研究論文
水素は皮膚創傷治癒における炎症を抑制する

水素は皮膚創傷治癒における炎症を抑制する

一言まとめ

マウスを被験体とする時系列実験でトランスクリプトームと複数のサイトカインの解析から、水素がM1からM2への移行を促進し、通常の創傷治癒過程よりも2~3日早く始まったことが示された。創傷治癒初期の水素投与で臨床治療を促進できることの実験的証拠が得られた。

1分で読めるまとめ

結論

水素は炎症を抑え創傷治癒を加速させる可能性がある。

研究ハイライト

  • 研究はインビボ(生体内)時系列解析で実施。
  • 炎症期の背面全層皮膚欠損モデルマウスを用いて、水素ガス吸入が被験体に与える影響を調べた。
  • 水素はM1表現型の機能を阻害することなく、非常に早い時期(創傷後2-3日目であり、通常の創傷治癒過程よりも2-3日早い)にM1からM2への分極化を促進することが判明。
  • トランスクリプトーム(細胞内の全転写産物:全mRNA)、血球数、および複数のサイトカインの時系列解析から、末梢血単球がH2誘導M2マクロファージの供給源であることと、マクロファージ極性化における水素の機能は抗酸化作用だけに依存するものではないことが判明。
  • 上記2点から、臨床現場で水素を投与すると、初期のマクロファージ分極をシフトさせることで、創傷治療における炎症を抑えられる可能性があることがわかった。

論文情報

タイトル

Hydrogen Attenuates Inflammation by Inducing Early M2 Macrophage Polarization in Skin Wound Healing(水素は皮膚創傷治癒における初期のM2マクロファージ分極を誘導することで炎症を抑制する)

引用元

Zhao, P., Cai, Z., Zhang, X., Liu, M., Xie, F., Liu, Z., Lu, S., & Ma, X. (2023). Hydrogen Attenuates Inflammation by Inducing Early M2 Macrophage Polarization in Skin Wound Healing. Pharmaceuticals (Basel, Switzerland)16(6), 885. https://doi.org/10.3390/ph16060885

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