一時期、美容や健康に効果があるとして大きな注目を集めた「水素水」。しかし現在、そのブームはすっかり落ち着いています。
水素水ブームが無くなった最大の理由は、国民生活センターの報告と消費者庁の措置命令により、業界全体の信頼が崩れたことにあります。
本記事では、水素水ブームがなくなった経緯を時系列で整理します。「水素水は詐欺なのか?」「消費者庁は効果なしと言ったのか?」という疑問にもお答えします。

一時期、美容や健康に効果があるとして大きな注目を集めた「水素水」。しかし現在、そのブームはすっかり落ち着いています。
水素水ブームが無くなった最大の理由は、国民生活センターの報告と消費者庁の措置命令により、業界全体の信頼が崩れたことにあります。
本記事では、水素水ブームがなくなった経緯を時系列で整理します。「水素水は詐欺なのか?」「消費者庁は効果なしと言ったのか?」という疑問にもお答えします。

水素水は2010年代前半から中盤にかけて大きなブームとなりました。しかし、公的機関の調査と法的措置により、その信頼は急速に失われていきます。
ここでは、ブームの始まりから終息までの流れを時系列で振り返ります。
水素水が注目されるきっかけとなったのは、2007年に日本医科大学の研究チームが医学雑誌『Nature Medicine』に発表した論文です。
この研究では、水素に悪玉活性酸素(体内で増えすぎると細胞を傷つける物質)を除去する働きがあると報告されました。
その後、テレビや雑誌で水素水が取り上げられるようになり、2013年頃から本格的なブームに発展。多くのメーカーが水素水製品を販売し、市場は急速に拡大しました。
ブームに最初の打撃を与えたのは、2016年12月の国民生活センターの調査報告です。
『容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」』と題されたこの報告では、以下の問題点が明らかになりました。
特に深刻だったのは、「水素水」と名乗りながら水素がほとんど入っていない製品が存在した点です。仮に水素に何らかの効果があったとしても、水素が入っていなければ意味がありません。
この報告は大きく報道され、水素水への信頼が揺らぎ始めた決定的な転機となりました。
国民生活センターの報告から約4年後の2021年3月、消費者庁がさらに大きな一手を打ちます。
消費者庁は、水素水生成器の販売・レンタルを行う4社に対して景品表示法に基づく措置命令を発表しました。
景品表示法とは、消費者が適切に商品を選べるよう、不当な広告や過大な宣伝を禁止する法律です。
問題とされたのは、これらの業者が「水素水を飲むだけで健康や美容に効果がある」かのように宣伝していた点です。消費者庁は、その広告表示に合理的な根拠が示されなかったと判断しました。
国の機関が法的措置を取ったことで、消費者の間で水素水への懐疑的な見方は決定的になり、ブームは終息へと向かったのです。

「水素水 詐欺」という言葉をよく目にするかもしれません。ただし、この問題は少し整理が必要です。
水素水が「詐欺」と批判される主な理由は、以下の3つです。
つまり、水素水という物質そのものが詐欺なのではなく、一部の業者の売り方に問題があったというのが正確な理解です。
水素水に関連して実際に報告されている悪質な販売手法には、次のようなものがあります。
こうした販売手法は景品表示法や特定商取引法に違反する可能性があり、実際に行政処分を受けた業者も存在します。
水素水に限らず、健康商品を検討する際は以下の点を確認しましょう。

「消費者庁が水素水は効果なしと認定した」という情報を見かけることがあります。
しかし、これは正確ではありません。
消費者庁の措置命令で問題とされたのは、あくまで広告表示です。
具体的には、水素水生成器の販売業者が「老化を防ぐ」「ダイエットに効果がある」などと宣伝していたのに対し、その表示を裏付ける合理的な根拠が示されなかったことが措置命令の理由です。
つまり、消費者庁は「水素水に効果がない」と断定したのではなく、「効果があるという広告の根拠が不十分だった」と判断したのです。
この2つの違いは重要です。
消費者庁の措置命令は後者の立場であり、水素水の効果そのものを否定したわけではありません。ただし、根拠が十分でない段階で「効果がある」と広告することは許されない、という判断です。

では、水素水の効果についての研究は現在どうなっているのでしょうか。
水素水に関する研究論文は数多く発表されています。動物実験や基礎研究では、水素の抗酸化作用について一定の結果が報告されています。
近年は人を対象とした臨床研究も進んでいます。火付け役となった2007年の論文以降、2021年7月までに水素の医療応用に関する研究報告は1,000件以上にのぼります。慶應義塾大学でも水素の体内動態に関する研究が進められています。
現在の評価としては、「エビデンスを積み上げている段階」というのが正確です。確実な効果を保証できる段階には至っていませんが、今後の研究の進展に期待しましょう。
>> 水素水とは?効果や副作用、効果的な取り入れ方を徹底解説
>> 水素はエセ科学という批判に、科学的根拠で答える
水素を体に取り入れる方法は、水素水だけではありません。水素ガスを直接吸入する「水素吸入療法」も注目されています。
水素吸入は過去に先進医療B(国が有効性・安全性を評価中の先進的な医療技術)として承認された実績があり、研究の面では水素水より一歩先を進んでいます。
とはいえ、どちらもまだ効果・効能が確立されているわけではありません。興味がある方も、定期的な健康診断や医師の受診は引き続き大切にしてください。
>> 水素吸入療法とは?期待される効果や副作用・注意点まとめ
>> 水素吸入療法が「先進医療B」に認定〜取下げまでを解説
>> 水素が体に働きかけるメカニズムとは?

水素水ブームでは問題のある製品や販売手法が目立ちましたが、水素水そのものに重大な副作用は報告されていません。
ただし、取り入れる場合は、以下の点に気をつけましょう。
国民生活センターの報告で明らかになったように、水素が十分に含まれていない製品も存在します。
水素水を選ぶ際のポイントは次の通りです。
>> 水素水から取るべき水素の量とは?濃度はどれくらいあればOK?
>> 水素水の作り方と保存のポイント
何かしらの持病をお持ちの方は、水素水を取り入れる前に必ず医師に相談してください。
水素水による重大な副作用は現時点で報告されていませんが、治療中の方は自己判断を避けることが大切です。
水素水ブームがなくなった理由は、国民生活センターの報告と消費者庁の措置命令により、業界への信頼が崩れたことに尽きます。
ただし、押さえておきたいポイントがあります。
水素水を検討する際は、誇大広告に惑わされず、公的機関の情報を参考にしながら冷静に判断することが大切です。
※本記事は情報提供を目的としており、医学的なアドバイスではありません。水素水を取り入れる際は、必ず主治医にご相談ください。現時点では研究段階であり、確実な効果を保証するものではありません。

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