《この記事の執筆者》
本サイトの運営者。水素の可能性に魅了され、日々独自に探求する水素健康アドバイザー。主に海外の論文をもとに水素を研究し、少しでも水素を活用して幸せになれればと情報を発信。
「水素水は肝臓に悪い」という噂を耳にしたことはありませんか?
実際、ネット検索で「水素水 肝臓」と入力すると、予測変換に「悪い」というフレーズが出てくるため、多くの人がこのテーマに関心を持っていることが伺えます。
「水素水が肝臓に悪い」というのは本当なのでしょうか?
本記事では、水素水が肝臓に与える影響について、信頼性の高い研究をもとに詳しく解説していきます。
「水素水は肝臓に悪い」と言われる背景
水素水が肝臓に悪いと思われている背景については、イマイチわかりません。
Google検索で「水素水 肝臓」と入力すると「水素水 肝臓に悪い」というような予測変換が出ます。つまり、多くの人がこのテーマに関心を持っていることがわかります。
しかし、実際に水素水が肝臓に悪いと主張する情報は見つからず、この情報がなぜ関心を集めているのかは不明です。
考えられる理由
ネット上では、水素水が肝臓に悪いという情報は特に見つかりませんでした。
しかし、このテーマが関心を集める理由としては主に以下が挙げられます。
- 腎臓への影響と混同している
- 肝臓は代謝を担う臓器であるため
水素水が腎臓に悪いという情報も肝臓への影響と同じく関心を集めています。この腎臓への影響と肝臓への影響を混同してしまい、肝臓に悪いというイメージを持っている方が多いのかも知れません。
腎臓への影響については、基本的には問題ないですが、注意すべき点もあります。それらについては以下で解説していますので、ぜひご覧ください。
>> 【医師監修】水素水は腎臓に悪いは嘘?最新研究から見る真実と注意点
また、肝臓は代謝を担う重要な臓器でもあります。
従って、まだ正確なメカニズムが解明されていない水素を取ることで、肝臓に負担がかかるかも知れないと考え、水素水が肝臓に悪いというイメージを持っているのかも知れません。
最新研究から見る水素水の肝臓への影響
結論としては、水素水が肝臓に悪いということは今のところ言えず、むしろ肝臓に良い可能性の方が高いです。
というのも、水素水と肝臓についてはこれまでに様々な研究で調べられており、それらで良好な結果が報告されているためです。
以下に、水素水と肝臓の関係を調べた研究報告の一例をあげてみます。
水素水が肝線維化を抑制
2014年の日本の研究では、水素水を飲むことで肝臓の線維化が抑制できる可能性が示唆されています。1)
肝臓の線維化とは、肝臓に異常に多くの瘢痕(はんこん)組織が形成されることで、これは肝臓が損傷した細胞を修復する過程で生じます。
瘢痕とは傷跡のことを指します。
線維化自体は特に症状は起こさないものの、進行すると肝臓の機能へ影響を及ぼし、重度の瘢痕は肝硬変につながります。
先述した研究では、マウスに水素水(水素濃度1.24ppm)を摂取させたところ、肝線維化が有意に抑制されたとのことです。
水素水が非アルコール性脂肪肝を予防・改善
2021年のマウスを対象とした研究では、水素水による非アルコール性脂肪肝(NASH)の抑制や改善が示唆されています。2)
研究では、NASHを誘発させたマウスに、12〜20週間水素水または水道水を与えて検証しました。
その結果、水素水を摂取したマウスでは、肝臓への脂肪蓄積が抑制され、肝組織の損傷が軽減や炎症の抑制などもみられたと報告しています。
水素水が肝臓がんを予防
2012年の研究では、水素水が非アルコール性脂肪肝から肝臓がんへの進行を抑制する可能性が示唆されています。
研究では、マウスを通常の水で飼育した群と水素水で飼育した群で比較したところ、水素水で飼育した群の方が肝臓がんの細胞数が有意に少ないと報告されています。
その他、水素と肝臓の関係について詳しく解説した記事は以下になりますので、こちらも合わせてご参考ください。
>> 【医師監修】水素吸入療法は肝臓がんの予防や改善に役立つ?
>> 【医師監修】水素吸入療法は肝臓の健康維持に役立つ?
水素水を取り入れる際の注意点
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ここまで解説したように、水素水は肝臓に悪いというよりも、良い効果があるのではと期待がされています。
とはいえ、水素水を取り入れる際に注意すべき点がいくつかあるので、ここではそれらについて解説していきます。
水素水を取り入れる際の注意点は主に以下の通りです。
- 適切な摂取量を守る
- 市販の水素水の品質に注意
- 持病がある方は医師に相談する
- 効果が立証されているわけではない
水素水を取り入れる際の注意点①:
適切な摂取量を守る
水分の過剰摂取は腎臓に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。
水素水に肝臓への効果が期待できるとしても、過度の摂取による悪影響を無視することはできません。
そのため、腎臓などに負担をかけないよう、適量の水素水を摂取することが大切です。目安としては、1日あたり500mlから1Lを、他の水分摂取とのバランスを考慮して調整するとよいでしょう。
>> 【これが基準】水素水から取るべき水素の量とは?濃度はどれくらいあればOK?
水素水を取り入れる際の注意点②:
市販の水素水の品質に注意
市場にはさまざまな水素水製品があり、中には水素濃度が低いものや、適切に保存されていないものも存在します。
実際、2016年の国民生活センターの調査では、市販の水素水の中には水素が含まれていないものや、表示されている水素濃度より低い製品があったと報告されています。
そのため、水素水を選ぶ際には、信頼性の高いブランドや製品を選ぶことが重要になります。
また、当サイトでは、そういった市販品の懸念などの点から、水素水は水素吸入器を活用して自宅で作ることをお勧めしています。詳しくは以下で解説しています。
>> 水素水の作り方と保存のポイント!家庭で簡単に高濃度を実現する方法
水素水を取り入れる際の注意点③:
持病がある方は医師に相談する
持病をお持ちの方、特に腎臓や肝臓に疾患のある方は、水素水を摂取する前に必ず医師にご相談ください。
医師の指導のもとで、個々人に合った適切な摂取量や頻度を決定することが重要になります。
水素水を取り入れる際の注意点④:
効果が立証されているわけではない
先ほど「最新研究から見る水素水の肝臓への影響」のところで、水素水の肝臓への影響を調べた研究を用いて、期待されている効果について解説しました。
しかし、これらはあくまで期待されている効果であり、科学的に立証されたものではありません。
水素水は多くの期待が寄せられていますが、まだまだエビデンスを蓄積している段階です。従って、効果を過信せずいることが重要になります。
また、今後の研究によって水素水が肝臓に悪いというデータも出てくるかも知れません。
そのためにも、水素水に関連する最新情報を入手するように心がけることが大切です。当サイトでもできるだけ情報を最新に保つようにしていきますので、ご活用ください。
まとめ:水素水は肝臓にむしろ良い可能性
今回は、水素水が肝臓に悪いのかを検証するべくこれまでの研究報告をもとに考察しました。
結論としては、水素水は肝臓に悪いのではなく、むしろ良い効果をもたらす可能性が示唆されています。
水素水を取り入れる際は、今回ご紹介した4つの注意点を守って、適切に活用していくようにしましょう。
参考文献
- Koyama, Y., Taura, K., Hatano, E., Tanabe, K., Yamamoto, G., Nakamura, K., Yamanaka, K., Kitamura, K., Narita, M., Nagata, H., Yanagida, A., Iida, T., Iwaisako, K., Fujinawa, H., & Uemoto, S. (2014). Effects of oral intake of hydrogen water on liver fibrogenesis in mice. Hepatology research : the official journal of the Japan Society of Hepatology, 44(6), 663–677. https://doi.org/10.1111/hepr.12165
- Li, S. W., Takahara, T., Que, W., Fujino, M., Guo, W. Z., Hirano, S. I., Ye, L. P., & Li, X. K. (2021). Hydrogen-rich water protects against liver injury in nonalcoholic steatohepatitis through HO-1 enhancement via IL-10 and Sirt 1 signaling. American journal of physiology. Gastrointestinal and liver physiology, 320(4), G450–G463. https://doi.org/10.1152/ajpgi.00158.2020
- Kawai, D., Takaki, A., Nakatsuka, A., Wada, J., Tamaki, N., Yasunaka, T., Koike, K., Tsuzaki, R., Matsumoto, K., Miyake, Y., Shiraha, H., Morita, M., Makino, H., & Yamamoto, K. (2012). Hydrogen-rich water prevents progression of nonalcoholic steatohepatitis and accompanying hepatocarcinogenesis in mice. Hepatology (Baltimore, Md.), 56(3), 912–921. https://doi.org/10.1002/hep.25782