基礎知識
【医師監修】水素吸入療法の安全性・副作用を解説

水素吸入は危険?副作用やデメリット、安全な取り入れ方を解説

「水素吸入を試してみたいけど、副作用はないの?安全性は本当に大丈夫?」

美容や健康への意識が高いあなたなら、そんな疑問や不安を感じているかもしれません。新しい健康法を試すとき、メリットだけでなくデメリットやリスクもきちんと知っておきたいですよね。

現在、水素吸入による深刻な副作用は報告されていません。 しかし、「絶対に安全」と言い切れるわけではなく、知っておくべきデメリットや注意点はあります。

そこで本記事では、以下について解説します。

本記事で解説する内容
  • 水素吸入の安全性が高いと言われる理由
  • 水素吸入のデメリットや注意点
  • 水素吸入を安全に利用するポイント

ぜひ最後までご覧いただき、水素吸入の副作用やデメリットについて正しく理解し、安全にうまく活用するための参考にしてください。

なお、水素吸入そのものの効果や基本的な仕組みについて知りたい方は、以下の記事を先にご覧ください。
>> 水素吸入療法の効果とは?知っておきたい基礎知識まとめ

《この記事の執筆者》

【結論】水素吸入に重大な副作用の報告はなく安心

現時点において、水素吸入が原因とされる重篤な副作用は、医学的な研究や臨床現場から報告されていません。したがって、安心して水素吸入を行うことができます。

「じゃあ、全く心配ないの?」と思われるかもしれませんが、そう断言することもできません。体質によっては一時的な変化を感じる方もいますし、使用する機器や方法によっては注意が必要です。

ここでは、「副作用の心配は基本的にない」という点をまず押さえていただき、続くセクションで「なぜ安全性が高いのか」「どんなデメリットや注意点があるのか」を詳しく解説していきます。

なぜ水素吸入は安全性が高いと言われる?3つの理由

なぜ水素吸入は安全性が高いと言われる?3つの理由

「副作用の報告がない」と言われても、なぜ安全なのか具体的な理由が知りたいですよね。

水素吸入の安全性が高いとされる背景には、主に3つの理由があります。

水素吸入の安全性が高い3つの理由
  1. 水素が持つ体に優しい性質
  2. 体内に元々存在する身近な分子
  3. 国内外での研究と医療現場での実績

それぞれ解説していきます。

理由①:水素が持つ体に優しい性質

水素が体に優しいと言われる最大の理由は、その賢い働きにあります。

私たちの体には、細胞を傷つける『悪玉活性酸素』と、体を守るために必要な『善玉活性酸素』があります。水素は、この悪玉だけを選んで結びつき、無力化する性質を持っています。善玉には影響を与えにくいため、体の機能を邪魔しません。

そして、悪玉活性酸素と結びついた水素は、安全な『水』に変わります。体内で有害な物質になるのではなく、無害な水として処理されるのです。

さらに、体内で使われなかった余分な水素は、呼吸などを通じて自然に体の外へ排出されます。体に溜まって負担をかける心配が少ない、これが水素が体に優しいとされる大きな理由です。

理由②:水素は体内に元々存在する身近な分子

実は、水素は私たちの体にとって全くの異物ではありません。驚かれるかもしれませんが、私たちの腸内にいる細菌(腸内フローラ)も、日々水素を作り出しています。食事に含まれる食物繊維などを分解する過程で、自然に発生しているのです。

このように、私たちは普段から体内で水素に触れているため、外部から水素を取り込むことに対するアレルギー反応などのリスクは極めて低いと考えられています。身近な存在であることも、安全性の高さを裏付ける一因と言えるでしょう。

理由3:国内外での研究と医療現場での実績

水素の生体への影響に関する研究は、日本をはじめ世界中で長年にわたり行われています。多くの動物実験やヒトでの臨床研究において、水素ガスの毒性や重篤な副作用は確認されていません。

特に日本では、先進的な医療技術を評価する厚生労働省の「先進医療B」として、心停止後症候群に対する水素ガス吸入療法が承認された実績があります。それに加え、一部の医療機関では、すでに自由診療の一環として導入されているケースもあります。

このように、医療現場での活用も進められていることは、安全性の高さを裏付ける客観的な事実の一つです。

水素吸入の副作用?一時的な体調の変化について

「副作用はないって言うけど、吸入したら眠くなったり、トイレが近くなったりしたんだけど…」という声を聞くことがあります。これらは、一部で「好転反応」と呼ばれることがありますが、現時点で「好転反応」という現象に明確な科学的根拠はありません。

しかし、一時的な変化として眠気やだるさ、トイレが近くなる、軽い頭痛やふらつきなどを感じられる方がいるのも事実です。

これらは一時的なもので自然と軽快しますが、もし不快な症状が続く場合や、強い症状が出る場合は、使用を中止し、必要であれば医師に相談しましょう。無理せず、ご自身の体調を観察しながら利用するようにしてください。

>> 【医師監修】水素吸入の好転反応の症状や原因は?副作用との違いも解説

水素吸入のデメリットや注意点5つ

水素吸入のデメリットや注意点5つ

重篤な副作用の心配は少ない水素吸入ですが、利用する上で知っておきたいデメリットや注意点も存在します。

正しい理解のために、以下の点について確認しておきましょう。

水素吸入のデメリットと注意点
  1. 効果の感じ方には個人差がある
  2. 継続が必要でコストと時間がかかる
  3. 機器の質や取り扱いに注意が必要
  4. 科学的根拠はまだ研究段階である
  5. 日本や各国での法整備が追いついていない

それぞれ解説していきます。

水素吸入のデメリット①:
効果の感じ方には個人差がある

水素吸入の効果を期待して始める方は多いですが、残念ながら全ての人に同じような変化が現れるわけではありません。効果の感じ方には個人差が大きいのが実情です。

その方の体質、生活習慣、健康状態、そして何を期待しているか(疲労回復、美容、睡眠改善など)によって、体感は大きく異なります。すぐに変化を感じる人もいれば、継続してもあまり変化を感じない人もいます。「必ず効く」という保証はないことを理解しておきましょう。

水素吸入のデメリット②:
継続が必要でコストと時間がかかる

多くの場合、水素吸入は一度試しただけでは明確な変化を感じにくく、継続することで体調の変化を感じやすくなると言われています。もちろん、即日で変化を感じる方もいますが、変化を体感・持続させるには継続が非常に大切です。

継続するには、時間と費用がかかります。サロンに通う場合は、定期的な時間確保と利用料金が必要です。自宅用の水素吸入器を購入する場合も、初期費用に加え、メンテナンス費用や消耗品のコストがかかります。

したがって、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、継続可能かどうかを検討することが重要です。

水素吸入のデメリット③:
機器の質や取り扱いに注意が必要

水素吸入器は様々なメーカーから販売されていますが、機器の品質にはばらつきがあります。十分な量の水素を安定して発生させられない低品質な機器では、期待する効果が得られない可能性があります。

また、水素ガスそのものは、濃度が4%以上の状態では引火・爆発する可能性がある可燃性ガスです。そのため、水素吸入器の取り扱いには注意が必要です。

適切に設計・製造された機器を正しく使用する限り、爆発などのリスクは極めて低いですが、使用中は火気厳禁、機器の改造をしないなど、取扱説明書に記載された注意事項を必ず守るようにしましょう。

水素吸入のデメリット④:
科学的根拠はまだ研究段階である

水素の健康効果に関する研究は世界中で進められていますが、多くの効果については、まだ科学的根拠(エビデンス)が確立されているとは言えません。特定の病気に対する治療法として国が承認しているものは、前述の先進医療Bなどごく一部に限られます。

そのため、「水素吸入はあらゆる病気に効く万能薬」といった過度な期待は禁物です。あくまで健康維持や美容のサポートとして、ご自身の判断で取り入れるものと考えるのが良いでしょう。今後の研究によって、新たなエビデンスが明らかになることが期待されます。

2025年4月現在は、水素吸入療法は先進医療Bから取り下げられています。その理由については以下の記事で詳しく解説しています。
>> 水素吸入が「先進医療B」から取り下げ!理由と現状、今後の展望まで徹底解説

水素吸入のデメリット⑤:
日本や各国での法整備が追いついていない

現在、日本の法律では、水素吸入器(水素ガス生成器)は「医療機器」として承認されていません。基本的に「健康器具」という扱いになります。

そのため、品質や安全性に関する統一された公的な基準がなく、現状は各メーカーの自主基準に委ねられている側面があります。「医療機器」と誤認させるような広告や説明には注意が必要です。

この状況は日本だけでなく、美容や健康目的での水素利用が進んでいる韓国や中国などでも同様で、水素吸入器に関する明確な法規制や統一基準はまだ確立されていません。世界的に見ても、水素の健康応用に関する法整備は、研究の進展に追いついていないのが現状と言えます。

安全に水素吸入を行うために知っておきたいこと

デメリットや注意点を理解した上で、安全かつ効果的に水素吸入を行うためには、以下の点を理解しておきましょう。

水素吸入を安全に行う方法
  1. 高品質で信頼できる水素吸入器を選ぶ
  2. 適切な吸入頻度や時間、過剰摂取の心配について
  3. 持病がある方や妊娠・授乳中は事前に医師に相談する

①高品質で信頼できる水素吸入器を選ぶ

水素吸入器に関する法整備が整っていない現状もあり、低品質な機器を使って体調を崩さないためにも、水素吸入器選びは非常に重要です。

以下の点をしっかりとチェックしましょう。

水素吸入器選びのポイント
  • 性能面:水素発生量や稼働時間は十分か?
  • 安全面:電気用品安全法(PSEマーク)などの安全性は十分か
  • コスト面:性能に対して妥当な価格か、維持費が高すぎないか
  • 保守面:管理の手間がかかりすぎないか、耐久性は十分か
  • 信頼面: メーカーの実績、第三者機関による評価、利用者の口コミなど

これらのポイントをしっかり確認しておけば、水素吸入器選びで失敗する確率はぐんと下がります

より詳しい観点や評価の基準については、以下の記事をご参考ください。
>> 失敗しない水素吸入器の選び方|9つのポイント解説

②適切な吸入頻度や時間、過剰摂取の心配について

水素吸入の適切な頻度や時間については、確立された基準はありません。しかし、当サイトではこれまでの研究結果に基づいて、最低でも1日1時間以上の実施をおすすめしています。

また、過剰摂取についてですが、前述の通り、水素は体に必要な分以外は速やかに体外へ排出されるため、基本的に吸いすぎによる健康被害はありません。

期待する目的や機器の種類によって推奨される時間は異なりますが、無理のない範囲で継続することが大切です。自身がリラックスして行える時間と頻度を見つけ、うまく取り入れましょう。

③持病がある方や妊娠・授乳中は事前に医師に相談する

基本的に安全性が高いとされる水素吸入ですが、持病(特に呼吸器系疾患など)をお持ちの方、治療中の方、薬を服用中の方は、自己判断で始めるのは避けましょう。

また、妊娠中や授乳中の方も、体への影響が全くないとは言い切れません。安全であるという意見も多いですが、非常にデリケートな時期ですので、必ず事前にかかりつけの医師に相談し、許可を得てから行うようにしてください。安全を最優先に考えましょう。

水素吸入の副作用や安全性に関するよくある質問

水素吸入の副作用や安全性に関して、よく寄せられる質問をまとめました。ぜひご参考ください。

Q1. 水素吸入器は爆発しますか?

水素吸入器が爆発することは、基本的にありません。水素の特性として可燃性が挙げられますが、水素自体が燃えるためには500℃以上の温度が必要であり、その温度に達することは通常の使用では考えられません。また、NASAをはじめとした多くの研究で水素ガスの爆発濃度は4〜75%の間とされています。

そのため、濃度を適切にコントロール出来ていれば爆発することはありません。

上記の理由から基本的に爆発しない水素吸入器ですが、万が一に備えた防爆システムが搭載してあるとより安心できます。
>>【危険!?】水素吸入器で水素爆発する条件とさせないためのポイント4つ

Q2. 水素吸入器は医療機器ですか?

現在の日本では、水素吸入器は医療機器ではなく、「健康機器」という分類です。

また、クリニック等で水素吸入を行う場合も自由診療のため、公的保険の適用外であり全額自己負担となります。

Q3. 水素吸入で酸欠になると聞いたのですが?

基本的に水素吸入による酸欠の心配はありません。

ただし、水素発生量が多い(2,000ml/分以上)機器を高齢者や呼吸に問題を抱えられている方が使用する場合は注意が必要です。

そのような場合は、水素だけではなく酸素と混合での吸入が望ましいでしょう。

Q4. 水素吸入による死亡事故があったんですか?

中国で水素吸入をされていた高齢者が亡くなられたことで、「水素吸入によって死んだ」というような報道が過去にありました。

しかし、実際は水素吸入と死亡の因果関係が証明されたわけではありません。

詳しくは以下で解説していますが、結論として水素吸入によって死亡したという可能性は極めて低いと考えられています。
>> 水素吸入はやめるべき?中国での死亡事故の真相について

まとめ:水素吸入に副作用はないがデメリットも理解しておこう

この記事では、水素吸入の副作用やデメリット・注意点について解説してきました。

水素吸入は副作用の心配なく安心して利用できます。それは水素が体に優しい分子であり、これまでの様々な研究からも裏付けられています。

しかし、効果の個人差やエビデンスが発展途上なこと、法整備が追いついていない現状など注意すべきデメリットもあります。本記事でご紹介した安全に水素吸入を取り入れる方法も参考に、ぜひ水素吸入をうまく活用してみてください。安全に水素吸入をできるように心がけてください。

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