健康全般
【医師監修】水素吸入療法は良質な睡眠に効果がある?

【医師監修】水素吸入療法は良質な睡眠に効果がある?

《この記事の執筆者》

健康に生きていくためには、適度な運動と健康的な食事に加え、良質な睡眠が欠かせません。

しかし、現代の日本では多くの方は睡眠不足または睡眠の質が低く、それによる様々な健康リスクが懸念されています。

睡眠の質を改善する方法は様々ありますが、その中でも手軽にできる方法として注目を集めているのが水素吸入療法です。

本記事では、水素吸入療法が良質な睡眠に効果があるのかについて、これまでに報告されている研究をもとに解説していきます。睡眠不足で日中も眠い、ずっと疲れが取れないといったお悩みをお持ちの方はぜひご参考ください。

睡眠の重要性について

睡眠は三大欲求の中に入るほど生物にとっては重要なものです。

しかし、日本においてはこの百年で睡眠時間が1.5時間減少したと言われるほど、睡眠の状況は変わってきています。

10人に一人が慢性的な睡眠不足を感じているという調査や、約20%が不眠症であるという研究もあり、睡眠の問題には多くの人が悩んでいます1)

睡眠不足によって病気のリスクが上がる

多くの人がなんとなく感じているように、睡眠不足は健康へ悪影響を及ぼします。

例えば、睡眠時間が6時間未満の人は7-9時間の人と比較して早期死亡リスクは10倍以上と言われており、総死亡率も1.7倍と上昇します2)

高血圧、糖尿病、がん、肥満、うつなども睡眠不足により発症率が上がることが世界的にわかっています。

日本での研究では毎日の睡眠時間が5時間未満の人は、6-8時間の人と比較して心筋梗塞のリスクが2.3倍高かったという報告があります2)

健康に長生きするためには睡眠不足へ対処することは必須と言えるでしょう。

睡眠の質が低いと日常生活にも悪影響

睡眠不足により頭痛や不安、いらいら、倦怠感などの症状を感じた人は多くいるでしょう。

実際に慢性的な睡眠不足は、反応時間を必要とするパフォーマンスを1/2に低下させ、注意力も1/5ほどになるという報告があります2)

睡眠不足により交通事故のリスクが増える、労働災害が増えるというものもあります。

学生では睡眠時間が増えると成績が上がるという報告もあり、睡眠不足は社会的にも大きな問題であることが分かります。

美容の面でも悪影響

また、美容の面でも睡眠不足の影響があります。

睡眠不足が続くと、目の赤み・腫れ、クマ、しわ、たるみが起こりやすくなります3)

このように睡眠の質が低いことで日常生活でも様々な悪影響を受けてしまうため、しっかりと睡眠の質を維持することが重要になります。

睡眠障害の基本的な対応

睡眠の問題が起きた際には、まずはレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)やうつ病、レム睡眠行動異常、睡眠時無呼吸症候群などの疾患が隠れていないかの評価が必要です。

その上で、ストレス・生活習慣・環境などを振り返り、調整することで良質な睡眠に向かうことができます。

睡眠が健康に繋がると認識すること、軽い運動なども有効とされています4)

水素吸入は良質な睡眠に効果はある?

水素吸入が良質な睡眠に寄与するかどうか、どのような影響を与えるのかを直接評価した研究はまだありません。

よって、ここでは水素吸入と同様に水素を体内に多く取り入れる水素水と睡眠についての研究を通して考察をしたいと思います。

水素が睡眠の質を上げる可能性

水素吸入が睡眠の質を上げる可能性

水素水が睡眠の質を上げる可能性がこれまでの研究で報告されています。

水素水と睡眠を研究した日本からの報告では、4週間の水素水を飲んだ群とミネラルウォーターを飲んだ群を比較を行いました5)

比較した項目は生活や気分、認知機能、血液検査などで、睡眠については睡眠の質に関するアンケートと、睡眠時間と疲労に関する情報が収集されました。

この睡眠の質を評価するアンケートはピッツバーグ睡眠質問票というもので、点数が高いほど睡眠の質が悪いとされます。日本人では6点以上を「睡眠の質が悪い」として判断基準が設けられています6)

結果は、水素水を飲んだ群ではこの点数が減少しており、6点以下の人数も減りました

一方で、睡眠時間の変化は2つのグループに差はありませんでした。

この研究から、水素水は睡眠時間を増やすわけではないですが、睡眠の質を上げることが分かります。睡眠不足に悩みつつも仕事などで睡眠時間を増やすことができない人には、水素による睡眠の質の向上は特に有用と思われます。

寝不足に由来する注意力改善の可能性

水素吸入で寝不足に由来する注意力改善の可能性

また、良質な睡眠が摂れない場合、つまり寝不足に対しても水素は役立つかもしれません。

習慣的にカフェインを摂る人で寝不足の時に水素水を摂取することで、注意力と脳の代謝が向上したという研究があります8)

この研究ではカフェインの追加とも比較もされており、注意力についてはカフェインの追加の方が優れていました。

しかし「カフェインの方が注意力の改善があった=カフェインの方が優れている」というわけではありません。常習的なカフェインの摂取は不安、いらいら、不眠などの原因となりますし、近年ではエナジードリンクでの有害事象も問題提起されています。

水素吸入は少なくとも複数の研究で短期的な安全性は示されており9)、より安全で効果を得られる方法として期待できます。

【私はこう考える】水素吸入と睡眠

良質な睡眠が摂れないことは心身の不調の原因となるだけでなく、日中の眠気などで仕事や対人関係で良いパフォーマンスが発揮できなくなることにも繋がります。

そうなると生活の質(Quality of Life)が低下してしまうことは明らかです。

睡眠の質に影響するものはたくさんありますが、環境・ライフスタイルなど急に大きく変えることは難しいものもあります。

その際に導入しやすい新たな治療法が出てくれば、睡眠で悩む人にとっては希望となるでしょう。

水素吸入の睡眠に対する効果については研究がまだありませんが、水素水では睡眠の質を高めることが分かりました。

水素吸入は他の治療法などと併用して行いやすいことが魅力であり、すでに安全性についても多くの研究があります。

水素水の研究のような、睡眠に対する効果の研究が今後出てくることに期待したいです。

参考文献
  1. 国立精神・神経医療研究センター:睡眠障害ガイドライン
  2. Chattu VK, Manzar MD,et al. The Global Problem of Insufficient Sleep and Its Serious Public Health Implications. Healthcare (Basel). 2018 Dec 20;7(1):1.
  3. Sundelin T, Lekander M,et al. Cues of fatigue: effects of sleep deprivation on facial appearance. Sleep. 2013 Sep 1;36(9):1355-60.
  4. Albakri U, Drotos E, et al. Sleep Health Promotion Interventions and Their Effectiveness: An Umbrella Review. Int J Environ Res Public Health. 2021 May 21;18(11):5533.
  5. Mizuno K, Sasaki AT, et al. Hydrogen-rich water for improvements of mood, anxiety, and autonomic nerve function in daily life. Med Gas Res. 2018 Jan 22;7(4):247-255.
  6. Doi Y, Minowa M, et al. Psychometric assessment of subjective sleep quality using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J) in psychiatric disordered and control subjects. Psychiatry Res. 2000 Dec 27;97(2-3):165-72.
  7. Tanaka Y, Saihara Y,et al. Daily ingestion of alkaline electrolyzed water containing hydrogen influences human health, including gastrointestinal symptoms. Med Gas Res. 2019 Jan 9;8(4):160-166.
  8. Todorovic N, Zanini D,et al. Hydrogen-rich water and caffeine for alertness and brain metabolism in sleep-deprived habitual coffee drinkers. Food Sci Nutr. 2021 Jul 19;9(9):5139-5145.
  9. Tamura T, Hayashida K, et al. Efficacy of inhaled HYdrogen on neurological outcome following BRain Ischemia During post-cardiac arrest care (HYBRID II trial): study protocol for a randomized controlled trial. Trials. 2017 Oct 23;18(1):488.

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