《この記事の執筆者》
本サイトの運営者。水素の可能性に魅了され、日々独自に探求する水素健康アドバイザー。主に海外の論文をもとに水素を研究し、少しでも水素を活用して幸せになれればと情報を発信。
水素吸入器の要とも言える「電極」について、どれだけ重要かご存知ですか?
電極は、水の電気分解を通じて水素ガスを生成する大切なパーツ。実はその材質が性能や安全性に大きく関わっており、選び方を間違えると、健康リスクや頻繁なメンテナンスが必要になることもあります。
本記事では、水素吸入器の電極について詳しく解説し、それぞれの材質の特徴比較やおすすめの材質についてもご紹介します。安全で効果的な水素吸入を実現するためのポイントをぜひご確認ください。
そもそも電極って?
電極とは、電流を流すための導体で、水素吸入器の中で非常に重要な役割を担う部品の一つです。
電極には、電気が流れ出る方(=陽極)と流れ込む方(=陰極)とが両端についています。
水素吸入器は、基本的に水を電気分解して水素ガスを生成させますが、その際に必要なのが「電極」です。
電極の役割
電極は電気を通す役割を果たし、水中で酸素と水素に分かれる化学反応を引き起こします。
この電気分解の過程で、陽極と陰極という2つの電極が働きます。陽極は酸素を発生させ、陰極は水素を発生させます。
この陰極で発生した水素が、私たちが吸入するための水素ガスになります。
電極がどのようにして水素ガスを発生させているのかの詳しいメカニズムについては、以下で詳しく解説しています。イラストも交えてできるだけわかりやすく解説していますので、ぜひご参考ください。
>> 水素吸入器の仕組み徹底解剖!電解槽で水素を作るプロセスとは?
電極の材質選びが重要な理由
電極の材質は、吸入器の性能や耐久性、そして安全性に大きな影響を与えるため、非常に重要になります。
電極は水中で電気分解を繰り返し行うため、常に水や酸素にさらされています。そのため、電極の材質が適切でないと、腐食や劣化が起こりやすくなります。
特に、劣化した電極は性能が低下し、十分な水素を生成できなくなるだけでなく、人体に有害な金属成分が溶け出すリスクもあるのです。
こうした理由から、どのような材質の電極が使用されているかは非常に重要となり、私たち消費者にとっても見逃せないポイントとなります。
水素吸入器に使われる電極の種類と特徴
電極に使用される材質は様々ありますが、水素吸入器に用いられる材質は主にステンレス、チタン、プラチナ、イリジウムの4種類になります。
これらの材質はそれぞれ異なる特性を持っており、性能、安全性、そして耐久性において選び方が重要になります。
では、それぞれの材質について詳しく見ていきましょう。
電極の材質①:ステンレス
ステンレスは、比較的低コストで製造できることが大きな特徴となります。そのため、多くの水素吸入器でも使用されています。
腐食に対してある程度の耐性を持っていますが、長期間の使用では劣化が見られることがあります。電気伝導性もチタンやプラチナに比べると劣るため、最終的に効率的な水素生成が難しくなる可能性があります。
また、ステンレスの電極が長期にわたり使用されると、わずかながら金属成分が水に溶出するリスクも存在します。
電極の材質②:チタン
チタンは高い耐腐食性を持ち、水素吸入器の電極として非常に優れた材質です。水素生成時にチタンが溶け出すリスクが極めて低く、安全性が高いとされています。
さらに、耐久性も高く、長期間安定した性能を維持することが可能です。
コストはステンレスよりも高いものの、信頼性の面で選ばれることが多いです。特に、医療や美容において信頼性の高い水素吸入を求める方にとっては、最適な選択と言えるでしょう。
電極の材質③:プラチナ
プラチナは耐腐食性、電気伝導性、耐久性のすべてにおいて非常に優れています。
プラチナ電極を使用することで、長期間にわたり高い効率で水素を生成することが可能です。
ただ、その一方でこれらの中で最も高価なものでもあるのが欠点とも言えます。
電極の材質④:イリジウム
イリジウムは非常に高い耐腐食性を持ち、過酷な環境でも劣化しにくい材質です。電気伝導性も非常に高く、効率的な水素生成を実現し、特に長期間の使用において優れた安定性があります。
さらに、イリジウムは耐熱性にも優れているため、高温や強酸性の環境下でも性能を維持できる点が特徴です。ただし、プラチナと同様に非常に高価なため、使用される水素吸入器のコストが上昇することが懸念されます。
電極の材質の特徴と利点・欠点まとめ
以上の3つの材質をまとめると以下のようになります。
材質 | コスト | 対腐食性 | 電気伝導性 | 耐久性 |
---|---|---|---|---|
ステンレス | ○ | △ | △ | △ |
チタン | △ | ○ | ○ | ○ |
プラチナ | × | ◎ | ◎+ | ◎ |
イリジウム | × | ◎+ | ◎ | ◎+ |
イリジウムはプラチナよりもさらに高い耐熱性と耐腐食性を持つ一方、プラチナは電気伝導性がやや優れています。
上述したようにステンレスはコストが安い反面、性能や耐久性に問題があります。チタンはステンレスよりも高価ですが、その分性能や耐久性の面で優れています。また、プラチナやイリジウムは高価ですが、その分性能や耐久性の面でも非常に優れている材質です。
電極の材質はステンレス、チタン・プラチナのどれが良いのか?
先ほど電極に用いられる4つの材質をご紹介しましたが、実際は「ステンレス」か「チタン・プラチナ(またはチタン・イリジウム)」の2パターンになります。
「チタン・プラチナ」は、コストできるだけ抑えつつ性能の上げて、全体として最適化するために、チタンを基材としてプラチナでコーティングする方法になります。もしくは、チタンを基材としてイリジウムのコーティングがされることもあります。
これら2つで比較した場合、結論としてはチタン・プラチナを選んでおけば間違いないでしょう。特に長期的な安全性や信頼性を求める場合は、こちらの方がおすすめです。
そう言える根拠として以下で解説していきます。
根拠①:ステンレス電極のデメリットとリスク
ステンレス電極はコストが低いことから、いくつかの水素吸入器で使用されています。
しかし、長期的に使用する場合にはいくつかのデメリットとリスクが存在します。
デメリット①:腐食の進行
ステンレスは水や酸素にさらされる環境では、時間が経つにつれて腐食が進む可能性があります。
特に電気分解を繰り返す水素吸入器のような環境では、ステンレスの電極は徐々に劣化し、効率的に水素を生成できなくなることがあります。
デメリット②:金属成分の溶出リスク
ステンレス電極は長期使用や高頻度の使用において、微量ながら金属成分が水中に溶け出すリスクがあります。
この点は、特に安全性が重視される医療や美容用途においては懸念事項となります。
人体に有害な金属(クロムやニッケルなど)が含まれる可能性があるため、安全性に関して慎重に検討する必要があります。
デメリット③:メンテナンスが必要
ステンレス電極はチタンやプラチナに比べ、劣化が早いため、定期的なメンテナンスが必要です。
腐食が進んで性能が低下した場合は、電極自体を交換する必要が生じるため、長期的なコストパフォーマンスは低くなる可能性があります。
根拠②:政府や専門機関の見解
上述したステンレス電極のデメリットに加えて、政府からの見解も参考となります。
水素水を作る家庭用電解水生成器のいくつかは、「家庭用医療機器」として認められています。この電解水生成器から作られる水はアルカリイオン水と言われ、いわば水素水です。
この水素水を作る際は、水素吸入器と同様に電極を用いて水を電気分解することで、水素が含まれた水を生成します。その際に用いられる電極について、厚生労働省は明確に指針を示しています。
具体的には、以下のように示しています。
電極は、チタン・白金等の不溶性電極を使用し、その電極成分が溶出しないこと。
いわゆる電解水の取り扱いについて
つまり、電極の材質にはチタンや白金(プラチナ)を用いることを厚生労働省は要求しています。
ある種の無法地帯なので水素吸入器選びは慎重に
水素吸入器は電解水生成器と違い、特に政府による規制や基準は設けられていません。つまり、現状はメーカーの好きなように作れるということです。
その状況を考えると、上記は水素水生成器に対する基準ではありますが、同様のメカニズムで動いている水素吸入器に対してもこの基準を参考にして評価するのも1つの手かと思います。
上記のステンレス電極のデメリットと厚生労働省の見解から考えるに、チタン・プラチナの電極を選ぶことが無難で安全かと思います。
ステンレスの電極は絶対ダメなのか?
ここで思い浮かぶのが「ステンレスの電極は絶対にダメなのか?」「避けた方が良いのか?」という疑問です。
これについては、諸説あるかと思いますが、できれば避けるのが望ましいかと思います。
理由は、先ほどあげたステンレス電極のデメリットである有害な金属成分が溶け出すリスクに加え、頻繁なメンテナンスが必要といったことが挙げられます。
コストが安いといっても、頻繁にメンテナンスで電極を交換していては結局チタン・プラチナと同様のコストになる場合もあります。また、健康のためにやっている水素吸入で健康を害してしまう不安を持ちながら行うのは、気も引けるでしょう。
なので、積極的にステンレス電極の機器を選ぶ必要はないのかなと思います。
ただ、自身が良いなと持っている吸入器がステンレス電極であった場合は、メーカーに安全性等を確認してから購入するのが良いでしょう。
電極の材質を判別する方法
水素吸入器の電極の材質を判別する方法は簡単です。
興味のある水素吸入器の販売ページに行き、そこで記載があるかを確認します。
記載がある場合はそこで確認できます。掲載がない場合は、当サイトの各吸入器の紹介記事で掲載しているので、そちらをご確認ください。
もし記事内で「不明」となっている場合は、問い合わせても回答がなかったり、非公開だったりするので、そういった場合は、ほとんどステンレス電極と考えて良いです。
もしくは、ご自身で販売会社に直接問い合わせて聞いてみるのも良いでしょう(答えてくれるかは分かりませんが)。
ちなみに、答えてくれない場合は販売者の信頼性の部分で疑問なので、そういったところからの購入は避けておいた方が無難です。
電極の材質を見る際の注意点
ここまで水素吸入器の電極はチタン・プラチナのものをおすすめとし、話を進めてきました。
しかし、水素吸入器を選ぶ際に、電極が「チタン・プラチナだから安心安全!」とすぐに判断してしまうのは少し危険です。
というのも、チタン・プラチナが確かに優れた材質であることは間違いありませんが、それだけで吸入器全体の安全性が保証されるわけではないためです。
ここでは、電極材質以外にも確認すべきポイントをいくつかご紹介します。
電極以外に見るポイント①:
排出ガスの成分分析結果を確認する
電極の材質だけでなく、吸入器が実際に生成する水素ガスの成分を確認することが重要です。
水素吸入器は、水素ガスを生成する際に副産物として微量の酸素やその他の成分が排出されることがあります。その中に有害物質が含まれていないかを確認するため、排出ガスの成分分析結果をチェックすることが必要です。
成分の確認は、実際に記載されてある水素量や濃度があるのかの確認にもなります。
信頼性の高いメーカーは、第三者機関による成分分析を行い、その結果を公開している場合が多いです。
このようなデータがあると、吸入器がどの程度安全であるかを判断する上で非常に参考になります。もし分析結果が公開されていない場合、問い合わせて確認することをおすすめします。
電極以外に見るポイント②:
安全性に関する認証や試験結果を確認する
水素吸入器が第三者機関による安全性試験や認証を受けているかも重要な判断基準です。
特に、日本国内で販売される水素吸入器においては、明確な規格や基準がないため、電気的な安全性やその他の安全性に関しての第三者機関による認証を受けているかどうかが安全性の指標となります。
こうした情報を確認することで、その吸入器が適切な安全性を確保しているかを判断することができます。
電極以外に見るポイント③:
ユーザーレビューや実績を確認する
最終的に、実際に使用している人々のレビューや実績を参考にすることも有効です。
特に、医療現場や美容クリニックなどで使用されている吸入器は、信頼性が高いと言えます。こうした実績を持つ製品は、多くの使用者から評価されているため、長期にわたって安全に使用できる可能性が高いです。
また、インターネット上でのユーザーレビューや口コミも参考になりますが、信頼できる情報源を基に判断することが重要です。
この辺りを含め、水素吸入器の安全性を確認するために見るべき項目については、以下の記事でより詳しく解説しています。水素吸入器選びの際に非常に大切となる項目の1つなので、ぜひ購入・レンタル前にご確認ください。
>> 【知らないと危険】水素吸入器の安全性を見極める4つのポイント
まとめ:水素吸入器の電極はチタン・プラチナを!
今回は少しマニアックな水素吸入器の電極についてお伝えしました。
水素吸入器の電極は、性能や安全性に大きく影響するため、水素吸入器を選ぶ際には非常に重要なポイントとなります。
記事で解説した通り、ステンレスは安価ですが、長期使用では腐食や金属成分の溶出リスクがあり、避けた方が無難です。チタン・プラチナ電極は耐腐食性や電気伝導性に優れ、安全で信頼性が高いためおすすめです。
ただ、吸入器の安全性を評価する際は、電極の材質だけでなく、排出ガスの成分分析や安全性の認証も確認し、総合的に信頼できる製品を選ぶことが大切です。