《この記事の執筆者》
本サイトの運営者。水素の可能性に魅了され、日々独自に探求する水素健康アドバイザー。主に海外の論文をもとに水素を研究し、少しでも水素を活用して幸せになれればと情報を発信。
一時期、美容や健康に効果があるとして注目を集めた『水素水』。
しかし、最近ではブームもすっかり落ち着いてしまいました。
なぜ、あれほど話題になった水素水が今ではあまり聞かれなくなったのでしょうか?
本記事では、水素水ブームがなくなった2つの理由を解説し、さらに水素水の効果やデメリット、上手な取り入れ方についてもお伝えします。水素水の真実を知り、賢く活用するためのヒントが得られるはずですので、ぜひ最後までご覧ください。
水素水とは?
水素水とは、水素が溶存している水のことを指します。
どれくらいの水素濃度があれば水素水となるのかという公的な定義はありませんが、一般的には0.5~1.6ppmの水素濃度の水素水が多く販売されています。
日本人の研究者たちが2007年に「水素が選択的に悪玉活性酸素を除去する」効果を持つことを権威的医学雑誌『ネイチャー』で発表して以来、健康や美容への効果が期待され、急速に研究が進められてきました。
それに伴い水素を溶かした水素水を飲むことでも、美容や健康への効果が期待できると言われ、多くの人々が注目しブームとなりました。
水素水ブームがなくなった2つの理由
かつては、健康や美容への効果の期待からかなり注目を集めていた水素水。
昨今は少しその注目度も減り、水素水ブームがなくなったと言える状況でもあります。
なぜ水素水ブームがなくなったのかについては、主に以下の2つの理由が挙げられます。
- 国民生活センターが発表した報告
- 消費者庁による景品表示法違反の措置命令
それぞれ解説していきます。
水素水ブームがなくなった理由①:
国民生活センターが発表した報告
2016年12月15日に独立行政法人国民生活センターより、『容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」』というタイトルの報道発表がありました。この発表が水素水ブームを減速させる大きな要因となったと考えます。
発表内容をまとめると以下になります。
- 水素水の公的な定義や溶存水素濃度の基準は存在していない
- 調査した複数の製品で水素が検出されなかった(記載より少ない製品も複数あった)
- 水素水に期待されている効能効果に関する記載があり、景品表示法に抵触するおそれ
- 販売業者のアンケートで水素水に期待できる効果として「水分補給」が最も多い回答だった
つまり、しっかりとしたエビデンスに支えられていない効果効能を謳い、実際には水素が製品に含まれていないなど、法律違反や信頼性の面で消費者の期待を大きく裏切る結果となっています。
仮に水素に何かしらの効果があったとしても、水素が含まれていない水素水をいくら飲んでも、その効果は期待できませんからね。
このように、定義のはっきりしない分野でもあり、またメーカーや業界の信頼性が著しく損なわれたことが、水素水ブームがなくなった大きな理由の1つとして挙げられます。
水素水ブームがなくなった理由②:
消費者庁による景品表示法違反の措置命令
上記の国民生活センターの発表から4年ほどたった、2021年3月30日に消費者庁から「水素水生成器の販売・レンタルサービスの提供事業者4社に対する景品表示法に基づく措置命令」が出ました。
景品表示法とは、広告や販売時の景品提供に関する規制で、不当な広告や過大な景品の提供などを禁止している法律です。
これは市販の水素水ではなく、家庭で水素水を作る機器を販売・レンタルしている業者に対しての処置でしたが、水素水というキーワードが大きく取り上げられ、またも水素水業界にとって大きなマイナスイメージを植え付けることとなりました。
措置命令が下された理由としては、それぞれの業者があたかも水素水の摂取によって疲労回復や老化防止、がんなどの疾患予防、シミ・くすみの改善など美容効果が得られるように表示していたことが問題としています。
具体的な措置内容や対象となった企業については、以下でご確認ください。
>> 水素水生成器の販売・レンタルサービスの提供事業者4社に対する景品表示法に基づく措置命令について
水素水ブームがなくなった理由まとめ
以上のように、国民生活センターの報告や景品法違反による消費者庁からの処置によって、水素水業界に対して、「詐欺」や「エセ科学」のレッテルが貼られ、水素水ブームがなくなったと考えられます。
水素水には効果がない?
水素水は景品法違反で措置命令が下されたこともあり、その効果については批判的な目で見られることが多いです。
しかし、実際は数多くの研究論文が出されており、効果がないとも言い切れないのも事実かと思います。
一方で、確実に効果があると言える段階でもありません。
近年は水素水を用いての人を対象とした研究も進んできていることからも、水素水のエビデンスの構築中という理解が正しいかと思います。
今後さらに研究が進み、水素水の有効性が確立されることを期待して待ちましょう。
ちなみに、水素水に似た水素吸入(水素ガスを吸う療法)に関しては、先進医療Bにも認定された過去があり、有効性の面では一歩先を行っています。詳しくは以下の記事で解説しているので、興味のある方はぜひご参考ください。
>> 水素吸入療法とは?期待される効果や副作用
>> 水素吸入療法が先進医療Bに認定〜取下げまでを解説
水素水にデメリットはある?
水素水には、様々な効果が期待されている一方、デメリットがないわけではありません。
たとえば、過剰摂取による水中毒のリスクや、水素の高い拡散性によって水から抜け出しやすいことなどがあります。
また、一部では「水素水は腎臓に悪い」といった話もあるため、注意が必要です。
水素水のデメリットや腎臓との関係については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参考ください。
>> 水素水に副作用はある?デメリットを徹底解説!知っておきたい安全な取り入れ方
>> 【医師監修】水素水は腎臓に悪いはホント?最新研究から見る真実と注意点
水素水を取り入れる際のポイント
水素水を生活に取り入れる際は、以下の点に注意しておきましょう。
- しっかりと濃度の高い水素水を摂取する
- 水素は抜けやすい物質であることを認識する
- 適切な保管方法で保存する
- 持病持ちの場合は医師に相談する
それぞれ解説していきます。
水素水を取り入れる際の注意点①:
しっかりと濃度の高い水素水を摂取する
先述した国民生活センターの報告にもあったように、水素が含まれていない水では、ただの水と変わりません。
したがって、水素がしっかりと入っており、かつ十分な水素濃度である水素水を選ぶことが重要になります。
水素濃度の目安や摂取量については、以下の記事で詳しく解説しているので、そちらもご参考ください。
>> 【これが基準】水素水から取るべき水素の量とは?濃度はどれくらいあればOK?
水素水を取り入れる際の注意点②:
水素は抜けやすい物質であることを認識する
水素は、高い透過性や拡散性を持ちます。
それゆえに水中に溶け込んでいる水素も時間と共に抜けてしまい、結果として水素濃度が低下します。
したがって、水素水は開封後にできるだけ早く飲み切ることが推奨されます。
水素水を取り入れる際は、この点をしっかりと認識しておきましょう。
水素水を取り入れる際の注意点③:
適切な保管方法で保存する
上述したように水素は抜けやすいため、保存する際も適切な方法で保管する必要があります。
アルミ製の容器を使ったり、空気をできるだけ抜いてから蓋を閉めたりなど、ちょっとした工夫で水素をより多く残すことができます。
水素水の保存方法についてさらに詳しくは以下で解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
>> 水素水の作り方と保存のポイント!家庭で簡単に高濃度を実現する方法
水素水を取り入れる際の注意点④:
持病持ちの場合は医師に相談する
何かしらの持病を持っている方は、水素水を取り入れる前には必ず医師と相談するようにしましょう。
水素水による重大な副作用は今のところ報告されておらず、安全に取り入れることができますが、事前に相談しておくことをおすすめします。
おすすめの水素水の摂取方法
もし水素水を生活に取り入れようとお考えの方は、水素吸入器を活用した水素水の摂取をおすすめします。
その理由としては、上記の注意点でお伝えした「水素濃度」と「管理の手間」の問題を気にする必要がなくなり、水素吸入と水素水の両方ができるからです。
また、コストの面でも水素吸入器があればほとんど追加費用がかかりません。
さらに水だけではなく、コーヒーやお茶など好きな飲み物に水素を添加できます。
水素吸入器を活用した水素水はこのように良いことづくしなので、水素水を取り入れる際はかなりおすすめです。
水素水が作れるおすすめの水素吸入器は?
当サイトが確認したところ、水素水を作れる水素吸入器は7ブランドで10機種ほどあります。
これらの中でおすすめなのは、水素発生量が高いものがおすすめになります。というのも、当サイトの検証によって発生量が高いほど高濃度の水素水を素早く作れることがわかっているためです。それら検証の詳細については、以下の記事をご覧ください。
>> 【徹底検証】水素発生量で水素水の濃度は変わる?意外な検証結果とは
>> 【検証】低流量の水素発生量でも高濃度水素水は作れるのか?
水素発生量以外にもそれぞれ特徴があるので、ぜひご自身のニーズに合った物を選んでみてください。見るべきポイントや水素水が作れる水素吸入器は以下の記事で一覧でまとめていますので、ぜひご参考ください。
>> 後悔しない!水素吸入器の選び方を徹底解説
>> 水素水が作れる水素吸入器一覧
まとめ:水素水のブームがなくなったのは信頼を失ったから
今回は、水素水のブームがなくなった理由についてお伝えしました。
美容や健康への効果が期待され注目を集めていた水素水ですが、エビデンス不足や販売業者の信憑性が疑われ、ブームが去ってしまいました。
とは言え、現在も様々な研究が進んでおり、水素水の有効性については現在も探求されています。
水素水を取り入れる際は、今回お伝えした注意点に気をつけつつ、効果的に取り入れてみてください。