水素吸入器は、エアコンなどの家電と同様にメンテナンスが必要です。
この点は、メーカーや販売者のサイトなどで大々的に取り上げられておらず、あまり知られていない部分でもあります。
そこで本記事では、水素吸入器の基本的な日々のお手入れ・メンテナンスから、やってはいけないNG行為についてお伝えします。
本記事を読めば、機器の購入を検討している方は「どういったお手入れが必要になるのか」イメージできます。すでに機器を使っている方は、しっかりとお手入れできているか確認していただけますので、ぜひ最後までご覧ください。
《この記事の執筆者》

当サイト「すいかつねっと」の運営者。3年前に水素の可能性に魅了され、日々独自に探求する水素健康アドバイザー。主に海外の論文をもとに水素を研究し、少しでも多くの人が水素を活用して幸せになれればと情報を発信。
なぜ水素吸入器にメンテナンスは不可欠?サボると危険な3つの理由
「少しくらいお手入れをサボっても大丈夫だろう」そう思う気持ちも分かります。
しかし、水素吸入器は精密な健康機器。日々のメンテナンスを怠ると、効果、衛生、寿命の3つの面で大きなデメリットが生じる可能性があります。なぜメンテナンスが不可欠なのか、その重要な理由を見ていきましょう。
理由1:水素の発生効率が低下し、効果が半減するから
水素吸入器の心臓部は、水を電気分解して水素を発生させる「電解槽」です。メンテナンスを怠ると、この電解槽や電極に水中のミネラル分などが不純物(スケール)として付着し、水素の発生を妨げてしまいます。
結果として、ボタンを押しても規定量の水素が発生せず、「毎日吸っているのに、なんだか効果を実感しにくい…」という残念な事態に。せっかくの健康投資を無駄にしないためにも、定期的なクリーニングで水素の発生効率を高く保つことが不可欠です。
理由2:雑菌が繁殖し、健康を害するリスクがあるから
水素吸入器は、常に水を使用し、体温に近いガスを排出するため、意識しないと雑菌が繁殖しやすい環境になります。特に、鼻に直接装着するカニューレや、水分が溜まりやすいタンク、ボトル内部の衛生管理を怠ると、カビや雑菌が繁殖する原因となります。
不衛生な状態で吸入を続けることは、汚れた空気を自ら体内に取り込むのと同じこと。健康のために始めた水素吸入が、かえって健康を害するリスクになってしまっては本末転倒です。衛生面を確保するためにも、日々の洗浄と乾燥は絶対に欠かせません。
理由3:機械の故障や寿命が縮まる原因になるから
不純物の付着や部品の劣化は、水素の発生効率を落とすだけでなく、機器本体への負担を増大させます。不純物が原因で内部の水の流れが悪くなったり、センサーが誤作動を起こしたりと、様々な不具合を引き起こし、最終的には高価な機器の故障に繋がります。
メーカーが「精製水」の使用を指定しているにもかかわらず水道水を使ったり、定期的な水の交換を怠ったりする行為は、機器の寿命を著しく縮めるNG行為です。正しいお手入れは、大切な水素吸入器を長く使い続けるための最も効果的な投資と言えるでしょう。
【頻度別】これだけでOK!水素吸入器のかんたんお手入れマニュアル
ここからは、具体的なメンテナンス方法を「毎日」「週1回」「月1回」「半年〜数年に1回」という頻度別に解説します。これを実施するだけで、誰でも簡単・確実に水素吸入器をベストコンディションに保てます。
ここでは一般的なメンテナンス方法をご紹介しますが、機種によって最適な手順や内容は異なります。必ず、お使いの水素吸入器の取扱説明書を確認し、その指示に従ってください。
水素吸入器のお手入れ内容をまとめると以下の通りです。
頻度 | お手入れ内容 | 所要時間 (目安) |
毎日 | ①カニューレの洗浄・乾燥 ②精製水の交換(※機種による) | 5分 |
週1回 | ①タンク・ボトルの水交換 ②集水・湿潤ボトルの洗浄 ③本体外部の拭き掃除 | 10分 |
月1回 | ①内部洗浄モードの活用(※搭載機種のみ) ②カニューレの交換 | 15分 |
半年〜数年 | ①イオンフィルターの交換 ②電解槽の交換(メーカー依頼) ③内蔵電池等の交換(メーカー依頼) | 5分〜数日 |
それぞれ具体的に見ていきましょう。
毎日(5分):吸入後にやるべき基本のお手入れ
水素吸入器を使用した後に実施すべき基本のお手入れです。5分以内に終わるものなので、一日の終わりに、歯磨きをするのと同じ感覚で習慣にしておくのがおすすめです。
①カニューレの洗浄・乾燥
使用後のカニューレは、呼気に含まれる湿気や皮脂で汚れています。吸入後は必ず本体から取り外し、鼻に触れる部分をアルコールティッシュなどで拭き、清潔に保ちましょう。
その後は、内部をしっかりと乾燥させることが重要です。湿ったまま放置すると、雑菌繁殖の温床になります。乾燥には、エアダスターなどを活用する方法もありますが、自然乾燥でも問題ありません。
②精製水の交換(※機種による)
ポータブルタイプなど、使用ごとに水を入れる機種の場合は、残った水を必ず捨て、内部を乾燥させてから保管しましょう。
水を入れっぱなしにしておくと、タンク内で雑菌が繁殖する原因になります。卓上型でも、毎日長時間の使用で水が減った場合は、指定のラインまで精製水を補充してください。
週1回(10分):週末にやりたい念入りクリーニング
毎日の必要はないもののの、週に1回(または隔週)行いたい少し念入りにお手入れです。週末の時間がある時に、少しだけ丁寧に機器のメンテナンスとして実施すると良いでしょう。
①タンク・ボトルの水交換と洗浄
家庭用水素吸入器の多くは、タンクに一定量の精製水を溜めて使用します。
このタンクの水は、1週間〜2週間に一度は全て新しい精製水に入れ替えるのが推奨※されています。使用時間に応じて水質が悪化し、それが機器の劣化につながるためです。
また、外付けの加湿・集水用ボトルなども同様に、水を捨てて内部を洗浄しましょう。
※機器によっては、1ヶ月ごとや使用時間に応じた交換が指定されている場合もあります。
②本体外部の拭き掃除
意外と見落としがちなのが、本体についたホコリです。
吸気口や排気口にホコリが溜まると、内部の冷却効率が落ち、故障の原因になることも。乾いた柔らかい布で、本体全体のホコリや汚れを優しく拭き取ってください。
月1回:見えない汚れもリセットする総点検
月に一度は、消耗品のチェックと内部のクリーニングを行いましょう。
①内部洗浄モードの活用(※搭載機種のみ)
一部の機種には、電極に付着したミネラル分などを除去するための「内部洗浄モード」が搭載されています。
取扱説明書の指示に従い、クエン酸などを混ぜた水で洗浄を行うことで、水素の発生効率を初期の状態に近づけることができます。ただし、メーカー指定以外の洗浄剤は絶対に使用しないでください。
②カニューレの交換(衛生のための必須作業)
カニューレは消耗品です。毎日消毒や乾燥をしていても、水素ガスに含まれる微量の水分によって内部には見えない汚れや雑菌が蓄積していきます。
衛生的に使用するため、1ヶ月〜2ヶ月に一度は新しいものに交換しましょう。
半年〜数年に1回:性能を維持するための部品交換
車の車検のように、定期的な部品交換も機器の性能維持には欠かせません。
イオンフィルターの交換(自身で対応)
タンク内の水質をクリーンに保つため、イオンフィルター(カートリッジ)を搭載している機種が多いです。
その場合、一般的に500〜1,000時間の使用、または半年〜1年ごとの交換が推奨されています。ほとんどの場合、タンクの給水口などに取り付けてあるフィルターを新しいものと入れ替えるだけで、簡単に交換できます。
費用は1回3,000〜5,000円程度です。
電解槽・内蔵電池などの交換(メーカー依頼)
水素を発生させる心臓部「電解槽」や、ポータブル機器の「内蔵電池」は、最も重要なパーツですが、寿命があります。一般的に3,000〜5,000時間の使用が交換の目安とされています。
この時間を過ぎると水素の発生量が低下したり、安全面での懸念が生じたりするため、メーカーに依頼して速やかに交換してもらうことを強く推奨します。
費用は1回数万〜十数万円程度です。
長期旅行でも安心!水素吸入器の正しい保管方法
1週間以上など、長期間使用しない場合は、一手間加えることで再開時に気持ちよく使えます。
- タンクやボトル内の水を完全に抜く
- 残った水は雑菌繁殖の原因になります。必ず空にしてください。
- カニューレやチューブ内の水分もしっかり乾燥させる
- 振って水滴を出し、風通しの良い場所で完全に乾かします。
- ホコリがかぶらないように保管する
- 購入時の箱に入れるか、清潔な布をかけて保管しましょう。
この3点を守るだけで、機器の劣化を防ぎ、旅行から帰ってきてすぐに清潔な状態で水素吸入を再開できます。
機器によっては、タンク内にあえて水を残しておく必要がある場合もあります。そのため、必ず取扱説明書をご確認ください。
水素吸入器の寿命を縮めるNG行為ワースト3
良かれと思ってやったことが、実は機器の寿命を縮めているかもしれません。
水素吸入器を長く使っていくために絶対に避けるべき3つのNG行為をご紹介します。
NG1:精製水指定の機種に「水道水」や「ミネラルウォーター」を使う
これは最もやりがちですが、絶対にやってはいけないNG行為です。水道水やミネラルウォーターに含まれる塩素やミネラル分は、電極に付着し、水素発生能力を著しく低下させ、故障の直接的な原因となります。
必ず、メーカー指定の「精製水(または専用水)」を使用してください。
なぜ水素吸入器に精製水が必須なのか、その理由については「水素吸入器に水道水は絶対NG!精製水が必須な理由と選び方」で詳しく解説しています。
NG2:メーカー非推奨の「洗剤」で内部を洗浄する
タンクやボトル内部の汚れが気になるからといって、食器用洗剤などで洗うのは厳禁です。
洗剤成分が内部に残留し、吸入する水素ガスに混入する恐れがあるほか、部品を劣化させる可能性もあります。
洗浄は水ですすぐか、柔らかい布で拭う程度に留めましょう。
NG3:高温多湿な場所やホコリっぽい場所での使用・保管
水素吸入器は精密な電子機器です。直射日光が当たる場所、浴室の近くなどの湿気が多い場所、ホコリっぽい場所での使用や保管は、電子回路の故障や吸排気口の詰まりの原因となります。
リビングなど、清潔で風通しの良い場所に設置しましょう。
メンテナンスが少ない水素吸入器の事例
ここまで水素吸入器のメンテナンスについて様々お伝えしてきましたが、「お手入れが面倒」と感じてしまうのは、人間の差がとも言えます。
そこで、メンテナンスが極限まで少ない水素吸入器をいくつかご紹介します。日々の管理の手間が少ないことが優先な方は、ぜひご参考ください。
ハイセルベーターHX1600|ヘリックスジャパン

ヘリックスジャパンの最新モデル「ハイセルベーターHX1600」は、日々のお手入れは基本的に不要で、水交換ランプが点灯した場合の水交換のみでOKです。また、水交換時も自動排水機能があり、手動で行うよりもラクに行えます。
部品交換等のメーカーのメンテナンスについても、不具合が起きた場合の対応が基本で、決められた使用時間での実施はありません。
同機器の特徴やスペック等について詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。
富士のチカラ Hybrid1500|トライズ

トライズの水素吸入器「富士のチカラ Hybrid1500」も日々のお手入れが基本不要で、管理の手間が少ないです。タンクの水交換は1ヶ月ごとと比較的長いのが魅力です。
電解槽の交換は、4,000時間ごとの使用で必要になります。毎日2時間の使用の場合、5年半に一度の頻度です。
そのほか同機器の特徴やスペック等について詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。
水素吸入器のメンテナンスに関するQ&A
最後に、水素吸入機のメンテナンスに関するよくある質問をまとめてみました。ぜひご参考ください。
Q1. メンテナンスにかかる費用はどのくらい?
ランニングコストとして主に必要なのは「精製水」と「交換用カニューレ」です。精製水は500mlあたり100円〜200円程度、カニューレは1本500円程度が相場です。月に換算すると、おおよそ1,000円〜2,000円程度を見ておくと良いでしょう。これに加えて、数年に一度、フィルターや電解槽などの部品交換費用がかかります。
使用時間に応じたメンテナンス費用を簡単に見積もれるツールもあるので、ぜひご活用ください。
>> 水素吸入器のメンテナンスコスト計算ツール
Q2. メンテナンスを楽にするコツはありますか?
「ながら掃除」がおすすめです。例えば、テレビを見ながら本体をサッと拭いたり、夜の歯磨きのついでにカニューレを洗ったりと、日々の生活動線の中に組み込んでしまうのが長続きのコツです。
また、精製水のストックや交換用カニューレ、掃除用の布などを一箇所にまとめて「お手入れセット」を作っておくと、思い立った時にすぐ作業できて便利です。
Q3. エラー表示が出た!これもメンテナンス不足が原因?
その可能性は十分にあります。例えば「水不足エラー」はタンクの水位が下がっているだけの場合もあれば、水垢でセンサーが誤作動している場合もあります。
まずは取扱説明書のトラブルシューティングを確認し、タンクの洗浄や水の交換など、基本的なメンテナンスで改善しないか試してみてください。
Q4. メーカーの定期メンテナンスは受けた方が良い?
安心して長く使いたいのであれば、必ず受けてください。
メーカーによる点検では、内部の洗浄だけでなく、水素発生量や安全装置が正常に作動しているかなどを専門的な機器でチェックしてくれます。
費用はかかりますが、車の定期点検と同様に、プロの目で確認してもらうことで、見えない不具合を早期に発見でき、結果的に機器の寿命を延ばすことに繋がります。
まとめ:正しいメンテナンスが水素吸入器の効果を最大限に引き出す
今回は、水素吸入器のメンテナンス方法について、網羅的に解説しました。
メンテナンスは「効果維持」「衛生確保」「故障防止」のために不可欠です。機器のメンテナンスとしては、「毎日」「週1」「月1」など様々な頻度のものがあります。これらの少しの手間で、効きを長く安全に使えるため、習慣にするのがおすすめです。
正しいメンテナンスは、水素吸入器の性能を最大限に引き出し、日々の健康習慣をさらに価値あるものへと変えてくれます。この記事をブックマークし、お手入れ方法に迷った際の「お守り」としてご活用ください。今日からできる小さな習慣で、大切な機器とご自身の健康を末永く守っていきましょう。