一言まとめ
フィンスイマー12名を対象に、水素水の4日間の摂取が、1日2回の高強度トレーニング後の筋肉の回復に及ぼす影響を検討。水素水摂取により、筋損傷マーカーの上昇抑制、筋痛の軽減、筋力の回復促進効果が見られた。
3分で読める詳細解説
結論
水素水の4日間の摂取は、フィンスイマーの1日2回の高強度トレーニング後の筋肉の回復を促進する。
研究の背景と目的
フィンスイミングは高速で泳ぐため、代謝的に非常に負荷が高い競技である。フィンスイマーは通常、1日に2回の水中トレーニングを行うが、高強度インターバルトレーニング(HIIT)を含むため、筋損傷や酸化ストレス、炎症を引き起こしやすい。そこで本研究は、抗酸化・抗炎症作用を持つ水素水に着目し、フィンスイマーの筋肉の回復に及ぼす影響を検討した。
研究方法
研究結果
水素水摂取により、プラセボ群と比較して以下の効果が見られた。
ただし、CK活性とCMJ高については、最小臨床重要差(MCID)を超える改善が見られた被験者は一部のみだった。
Appendix(用語解説)
- フィンスイミング:モノフィンやバイフィンを使用し、水中を高速で泳ぐ競技
- 高強度インターバルトレーニング(HIIT):高強度の運動を短時間で繰り返す、インターバルを設けたトレーニング法
- クレアチンキナーゼ(CK):筋損傷のバイオマーカーの一つ。筋細胞の損傷により血中濃度が上昇する
- Visual Analog Scale(VAS):痛みの主観的な強さを評価するための尺度。0-100mmのスケール上で回答する
- カウンタームーブメントジャンプ(CMJ):下肢の筋力やパワーを評価するためのジャンプ運動テスト
フィンスイミングは以下のスポーツです。
論文情報
タイトル
Hydrogen-rich water supplementation promotes muscle recovery after two strenuous training sessions performed on the same day in elite fin swimmers: randomized, double-blind, placebo-controlled, crossover trial(エリートフィンスイマーにおける1日2回の高強度トレーニング後の筋肉の回復に対する水素水摂取の効果:ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験)
引用元
Sládečková, B., Botek, M., Krejčí, J., Valenta, M., McKune, A., Neuls, F., & Klimešová, I. (2024). Hydrogen-rich water supplementation promotes muscle recovery after two strenuous training sessions performed on the same day in elite fin swimmers: randomized, double-blind, placebo-controlled, crossover trial. Frontiers in physiology, 15, 1321160. https://doi.org/10.3389/fphys.2024.1321160
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