーカーに両群で変化なし。
  • 水素吸入による重篤な副作用は見られず。

Appendix(用語解説)

  • 収縮期血圧:心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧の最高値
  • 拡張期血圧:心臓が拡張して血液を受け取る時の血圧の最低値
  • レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系:血圧調節に関わる主要なホルモン系
  • コルチゾール:ストレスホルモンの一種。過剰だと高血圧のリスクになる。
  • 酸化ストレス:活性酸素種の過剰産生により細胞や組織にダメージが蓄積した状態

論文情報

タイトル

The effect of a low dose hydrogen-oxygen mixture inhalation in midlife/older adults with hypertension: A randomized, placebo-controlled trial(高血圧の中高年者に対する低用量水素・酸素混合ガス吸入の効果:ランダム化プラセボ対照試験)

引用元

Liu, B., Jiang, X., Xie, Y., Jia, X., Zhang, J., Xue, Y., & Qin, S. (2022). The effect of a low dose hydrogen-oxygen mixture inhalation in midlife/older adults with hypertension: A randomized, placebo-controlled trial. Frontiers in pharmacology13, 1025487. https://doi.org/10.3389/fphar.2022.1025487

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