コラム
水素点滴「効果なし」は本当?費用・副作用を徹底解説

水素点滴「効果なし」は本当?費用・副作用を徹底解説

水素点滴とは、水素を含んだ生理食塩水を血管内に直接注入する治療法。

これが今、美容クリニックや統合医療の現場で採用され始め、美容や健康意識の高い人々の間で注目を集めています。その一方で、「水素点滴には効果なし」との声が上がっているのも事実です。

この記事では、水素点滴の効果を科学的根拠に基づいて解説し、副作用やデメリット、料金相場まで徹底解説します。水素点滴を始めようか検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

《この記事の執筆者》

水素点滴とは?

水素点滴とは?

水素点滴とは、高純度の水素を生理食塩水に溶かし、血管内に直接注入する治療法です。水素濃度はクリニックによって異なりますが、0.3〜1ppm以上で実施されることが多いです。

美容クリニックや統合医療を行う医療機関で提供されており、主にアンチエイジングや疲労回復を目的として利用されています。

水素点滴が注目される理由

水素点滴は、水素が持つ「選択的抗酸化作用」によって注目されています。

病気や不調の原因とされる「活性酸素」には善玉と悪玉があり、水素には悪玉活性酸素だけを除去する「選択的」な抗酸化作用があることが報告されています。1)

ビタミンCやEなどの従来の抗酸化物質は、善玉・悪玉を区別せず反応してしまいます。そのため、水素はこれらの抗酸化物質よりも効果的に活性酸素を除去し、私たちの健康維持などに役立つのではと期待されています。

参考:水素と他の抗酸化物質(ビタミンCなど)の違い4つ

なぜ「点滴」?水素水との違い

「水素なら水素水を飲めばいいのでは?」と思う方も多いでしょう。確かに水素水も水素を摂取する方法の一つですが、点滴との最大の違いは「水素の濃度」と「体内への到達効率」です。

水素水の場合、飲用によって消化管を経由するため、実際に血液中に到達する水素の量は限定的です。また、水素は非常に小さな分子であるため、ペットボトルやガラス容器からも徐々に抜けてしまい、開封後は急速に濃度が低下します。

一方、水素点滴は高濃度の水素を生理食塩水に溶かし、血管に直接注入します。これにより、消化管を経由せずに全身の細胞に効率よく水素を届けることができ、より高い抗酸化作用が期待できるのです。

水素点滴に期待される効果

水素点滴に期待される効果

水素が病気や不調の原因となる「活性酸素」を除去することから、水素点滴には美容と健康面の両方から様々な効果が期待されています。

ここでは、具体的にどのような効果が期待されているのかについてみていきましょう。

美容・アンチエイジング効果

シミ・シワの予防、肌のハリ・ツヤの改善、髪の健康維持など、美容面での効果が期待されています。

これは悪玉活性酸素が細胞やDNAを傷つけることで起こる「老化現象」を、水素が防ぐと考えられているためです。特に、肌細胞は紫外線や大気汚染によって活性酸素が発生しやすく、継続的なケアが重要とされています。

現時点で、水素点滴とシミ・シワ予防などの美容効果を直接的に調べた研究は限られています。しかし、水素水や水素吸入などを用いた研究では、良好な結果が報告されています。

参考:【医師監修】水素吸入の「美容効果」10選|効果的な活用法も解説

疲労回復・健康維持効果

水素点滴には、慢性疲労の改善、睡眠の質向上、免疫力アップなどの効果も期待されています。

透析患者を対象とした研究では、水素点滴によって血液透析に伴う倦怠感が消失し、生活の質(QOL)が著しく改善したと報告されています。2)

また、水素吸入で睡眠の質が良くなることが研究で報告されていることから3)、同様のメカニズムで水素点滴も睡眠改善に寄与する可能性が期待されています。

生活習慣病予防・治療への期待

水素には動脈硬化や糖尿病など酸化による病気を予防・改善する効果が多数報告されており、そうした生活習慣病への効果が期待されています。

ただし、現時点では予防という側面よりも治療補助として水素点滴が用いられることが多く、今後の更なる研究が待たれます。

その他報告されている効果

上記以外にも、がん治療の補完、パーキンソン病、関節リウマチなどに対する研究も進められています。

例えば、2014年に関節リウマチを患う患者24名を対象とした研究が行われ、水素点滴によって炎症・酸化ストレスの抑制だけではなく、病状の改善も示されました。4)

2021年の複数の研究をまとめたレビュー論文では、水素はがん細胞の増殖抑制やがん治療の副作用軽減に有効な可能性があると結論づけられています。5)

更なる研究が必要ではあるものの、今後の研究の進展により、水素点滴の有効性の確立が期待されるところです。

「水素点滴は効果なし」と言われるただ1つの理由

「水素点滴は効果なし」と言われるただ1つの理由

上述したように、水素点滴にはさまざまな期待が寄せられrているものの、「水素点滴は効果なし」と言われることがあります。

その主な理由は、水素点滴には、医薬品のように効果・効能がまだ認められていないためです。つまり、「効果がない」ことが証明されたわけではなく、「効果が確定していない」という状態なのです。

これまでにも水素点滴を用いた研究は多数報告されていますが、動物実験が中心で、まだ大規模な人を対象とした臨床試験はありません。効果・効能の立証にはこうした質の高い研究が必要で、水素医療は発展途上の分野といえます。今後の研究の進展による更なる解明が望まれます。

水素点滴の副作用とデメリット

水素点滴の副作用とデメリット

水素点滴を検討する際は、期待される効果だけでなく、副作用やデメリットについても正しく理解しておくことが重要です。ここでは、水素点滴の副作用とデメリットについて解説します。

水素点滴で起こりうる副作用・リスク

水素自体が非常に安全性の高い物質であり、水素点滴による副作用は基本的にありません。健康な成人を対象に水素点滴を行った研究でも重篤な副作用は見られず、安全であることが報告されています。4)

ただし、点滴治療全般の副作用として、以下の点は理解しておきましょう。

水素点滴で起こりうる副作用
  • 注射針を刺した部位の痛み、違和感、内出血:点滴後数日で自然に回復します
  • 点滴中の血管痛:点滴の速度を調整することで対応可能です
  • 点滴漏れによる腫れや痛み:万一点滴が血管外に漏れた場合、腫れや痛みが生じますが、数日で自然に吸収されます
  • ごく稀なアレルギー反応:発疹、発熱、掻痒感などが報告されていますが、極めて稀です

水素点滴のデメリット

副作用以外にも、水素点滴には以下のようなデメリットがあるため、事前に理解しておきましょう。

水素点滴のデメリット
  • 定期的な通院が必要:1回の施術で得られる効果は一時的なため、継続的な効果を得るには週1〜2回の通院が推奨されます
  • 継続的に費用がかかる:保険適用外のため、全額自己負担となります。
  • 研究段階の効果も多い:効果・効能が確立されているわけではなく、効果についてはさらなる研究が必要です
  • 時間的な負担:クリニックへの通院に時間がかかり、仕事や家事との両立が難しい場合があります

水素点滴を受けられない人・注意が必要な人

以下に該当する方は、必ず事前に医師に相談してください。

水素点滴を受けられない人・注意が必要な人
  • 重度の腎機能障害がある方:点滴による水分負荷が腎臓に負担をかける可能性があります
  • 妊娠中・授乳中の方:安全性が十分に確立されていないため、医師の判断が必要です
  • 点滴アレルギーがある方:過去に点滴で異常反応が出た経験がある場合は、必ず申告してください

これらに該当しない場合でも、初回は必ず問診を受け、医師の判断のもとで施術を受けるようにしましょう。

水素点滴の料金・費用相場

水素点滴の料金・費用相場

水素点滴は自由診療(保険適用外)のため、全額自己負担となります。

費用は、1回あたり5,000円〜15,000円程度が相場です。使用する点滴容量や水素濃度などによって料金が変動します。また、初診料が別途かかる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。

クリニックによっては、複数回の施術をパッケージにした割引プランを提供していることもあるので、継続を検討している場合は確認してみると良いでしょう。

水素点滴よりも効率的な「水素吸入」がおすすめな理由

水素点滴よりも効率的な「水素吸入」がおすすめな理由

ここまで水素点滴について解説してきましたが、実は費用・継続性・取り込める水素量・エビデンスの観点から、水素吸入が最もおすすめです。その理由を、比較表とともに詳しく見ていきましょう。

▼水素点滴と水素吸入の比較表

項目水素点滴水素吸入
投与方法血管への点滴呼吸による吸入
1回の時間20〜30分30〜60分
1回の費用5,000〜15,000円機器の購入(20〜100万円)
または月額制(レンタル1〜5万円/月)
継続性通院が必要自宅でいつでも可能
取り込める水素量限定的
(1回1〜2ml前後※1
大量かつ継続的
(1回3,000〜60,000ml※2
手軽さ予約・通院の手間自宅でリラックスしながら
痛み針を刺す痛みなし
エビデンス直接的な研究は限られる研究報告が非常に多い
(先進医療Bへの承認実績あり)
※1 水素濃度1ppm(100〜200ml)での水素ガス体積換算 ※2 毎分100〜1,000mlの水素ガスを出す機器で30分〜1時間に排出される水素ガス量

水素吸入をおすすめする理由について、より具体的に解説していきます。

水素吸入をおすすめする理由①:
圧倒的なコストパフォーマンス

水素吸入器は、買い切りで30万〜100万円程度、レンタルで月額1万〜5万円程度です。一見高額に見えますが、水素点滴を週1回継続する費用(年間26万〜78万円)と比較すると、1年程度で元が取れる計算になります。

家族で共有すれば、さらにコストパフォーマンスが向上します。

水素吸入をおすすめする理由②:
より多くの水素を取り込める

水素吸入は、高濃度の水素ガスを直接呼吸によって肺から血液中に取り込むため、点滴よりも効率的に多量の水素を体内に届けることができます

水素点滴1回100ml(水素濃度1ppm)で取り込める水素量を、水素ガスの体積に換算すると約1.13mlになります。水素吸入器では、エントリーモデルでも毎分100mlの水素ガスを発生させ、単純計算で1時間に6,000mlの水素を取り込めるポテンシャルがあります。

両者における取り込める水素量の差は歴然です。

水素吸入をおすすめする理由③:
生活に取り入れやすい

水素吸入は自宅で好きな時間に、リラックスしながら実施できるのが大きな魅力です。通院の手間がなく、テレビを見ながら、読書をしながら、就寝前のリラックスタイムとして習慣化できます。

水素は、接する時間の継続が大事な要素であることから、日常的に取り入れやすい水素吸入は理想的な方法と言えます。

水素吸入の詳細は、「水素吸入の効果・安全性のエビデンスと始め方」をご覧ください。

水素点滴に関するよくある質問

最後に、水素点滴に関するよくある質問をまとめておきますので、ぜひご参考ください。

Q1. どれくらいの頻度で通うのが良いですか?

定期的に通うことが最も大切です。その上で、以下を目安にしてください。

水素点滴に通う目安頻度
  • 健康維持・疲労回復・美容目的:週に1〜2回
  • より高い効果を求める場合・特定の疾患がある場合:週に2回以上(医師と相談)

ただし、週1〜2回の通院を継続すると、年間26万〜72万円の費用がかかります。この費用面の負担から、水素吸入への切り替えを検討する方も少なくありません。

Q2. 高濃度ビタミンC点滴とはどう違いますか?

作用機序が異なります。ビタミンCも強力な抗酸化物質ですが、善玉・悪玉の区別なく活性酸素と反応します。

一方、水素は「悪玉だけを選択的に除去する」「分子が極めて小さく細胞のどこにでも届く」という特徴があります。目的によって使い分けたり、併用したりするケースも多いです。美容目的であれば併用することで相乗効果が期待できる場合もあるため、医師に相談してみると良いでしょう。

Q3. どのような人でも受けられますか?

基本的に安全性が高い治療ですが、以下に該当する方は事前に必ず医師に相談してください。

水素点滴を受ける前に相談が必須な方
  • 重度の腎機能障害がある方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 点滴アレルギーの既往がある方

健康な成人であれば、ほとんどの場合問題なく受けられます。

Q4. 1回でも効果は実感できますか?

疲労回復効果は1回で実感する人も多いです。施術後、体が軽くなった、疲れが取れたと感じる方が少なくありません。

ただし、美容効果や慢性疾患への効果は数週間〜数ヶ月の継続が必要です。個人差があることを理解した上で、まずは1回試してみて、自分に合っているか判断するのが良いでしょう。

Q5. 保険は適用されますか?

現時点では自由診療(保険適用外)です。そのため、全額自己負担となります。

Q6. 治療後にすぐ帰宅できますか?

基本的に治療後すぐに日常生活に戻れます。特別な安静や制限は必要ありません。

ただし、当日の激しい運動や飲酒は控える方が良い場合もあるため、クリニックの指示に従ってください。点滴後は水分をしっかり摂取することも推奨されます。

まとめ:水素点滴は入門として、長期的には水素吸入がおすすめ

この記事では、水素点滴の仕組みから効果、副作用、料金まで詳しく解説してきました。

水素が健康・美容に効果があると期待されており、水素点滴の提供を始めるクリニックも増えてきています。

現時点ではまだ研究段階ではあるものの、水素の可能性には大きな注目が集まっています。

気になる方は、まずは1回試してみて、自分の体で効果を確認してみてください。その上で、継続的に水素を取り入れたいと感じた場合は、費用対効果に優れた水素吸入への切り替えも検討してみると良いでしょう。

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