《この記事の監修者》
名古屋大学医学部卒業後、名古屋大学医学部附属病院放射線科入局。その後、放射線科医として一般的な読影や放射線治療を担当。コロナ禍では保健所で行政の立場から感染症対策にも携わった。現在は、放射線治療に携わる一方、健康診断クリニックにて健康診断を受ける方の診察や結果の説明、生活指導に従事。医学博士、放射線治療専門医、日本人間ドック・予防医療学会認定医、日本医師会認定産業医。
放射線治療の副作用にお悩みではありませんか?
放射線治療はがん治療において重要な役割を果たしますが、その副作用に苦しむ患者さんも少なくありません。
そんな中、水素吸入療法が放射線治療の副作用を軽減する補助療法として注目を集めています。
水素の持つ強力な抗酸化作用や抗炎症作用は、放射線治療による皮膚炎や肺炎などの副作用を抑え、患者さんのQOL向上に貢献する可能性が期待されています。
本記事では、放射線治療と水素吸入療法の基本から、具体的な副作用に対してどういったことが期待されるのかについて詳しく解説していきます。また、専門家の意見や体験者の経験談についてもご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
放射線治療と水素吸入の基本
放射線治療はがん治療の重要な手段ですが、副作用に悩む患者さんも多いのが現状です。
水素吸入療法は、その副作用を軽減し、患者さんの生活の質(QOL)を向上させる新たな可能性として注目されています。
放射線治療とは?その特徴や副作用
放射線治療は、高エネルギーの放射線を使用してがん細胞を破壊する治療法です。
主な特徴や副作用は以下の通りです。
- 非侵襲的:体を切らずに治療が可能
- 局所的な治療:特定のがん細胞に直接作用
- 臓器機能の温存:正常な組織への影響を最小限に抑える
- 急性期(治療中・直後):疲労感、皮膚炎、吐き気、下痢など
- 晩期(治療後数ヶ月〜数年):放射線肺炎、神経障害、二次がんのリスク増加など
このように、放射線治療はさまざまなメリットがあり効果的ながん治療とされる一方で、副作用も多く、その点が課題となっています。
水素吸入療法とは?
水素吸入療法とは、水素分子を吸入することで体内の酸化ストレスを軽減し、様々な健康効果を得ることを目的とした療法です。
2007年に世界的権威の医学雑誌「ネイチャー・メディシン」にて、日本人の研究者らによって水素が高い抗酸化作用を持つことが報告されて以来、様々な研究が進められています。
水素吸入の主な特徴としては以下のとおりです。
- 強力な抗酸化作用:有害な活性酸素を選択的に除去
- 抗炎症作用:炎症を抑制し、組織のダメージを軽減
- 安全性の高さ:重大な副作用は報告されていない
これらの特徴を持つ水素吸入療法は、放射線治療の急性期および晩期の副作用を軽減する可能性が期待され注目されています。
その他水素吸入に関する基本的な内容については以下で詳しくまとめていますので、ぜひ参考ください。
>> 水素吸入について知っておきたい基礎知識 – 効果から安全性まで徹底解説
水素吸入が期待される放射線治療の主な副作用一覧
水素吸入療法は、放射線治療の補助療法として注目を集めています。
その主な理由は、水素の持つ強力な抗酸化作用と抗炎症作用により、放射線治療の副作用軽減に対しての効果が期待されているためです。
具体的には以下のような副作用に対する効果が期待されています。
副作用 | 症状の概要 | 水素吸入への期待 | 詳細リンク |
---|---|---|---|
皮膚炎 | 皮膚の赤み、かゆみ、乾燥など | 皮膚の炎症軽減、治癒時間の縮小 | 水素吸入と放射線皮膚炎 |
肺炎 | 咳、息切れ、発熱など | 肺障害の低下、肺機能の改善 | 水素吸入と放射線肺炎 |
口腔粘膜炎 | 口内の痛み、潰瘍、嚥下困難 | 嚥下機能維持や痛みの抑制 | 水素吸入と放射線誘発口腔粘膜炎 |
味覚障害 | 味を感じにくい、味覚の変化 | 味覚障害の症状緩和 | 水素吸入と放射線性味覚障害 |
骨髄抑制 | 貧血、免疫力低下、出血傾向 | 白血球と血小板減少の抑制 | 水素吸入と放射線骨髄抑制 |
認知機能障害 | 記憶力や集中力の低下 | 認知機能の保護や症状改善 | 水素吸入と放射線認知機能障害 |
心疾患 | 心臓の機能低下、不整脈など | 線維化や心肥大の予防、生存率の改善 | 水素吸入と放射線関連心疾患 |
二次がん | 新たながんの発症リスク | 二次がんの発症率低下、生存率の改善 | 水素吸入と二次がん |
食欲不振 | 食欲の低下、体重減少 | 食欲不振の症状を軽減 | 水素吸入と放射線性食欲不振 |
疲労感 | 強いだるさや疲労、疲れやすさ | 疲労感の抑制・改善 | 水素吸入と放射線性疲労感 |
その他の副作用 | 上記以外の副作用(腸炎、難聴、脳炎など) | 各症状の緩和、生活の質の向上 | 放射線治療の副作用一覧 |
まだまだ研究段階ではありますが、このように数多くの放射線の副作用に対して期待されています。
それぞれの副作用が発生するメカニズムや標準的な治療法、水素との関係を示す研究報告などについては、それぞれの詳細リンクの記事で解説しています。ぜひ、そちらもご参考ください。
放射線治療と水素吸入に対する専門家の意見
水素吸入療法の放射線治療への応用については、日本の医療界でも注目を集めており、複数の専門家が見解を述べています。
ここでは、著名な医師や研究者の意見をいくつかご紹介します。
赤木純児医師(くまもと免疫統合医療クリニック院長)の見解
赤木医師は「がん治療において水素ガス吸入療法が不可欠」だと考えているようです。
ご自身のクリニックでもがん患者さんの治療には、放射線治療などの標準治療に水素吸入を組み込んだ「統合療法」を実践され、標準治療の効果が肌感で3倍ほどに上がるとされています。
赤木純児医師は、2016年に世界初の水素ガスのがん治療への適用を開始された水素業界の権威です。
参考:【Vol.1】熊本のクリニックに日本全国から患者が押し寄せる理由
萬憲彰医師(よろずクリニック院長)の見解
萬医師は、これからエビデンスの構築が必要とはしつつも、以下のように述べられています。
(前略)水素ガスによって抗がん剤の副作用の軽減や、放射線治療の副作用の軽減、今後はもっと術後の回復を早めてくれたり、そういう患者さんにとってメリットのある作用を、水素ガスは持っているんですね。また、皆さんが怖がったり嫌がったりするところを、水素によって少しでも緩和をしていくことで、前向きに治療に望んでもらえるのが重要かと思っています。
引用元:https://helixj.co.jp/blog/interview/40/
この考えに基づいて、標準治療と水素吸入のような標準外治療を用いて、副作用や苦しいことがなく、一番望ましい結果が出るように治療法を組み合わせた「統合腫瘍治療」を掲げ、よろずメソッドを確立されています。
参考:【Vol.2】水素吸入を併用したがん治療「よろずメソッド」とは
萬憲彰医師は、国際水素医科学研究会の副理事長を努められている水素業界の権威です。
宮川路子教授(下北沢西口クリニック院長)の見解
「最強の水素術」の書籍でもおなじみの宮川教授も、同書籍内で以下のように述べられています。
放射線治療の副作用も、放射線によって炎症や、活性酸素や炎症が生じることが原因となります。ですから、放射線治療の際にも水素を取り入れることにより、大幅に副作用を軽減し、治療の苦しみを和らげることができるのです。
引用元:最強の水素術(p.118-120)
(中略)
効果のある抗がん剤や放射線治療を副作用が怖いからと、最初からあきめてはいけません。なぜなら、副作用の原因となるのは主として活性酸素であり、その活性酸素を取り除く水素によって、抗がん剤や放射線治療の副作用を軽くすることができるからです。
上記のように、水素の放射線治療に対する補助療法としての期待を寄せられています。実際に、ご自身のクリニックでのがん治療に水素吸入を取り入れられており、その結果として以下のように述べられています。
クリニックでは栄養療法だけでなく、免疫力を上げるといわれている水素ガス吸入療法も取り入れました。今までに約百人の患者さんに導入していただき、目を見張るほどの効果が得られています。(中略)最も重要なポイントは、水素吸入療法には副作用が一切なく、標準治療に影響を与えないことです。
引用元:https://yab.yomiuri.co.jp/adv/hosei/research/post_52.php
水素吸入は副作用がなく安全なのか
水素吸入はその安全性の高さも注目されている理由の1つです。
これまで数々の臨床研究が行われてきていますが、重篤な副作用は未だ報告されていません。
軽度なもの(頭痛やめまい、胃の不快感など)は、稀に報告されることがありますが、自然に回復し消滅することが多いです。
一般的には副作用もなく安全性の高い水素吸入ですが、注意すべき点が2つあります。それは、水素爆発と機器の品質の観点です。
水素爆発について
水素は可燃性ガスであり、特定の条件で爆発する可能性があります。基本的には水素吸入器はその点も考慮して設計され、安全機能も搭載されている場合があるためほとんど心配はいりません。
しかし、誤った使い方をした場合は爆発を誘発してしまう恐れがあるため、取り扱いには十分に注意する必要があります。水素吸入中は火器厳禁です。
>> 【危険】水素吸入器で水素爆発する条件とさせないためのポイント4つ
水素吸入器の品質について
水素吸入の注目度が高いこともあり、市場には様々な吸入器が販売されています。中には粗悪なものも混じっているため、吸入器選びは慎重に行う必要があります。
低品質なものを使用して、逆に体に害を及ぼしてしまう可能性もゼロではありません。
のちの「後悔しない水素吸入器の選び方」で紹介するポイントをしっかりと確認し、選ぶようにしましょう。
水素吸入と他の放射線治療の補助療法の比較
放射線治療の副作用軽減や効果増強を目的とした補助療法には、水素吸入療法以外にもいくつかの方法があります。
ここでは、水素吸入療法と他の主な補助療法を比較し、それぞれの特徴や有効性について検討します。
放射線治療の主な補助療法としては以下のものが挙げられます。
- アミフォスチン
- 抗酸化サプリメント
- プロバイオティクス
それぞれの特徴についてまずは見ていきます。
放射線治療の補助療法①:アミフォスチン
アミフォスチンは放射線治療の副作用を軽減する目的で使用される放射線保護剤です。
FDA(アメリカ食品医薬品局)によって認可されており、頭頸部がんの放射線治療における唾液腺障害の軽減に使用されます。ただし、副作用として悪心や嘔吐が報告されています。
放射線治療の補助療法②:抗酸化サプリメント
ビタミンCやEなどの抗酸化サプリメントも放射線治療の補助療法として検討されています。ビタミンCは強力な抗酸化作用を持っており、放射線治療によって引き起こされる酸化ストレスを軽減する可能性があると考えられています。一部の研究では、ビタミンCの投与が正常細胞を保護し、副作用を減少させる可能性が示唆されています。
しかし、ビタミンCががん細胞にも同様の保護効果を与える可能性があり、治療の効果を減少させるリスクも指摘されています。また、高用量のビタミンCを用いる場合の腎臓への負担やその他の副作用を考慮する必要があります。
さらに、水素吸入とビタミンCの抗酸化作用を比較した研究では、ビタミンCは体のエネルギーの生成に欠かせないミトコンドリアの新生を妨げる事が示唆されています。1)
放射線治療の補助療法③:プロバイオティクス
プロバイオティクスも放射線治療の補助療法として期待を寄せられています。プロバイオティクスとは、腸内細菌の餌となるもので、食物繊維などがこれに含まれます。
プロバイオティクスは腸内環境を整える効果があることが言われており、放射線治療によって引き起こされる消化器系の副作用(例: 下痢、便秘、腹痛など)を軽減する可能性が示唆されています。また、腸内環境を整えることで免疫機能が改善する効果があることも期待されています。
水素吸入と補助療法の比較
上記の放射線治療の補助療法と水素吸入との違いをまとめると以下のようになります。
補助療法 | 有効性 | 副作用 | エビデンス |
---|---|---|---|
水素吸入 | 様々な副作用軽減が示唆されている | 重大な副作用は特になし | 動物実験や小規模臨床試験で有望な結果。大規模臨床試験はまだ不足 |
アミフォスチン | 頭頸部がんの放射線治療における唾液腺障害の軽減に限定 | 悪心や嘔吐など | FDAに認可されており高い |
抗酸化サプリメント | 一部で放射線治療の副作用軽減効果が示唆されているが、種類や投与量により効果は異なる | がん治療の効果を減少させるリスクや腎臓への負担など | 一部のサプリメントで臨床試験あり。結果は混在しており、さらなる研究が必要 |
プロバイオティクス | 主に消化器系の副作用(下痢、便秘、腹痛など)の軽減 | 一般的に高い安全性があるが、いくつか考慮すべき副作用やリスクあり | メタ分析で放射線治療による下痢の軽減効果が示されている。他の効果についてはさらなる研究が必要 |
これらの比較から、まだ研究段階ではあるものの水素吸入は安全性が高く、幅広い効果が期待されている補助療法として注目に値します。とはいえ、どの補助療法も一長一短があり、患者の個別の状況や治療計画に応じて、最適な選択をする必要があります。
放射線治療を受ける際は、これらの補助療法の使用について必ず担当医師と相談し、個々の状況に最適な方法を選択することが重要です。また、水素吸入を含む新しい補助療法については、今後のさらなる研究と臨床試験の結果に注目していく必要があります。水素吸入に関しての最新情報は当サイトで随時更新していきます。
後悔しない水素吸入器の選び方
現在、様々な水素吸入器が販売され、それぞれに特徴があり、どれが良いのか迷っている方も多いでしょう。
また、高い性能を持つ水素吸入器は数十万〜数百万円と高額なため、買った後に後悔しないか不安な人もいるでしょう。
そんな水素吸入器選びの際に失敗しないための9つのポイントは以下になります。
- 水素発生量
- 連続稼働時間
- 騒音レベル
- 製品価格
- 維持費
- メンテナンスの内容
- 安全性
- 製品の耐久性
- 信頼性
これらのポイントをしっかり抑えて吸入器を選べば、大きな失敗は避けられるでしょう。
それぞれのポイントで具体的にどういった内容を見ればよいのかなどの詳しい解説については、以下の記事で解説しています。ぜひご参考ください。
>> 後悔しない!水素吸入器の選び方を徹底解説
放射線治療中に水素吸入を活用する際のポイント
放射線治療中に水素吸入を補助療法として取り入れる際は、以下のポイントに注意することで、より効果的かつ安全に実施できるので、ぜひご参考ください。
ポイント①:医師との相談と承認を得る
水素吸入を始める前に、必ず担当の主治医と相談し、承認を得ることが重要です。
これまでに治療の効果を下げるなどの報告はされていませんが、現状の治療と水素吸入の相性を確認しておくようにしましょう。医師は患者さんの個別の状況を考慮し、水素吸入が適切かどうかを判断できます。
ポイント②:十分な水素量と吸入時間を確保する
水素吸入を最大限活かすためには、適切な水素発生量と十分な吸入時間が重要です。
放射線治療の副作用軽減に対しての最適な水素発生量はまだ確立していませんが、発生量が多いほど期待値も高くなると考えています。人を対象とした研究では200〜2000ml/分以上の水素発生量を持つ機器が用いられています。なので、最低でも200ml/分以上の機器を用いることをおすすめします。
また、吸入時間についても長いほどよいと考えています。研究によってまちまちですが、30分〜数時間の研究が多組み受けられます。上記で紹介した水素吸入をがん治療に取り入れられている医師たちは、1〜2時間ほどの水素吸入を取り入れているようです。なので、せめて1時間ぐらいは毎日取り入れることを検討するのが良いでしょう。
ポイント③:水素吸入だけに頼らず統合的に取り組む
水素吸入は、放射線治療の副作用軽減の面で期待は寄せられているものの、まだ研究段階であり確実に効果があるといえる段階ではありません。
がんとの闘病中に限らず、健康の維持には適切な食事、睡眠、運動が欠かせません。こういった観点の改善も取り組みながら、それのプラスアルファとして水素吸入を位置づけて取り入れていくのが最大限良い結果になるためには、必要不可欠でしょう。
また、上記で紹介した抗酸化サプリやプロバイオティクスなど他の補助療法も医師と相談の上、取り入れていくことも検討してもよいでしょう。
ポイント④:体調変化に注意し経過観察を怠らない
水素吸入自体の副作用は報告されていませんが、体調の変化には常に注意を払うことが大切です。
気分が悪くなったり、異常を感じたりした場合は直ちに使用を中止し、医師に相談すること。また、定期的に血液検査や画像診断を受け、治療の進行状況を確認することは必ず行うようにしましょう。
水素吸入と放射線治療に関するユーザーの体験談
すいかつねっとに寄せられた水素吸入を活用した方の体験談を、以下でいくつかご紹介します。
※効果・効能を保証するものではありません。
S.マサト|60代男性
私が膵臓がんと診断された時、絶望したのを今でも覚えています。伝統的な治療法である放射線療法を経験する中で、私は身体だけでなく心のケアも同じくらい重要だと痛感しました。この苦しい時期に、私が見つけ出したのが水素吸入です。
最初に水素吸入を知った時、その効果について半信半疑でしたが、何かしらのプラスになればと思い試してみることにしました。治療を始めて数週間が経過した頃、私は自分の体調に小さながらも確かな変化を感じ始めました。放射線による副作用が徐々に軽くなり、特に疲れやすさが減少しました。夜の睡眠の質も改善し、朝の目覚めが以前とは違い、ずっと良くなりました。
私は、水素吸入が膵臓がんそのものに劇的な影響を及ぼすことは期待していませんでしたが、治療過程での身体的、精神的な負担の軽減には、一定の効果があることを実感しました。水素吸入に出会えて良かったです。T.Kさん|77歳女性
大腸がんの手術の後に再発しました。また、転移も見られ抗がん剤や放射線治療などさまざまな治療を行なっていました。
2018年5月辺りからオプジーボと水素ガスを導入し、水素ガスを1日2時間吸入しました。これによりガンの縮小化が進み、腫瘍マーカーもかなり低下しました。
腫瘍マーカー『CA19-9』はオプジーボと水素吸入開始前の5月11日には、最高235.6まで上昇し、6月1日は226.5でした。翌月の7月13日には、48.7まで急激に低下し、その後22.4と正常値(37.0以下)になりました。(『水素ガスでがんは消える!?』赤木純児著p.125-126より簡略化し掲載)
放射線治療と水素吸入に関するよくある質問
水素吸入と放射線治療に関してよく寄せられる質問とその回答について、以下にまとめてみました。
Q: 水素吸入はいつから始めるべきですか?
A: 理想的には放射線治療の開始と同時に、もしくは治療開始前から水素吸入を始めることが望ましいです。これは、水素の保護効果を最大限に活用するためです。
ただし、治療途中からでも効果が期待できるので、主治医と相談の上、できるだけ早く開始することをお勧めします。
Q: 水素吸入は放射線治療の効果を妨げませんか?
A: 現在のところ、水素吸入が放射線治療の抗腫瘍効果を妨げるという報告はありません。むしろ、水素は選択的に有害な活性酸素種を除去し、正常細胞を保護しながら、がん細胞を縮小させる効果もあるのでは?と期待が寄せられています。
ただし、個々の症例で異なる可能性があるため、必ず主治医と相談し、経過観察をしっかりと行ってください。
Q: 水素吸入の効果はどのくらいで実感できますか?
A: 効果の実感は個人差が大きく、即効性を感じる方もいれば、徐々に効果を感じる方もいます。
一般的に、疲労感の軽減や皮膚症状の改善などは比較的早く(数日〜数週間)感じられることが多いですが、長期的な副作用の軽減効果は数ヶ月単位で評価する必要があります。
Q: 水素吸入は保険適用されていますか?
A: 現在、水素吸入療法は保険適用外の治療法です。そのため、費用は全額自己負担となります。
ただし、一部の医療機関では臨床研究の一環として無料や低価格で提供している場合もあります。
もし通っている病院で水素吸入が行えない場合はお近くの水素吸入を提供しているサロンやクリニックを活用するとよいでしょう。水素吸入が行える施設の一覧を以下にまとめているので、ぜひご参考ください。
>> 【都道府県別】水素吸入ができる施設一覧
Q: 水素吸入と他の補助療法(サプリメントなど)を併用しても大丈夫ですか?
A: 多くの場合、水素吸入と他の補助療法の併用は可能です。水素は副作用が少なく、他の治療法との相互作用も報告されていません。
ただし、安全性を確保するために、使用しているすべての補助療法について主治医に報告し、承認を得るようにしてください。
Q: 放射線治療が終わった後も水素吸入を続ける必要がありますか?
A: 放射線治療後も水素吸入を続けることで、晩期の副作用軽減や全般的な健康維持に役立つ可能性があります。特に治療終了後3〜6ヶ月程度は継続することをお勧めします。
ただし、継続期間については個々の状況に応じて主治医と相談して決定してください。
Q: 水素吸入にはどんな副作用がありますか?
A: 水素吸入療法は一般的に安全性が高く、重大な副作用は報告されていません。まれに、一時的な軽い頭痛やめまいを感じる方もいますが、これらは通常すぐに消失します。
しかし、何か異常を感じた場合は直ちに使用を中止し、医師に相談してください。
より詳しい水素吸入の副作用や安全性については、以下の記事をご参考ください。
>> 【医師監修】水素吸入療法にリスクや副作用はある?各国の規制は?
Q: 自宅で水素吸入を行う場合、どのような点に注意すべきですか?
A: 自宅で水素吸入を行う際は、以下の点に注意してください。
- 信頼できるメーカーの機器を選択する
- 使用説明書をよく読み、適切に使用する
- 定期的にメンテナンスを行う
- 換気の良い場所で使用する
Q: 放射線治療の副作用軽減におすすめの水素吸入器は?
A: どれくらいのスペックがあれば放射線治療の副作用軽減に対して効果があるのかについては、まだ研究段階であります。ただ、当サイトのスタンスとしては水素発生量は200ml/分以上、稼働時間が2時間以上と長い吸入器をおすすめしております。
その他、水素吸入器を選ぶ際のポイントについては以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
>> 後悔しない!水素吸入器の選び方を徹底解説
まとめ:放射線治療の補助治療として注目される水素吸入
今回は水素吸入と放射線治療の副作用軽減をテーマに様々なことをお伝えしてきました。
まだ研究段階ではあるものの、水素吸入には放射線治療の補助療法として大きな可能性が秘められており、今回ご紹介したように実際に医療機関でも活用されている事例があります。他の放射線治療の補助療法と比べても水素吸入は安全性が高く、高い効果が期待されています。
とはいえ、水素吸入はあくまでも補助療法であることを念頭に置いておきましょう。標準治療をベースにがんと闘いながら、その副作用を軽減し適切な治療を続けるための位置づけであることを忘れないでください。
放射線治療中で水素吸入を取り入れる際は今回ご紹介した注意点やポイントを抑えながら、医師と相談し最適な結果を得られるようにしましょう。今後も最新情報が入れば、当サイトで紹介していきます。
水素吸入療法が、より多くのがん患者さんの治療選択肢の一つとなり、苦痛の軽減と治療成績の向上に貢献することを願っています。
参考文献
- Chaoqun, L., Yuqi, Z., Shi, Z., Zhenghui, Y., & Li, W. (2021). A Comparison of the Antioxidant Effects Between Hydrogen Gas Inhalation and Vitamin C Supplementation in Response to a 60-Min Treadmill Exercise in Rat Gastrocnemius Muscle. Frontiers in physiology, 12, 745194. https://doi.org/10.3389/fphys.2021.745194
【注意事項】本記事で提供する情報は一般的なものであり、個々の症状や状況により効果は異なります。治療の変更や新しい療法の導入は、必ず担当の医師にご相談ください。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、専門的な医療アドバイスを提供するものではありません。情報の正確性や最新性には努めておりますが、その保証はいたしかねます。