一言まとめ
NC/Ngaマウスにアトピー性皮膚炎を誘発し、12週間水素水を与えたところ、コントロール群と比べ、皮膚の症状、酸化ストレス、炎症性サイトカインの発現が有意に改善した。水素水はアトピー性皮膚炎の新たな治療法となる可能性がある。
3分で読める詳細解説
結論
水素水は、NC/Ngaマウスのアトピー性皮膚炎モデルにおいて、酸化還元バランスの調整と免疫調節作用により、症状を改善した。水素水はアトピー性皮膚炎の安全で有効な治療法となるかもしれない。
研究の背景と目的
アトピー性皮膚炎は慢性の湿疹を特徴とする皮膚疾患で、酸化ストレスや免疫バランスの乱れが発症に関与している。本研究では、抗酸化作用と免疫調節作用を持つ水素水に着目し、アトピー性皮膚炎モデルマウスに対する効果を調べることを目的とした。
研究方法
NC/Ngaマウスに2,4-ジニトロクロロベンゼン(DNCB)を塗布してアトピー性皮膚炎を誘発した。12週間、コントロール群には精製水、実験群には水素水を自由飲水させた。皮膚症状スコア、掻破行動、酸化ストレスマーカー(活性酸素種、過酸化脂質、抗酸化酵素)、免疫学的パラメータ(ケモカイン、サイトカイン、IgE)を評価した。
研究結果
Appendix(用語解説)
- NC/Ngaマウス: アトピー性皮膚炎の自然発症モデル
- 2,4-ジニトロクロロベンゼン: 皮膚に塗布することで接触性皮膚炎を誘発する化学物質
- TARC: アトピー性皮膚炎で発現増加するケモカインの一種
- グルタチオンペルオキシダーゼ: 過酸化物を無毒化する抗酸化酵素
- IgE: アレルギー反応に関与する抗体の一種
論文情報
タイトル
Positive Effects of hydrogen water on 2,4-dinitrochlorobenzene-induced atopic dermatitis in NC/Nga mice(NC/Ngaマウスの2,4-ジニトロクロロベンゼン誘発アトピー性皮膚炎に対する水素水の有効性)
引用元
Yoon, Y. S., Sajo, M. E., Ignacio, R. M., Kim, S. K., Kim, C. S., & Lee, K. J. (2014). Positive Effects of hydrogen water on 2,4-dinitrochlorobenzene-induced atopic dermatitis in NC/Nga mice. Biological & pharmaceutical bulletin, 37(9), 1480–1485. https://doi.org/10.1248/bpb.b14-00220
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