研究論文
水素摂取が呼気中アルコール濃度を下げ二日酔いの症状を緩和

水素摂取が呼気中アルコール濃度を下げ二日酔いの症状を緩和

一言まとめ

健常成人20名を対象に、アルコール摂取前後の水素吸入と水素水摂取を行ったところ、プラセボ群と比較して呼気中アルコール濃度の低下、二日酔い症状の軽減、注意力と遂行機能の改善が見られた。

3分で読める詳細解説

結論

水素はアルコール代謝を促進し、二日酔い症状を軽減する効果がある。

研究の背景と目的

世界的にアルコール消費量が増加しており、過剰なアルコール摂取は健康被害をもたらす。アルコール代謝の副産物であるアセトアルデヒドが二日酔いの原因とされる。本研究は、水素のアルコール代謝促進効果と二日酔い症状軽減効果を検証することを目的とした。

研究方法

  • 健常成人20名(23-29歳)を年齢、性別、BMI、アルコール摂取頻度などでマッチングし、無作為に2群に割り付けた。
  • クロスオーバーデザインで、1週間以上の間隔をあけて2回の介入を実施。
  • 介入内容は、1時間の水素ガス吸入 + 40%アルコール100mL摂取 + 水素水350mL摂取。プラセボ群は窒素ガスと純水を使用。
  • 介入後3時間まで30分毎に呼気中アルコール濃度を測定。二日酔い症状は翌日アンケート調査。
  • 注意力と遂行機能はウィーン心理テストシステムで評価。

研究結果

  • 水素群の呼気中アルコール濃度は、摂取後30分、60分、90分でプラセボ群より有意に低値を示した。
  • 水素群は頭痛、発汗過多などの二日酔い症状が有意に少なく、症状合計スコアも低かった(プラセボ群23%、水素群11.3%が軽度以上の症状)。
  • 水素群は注意力、反応抑制、処理速度、認知の柔軟性などの認知機能テストの成績が良好だった。
  • 女性は男性より呼気中アルコール濃度が高く、二日酔い症状も重かった。
  • 重篤な副作用は見られず、血液検査値に群間差はなかった。収縮期血圧は水素摂取で低下が抑えられた。

Appendix(用語解説)

  • アセトアルデヒド: エタノールが分解される過程で生成される物質。
  • クロスオーバーデザイン: 被験者が複数の介入を異なる時期に受ける試験デザイン。
  • 呼気中アルコール濃度: 呼気1Lあたりのアルコール量。血中アルコール濃度と相関がある。
  • ウィーン心理テストシステム: コンピューター化された認知機能評価システム。

論文情報

タイトル

Hydrogen intake relieves alcohol consumption and hangover symptoms in healthy adults: a randomized and placebo-controlled crossover study(健常な成人を対象とした無作為化プラセボ対照クロスオーバー研究: 水素摂取によりアルコール消費量と二日酔い症状が改善する)

引用元

Lv, X., Lu, Y., Ding, G., Li, X., Xu, X., Zhang, A., & Song, G. (2022). Hydrogen intake relieves alcohol consumption and hangover symptoms in healthy adults: a randomized and placebo-controlled crossover study. The American journal of clinical nutrition116(5), 1208–1218. https://doi.org/10.1093/ajcn/nqac261

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