一言まとめ
健康な成人8名に対し、2.4%の水素ガスを24〜72時間吸入させたところ、臨床的に重大な副作用は見られず、バイタルサイン、肺機能、血液検査などにも大きな変化はなかった。
3分で読める詳細解説
結論
健康成人への2.4%水素ガス吸入は、臨床的に重大な副作用を引き起こさない。
研究の背景と目的
心肺停止、脳卒中、心筋梗塞などの臨床現場では、虚血再灌流障害が問題となる。水素分子は選択的にヒドロキシルラジカルを還元し、虚血再灌流障害を軽減する効果が動物実験で示されている。本研究は、今後の臨床研究に必要な用量・時間での水素吸入の安全性を検証することを目的とした。
研究方法
研究結果
Appendix(用語解説)
- 虚血再灌流障害:血流が途絶えた組織に再び血流が回復する際に生じる組織障害。活性酸素の発生が原因とされる。
- ヒドロキシルラジカル:活性酸素の一種。DNA、脂質、タンパク質を酸化し、細胞に損傷を与える。
- 高流量鼻カニューレ:鼻孔に挿入したカニューレから高流量のガスを投与するデバイス。
- ミニメンタルステート検査:認知機能のスクリーニング検査。
論文情報
タイトル
Safety of Prolonged Inhalation of Hydrogen Gas in Air in Healthy Adults(健康成人における水素ガス吸入の長期安全性)
引用元
Cole, A. R., Sperotto, F., DiNardo, J. A., Carlisle, S., Rivkin, M. J., Sleeper, L. A., & Kheir, J. N. (2021). Safety of Prolonged Inhalation of Hydrogen Gas in Air in Healthy Adults. Critical care explorations, 3(10), e543. https://doi.org/10.1097/CCE.0000000000000543
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