《この記事の執筆者》
本サイトの運営者。水素の可能性に魅了され、日々独自に探求する水素健康アドバイザー。主に海外の論文をもとに水素を研究し、少しでも水素を活用して幸せになれればと情報を発信。
水素吸入器を選ぶ際に、何を基準にすれば良いのか悩んでいませんか?
当サイトでは「水素吸入器の選び方」として、吸入器選びの際のポイントをご紹介していますが、それに加えて、日本分子状水素普及促進財団(JHyPA)が定める認証基準も、水素吸入器を選ぶ際の有力な指針となります。
本記事では、水素医学の権威である太田成男氏が理事長を務めるJHyPAの認証基準を詳しく解説し、その基準がどのように私たちの製品選びに役立つかを紹介します。また、その認証基準の足りていない部分などについても考察していきます。これを知れば、安心して最適な水素吸入器を選べるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
JHyPA(日本分子状水素普及促進財団)とは?
JHyPA(日本分子状水素普及促進協会)は、「分子状水素が正しく理解され、社会的に適切な普及を促進すること」を目的として設立された団体です。理事長は、水素医学研究の第一人者である太田成男氏が務めています。
後ほどご紹介する水素吸入器の認証などのほか、水素水関連製品の認証も行っています。
>> 【これが基準】水素水から取るべき水素の量とは?濃度はどれくらいあればOK?
JHyPAの水素吸入器の認証基準
日本分子状水素普及促進財団(JHyPA)が認証している水素吸入器の基準は主に以下のとおりです。1)
- 水素発生量は1分間に200〜640ml発生すること
- PEM式で生成していること(他の方法の場合は水素ガス純度証明が必要)
- 爆発に対する安全性の対策を施していること(1分間に600ml以上の水素が発生する場合)
- 機器やACアダプタのPSE認証を受けていること
日本分子状水素普及促進財団は分子状水素が正しく理解され、社会的に適切な普及を促進することを目的に運営されている社団法人です。理事長は水素医学研究の権威である太田成男氏が務めています。
それぞれ少し詳しく見ていきます。
認証基準①:水素発生量について
上記で示したように、日本分子状水素普及促進財団の認証では、水素発生量が200〜300ml/分以上であることが要件の1つとなっています。
この根拠として、多くの動物実験において水素濃度が1.3〜4%で行われており、これを人に換算した場合は1分間に300〜960mlの水素ガスを吸い込むことに相当するためとしています。
さらにここから、ヒトの呼吸割合(吸う時間と吐く時間)や高齢になるにつれて肺活量が低下することなどを加味すると、一分間に200〜640mlの100%水素ガスを発生させる必要があります。
したがって、最低で200ml/分を1つの基準としているようです。
認証基準②:水素発生方式について
水素発生方式は、水素ガスの純度を見る指標です。
日本分子状水素普及促進財団の基準としては、精製水をPEMモジュールを使って水素を発生させる場合は純度に問題無しとしています。
一方でPEM式ではない機器の場合は、別途純度に関するレポートを出して認証を進める必要があるようです。
PEM方式とは、プロトン交換膜を用いて電気分解により高純度の水素を生成する技術です。
認証基準③:爆発の安全性について
爆発の安全性に関しては、鼻カニューレを用いて息を吸う場合は特に問題ないとしています。
一方で、息を吐く場合に4%の水素濃度にならないようにするべきとしており、1分間で480mlの水素ガスが発生する場合にこの基準になるとしています。ただし鼻から漏れて希釈されることなどを加味して、600ml/分以上の水素が発生する機器は、別途安全性の対策を求めているようです。
ただし、具体的にどういった対策が必要なのかは明記されておらず、各々に任せられています。
上記に加え、火気厳禁であることも盛り込むことが指定されています。
認証基準④:電気的な安全性について
電気製品としての保証は1年保証が必要とし、実際にもそれ以上使えるとする根拠の書類が必要になります。
また、直接100Vの電源に接続する場合、PSEの技術基準試験および経済産業省に申請を行う必要があります。ACアダプタを使用する場合も同様です。
JHyPAに認証されている水素吸入器
上記の認証基準をもとに日本分子状水素普及促進財団によって認証されている水素吸入器は現在6機種あります。
以下の吸入器が認証されている機器になります。
- フレスカ150
- フレスカ300
- フレスカプロ
- ナノコHF-300S
- ピュアラスキューブ・プレミア
- ドクターズマンH2JI1
※青色の機種はタップすると当サイトのレビュー記事をご覧いただけます
どうでしょうか?個人的にはまだまだ認証されている機器が少ないなという印象です。
とはいえ、この認証は挙手制であると思われるため、すべての機器が認証チェックの対象となっていないため、仕方ない部分でしょう。
なので、認証されていない機器はダメとも言い切れない側面もあります。一つの目安として捉え、製品選びの際には他の要素も合わせて考慮すると良いでしょう。
JHyPAの水素吸入器の認証基準へのすいかつねっとの見解
ここまで、日本分子状水素普及促進財団が定めている水素吸入器の認証基準についてお伝えしてきました。
改めて、示すと以下のものになります。
- 水素発生量は1分間に200〜640ml発生すること
- PEM式で生成していること(他の方法の場合は水素ガス純度証明が必要)
- 爆発に対する安全性の対策を施していること(1分間に600ml以上の水素が発生する場合)
- 機器やACアダプタのPSE認証を受けていること
この基準に基づいてすでにいくつかの水素吸入器が認証されていますが、これらの基準について、僭越ながら当サイトが思うことを述べていきたいと思います。
最低ラインを定めているのは良い
まず、基準の中で水素発生量を明確に200ml/分以上と決めているのは良いことだと思います。
市販されている水素吸入器の中には10ml/分などかなり少ないものも多く出回っており、個人的な体験やこれまでの研究を見ていると、これらの品質はどうかなと思っていました。
その点、日本分子状水素普及促進財団の認証基準では200ml/分以上としているのは、非常に良いと感じます。
ちなみに、当サイトでは毎分300ml以上の水素発生をする機器を評価基準の1つとしています。
上限を上げても良い気がする
基準では、水素発生量の上限を640ml/分としていますが、もっと上げても良いと感じます。
というのも、様々な研究においてもっと高い流量のものでも研究報告がされているためです。
例えば2020年に肺がん患者を対象とした研究では、毎分約2,000mlの水素発生をする機器を用いて検証されており、肺症状の改善や免疫細胞の改善などが報告されています。2) また、他にも様々な研究において640ml以上の水素を用いた報告もされているため、もっと上げてもよいのでは?と感じています。
これらの研究を鑑みて、当サイトとしては水素発生量は2,000ml/分まで必要であれば上げてもよいと考えています。
PEMだからOKは緩い気がする
水素発生方式の点で、「PEMであれば水素純度に関して合格」というのは少し緩い気がします。
どんなに優れた発生方式であっても、しっかりと排出されるガスの成分や量は分析されるべきだと思います。というのも、想定より多い不純物が含まれていたり、示している純度がなかったりなどは良く起きます。
そういったことから排出ガスの安全性から考えると、ガス分析結果の提出は必須かと思います。
安全性の項目をさらに設けるべき
コンテンは少し上記と被る部分ではありますが、安全性に関しての項目が少ない気がしています。
「PEM方式」と「PSE認証」の2つを満たしていればOKという基準は少し足りないです。上述したガス分析の結果はマストだと思いますし、オゾンの発生や必要な安全機能なども含めるべきかと思います。
あまりに高い基準だと認証できる機器が少なくなるため、最低限に抑えているのかもしれませんが、その場合、日本分子状水素普及促進財団の認証があるからと言って安心はできないでしょう。
後悔しないための水素吸入器選びのポイント
上記の見解を踏まえて、すいかつねっとが推奨している水素吸入器の選び方をご紹介します。
水素吸入器を選ぶ際に見ておくべきポイントは次のとおりです。
- 水素発生量は十分か
- 連続稼働時間は十分か
- 騒音レベルは高くないか
- 製品価格は適正か
- 維持費は高すぎないか
- メンテナンスは複雑ではないか
- 安全性は担保されているか
- 製品の耐久性は十分か
- 信頼性のある販売者か
これら9つのポイントをしっかりと見て判断すれば、まずハズレの吸入器を引くことはないでしょう。いくつかJHyPAの認証基準と被る部分がありますが、その基準で見過ごされているポイントもしっかりと含めています。
それぞれのポイントで具体的な基準などの詳しい解説については、以下の記事で解説しています。ぜひご参考ください。
>> 後悔しない!水素吸入器の選び方を徹底解説
>> 迷ったらこれ!おすすめ水素吸入器ランキング
水素吸入器の認証よりも9つのポイントを見よう!:まとめ
今回は、日本分子状水素普及促進財団が定めている水素吸入器の認証基準について見てきました。
4つほどの基準ポイントが定められていて、こういった認証基準があると自分で水素吸入器を選ぶ際にはかなり参考になるでしょう。
とはいえ、認証基準も万能ではなく、見落としているポイントもあります。それらをカバーするためにも当サイトが紹介している9つのポイントを是非活用して、ご自身に合う水素吸入器を見つけてください。
本記事が少しでもご参考になれば幸いです。
参考文献
- 水素ガス発生装置の認証|日本分子状水素普及促進財団
- Chen, J. B., Kong, X. F., Qian, W., Mu, F., Lu, T. Y., Lu, Y. Y., & Xu, K. C. (2020). Two weeks of hydrogen inhalation can significantly reverse adaptive and innate immune system senescence patients with advanced non-small cell lung cancer: a self-controlled study. Medical gas research, 10(4), 149–154. https://doi.org/10.4103/2045-9912.304221