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研究報告

パーキンソン病に対する水素吸入の効果

更新日:2026/02/11
パーキンソン病に対する水素吸入の効果
パーキンソン病患者20名に対し、16週間の水素吸入治療を行ったが、プラセボ群との比較で症状改善効果は見られなかった。ただし、水素吸入の安全性は確認された。

3分で読める詳細解説

結論

水素吸入はパーキンソン病患者に対し安全だが、症状改善効果は示されなかった。

研究の背景と目的

パーキンソン病の進行には酸化ストレスが関与しており、水素分子は強力な抗酸化作用を持つことが動物モデルで確認されている。そこで本研究は、レボドパ治療中のパーキンソン病患者を対象に、水素吸入の有効性を評価するランダム化二重盲検並行群間比較パイロット試験を実施した。

研究方法

  • 対象は、Movement Disorder Society (MDS) 診断基準を満たすパーキンソン病患者20名(レボドパ治療中、modified Hoehn and Yahr stage 1-3、40-80歳)。
  • 被験者を水素吸入群とプラセボ吸入群に1:1で無作為に割り付け。割り付けは年齢とHoehn and Yahrステージで層別化。
  • 水素吸入群には6.5% (0.1%) の水素ガスを、プラセボ群には水素なしの空気を、それぞれ1日2回1時間、16週間吸入。
  • 主要評価項目は、ベースラインから16週時のMDS-UPDRS総スコアの変化量。副次評価項目はMDS-UPDRSのパートII・III、PDQ-39など。

研究結果

  • 水素吸入プロトコルから逸脱した5名を除外し、最終解析対象は15名(水素群7名、プラセボ群8名)。
  • MDS-UPDRS総スコアのベースラインから16週時の変化量は、水素群とプラセボ群で有意差なし(p>0.05)。
  • MDS-UPDRSのパートII・III、各スコア、PDQ-39、酸化ストレスマーカーの8-OHdG尿中排泄量なども、両群間で有意差なし。
  • 有害事象の報告はなく、水素吸入の安全性が示された。
  • 被験者の高齢化、1日のレボドパ投与量が多いほど、PDQ-39の感情スコアが高いほど、プロトコル遵守率(吸入時間)が低下した。

Appendix(用語解説)

  • MDS-UPDRS: Movement Disorder Society-Unified Parkinson’s Disease Rating Scale(パーキンソン病の症状評価尺度)
  • PDQ-39: 39-item Parkinson’s Disease Questionnaire(パーキンソン病患者のQOL評価尺度)
  • 8-OHdG: 8-hydroxy-2′-deoxyguanosine(酸化ストレスマーカー)

論文情報

タイトル

Randomized double-blind placebo-controlled trial of hydrogen inhalation for Parkinson’s disease: a pilot study(パーキンソン病に対する水素吸入のランダム化二重盲検プラセボ対照パイロット試験)

引用元

Yoritaka, A., Kobayashi, Y., Hayashi, T., Saiki, S., & Hattori, N. (2021). Randomized double-blind placebo-controlled trial of hydrogen inhalation for Parkinson’s disease: a pilot study. Neurological sciences : official journal of the Italian Neurological Society and of the Italian Society of Clinical Neurophysiology, 42(11), 4767–4770. https://doi.org/10.1007/s10072-021-05489-4

専門家のコメント

さとうゆみ 先生のアバター

さとうゆみ 先生

パーキンソン病患者に対する16週間の水素吸入療法は、残念ながら症状改善効果を示せませんでした。ただし、サンプルサイズが小さく、進行期の患者が含まれていないなど、いくつか課題があります。水素吸入の安全性は確認されたので、今後はより多くの対象者を採用したり、毎日の吸入時間を守ってもらえるように工夫したりなど改善し、さらなる研究を重ねていく必要があるでしょう。この研究だけでは水素吸入のパーキンソン病に対する効果を結論づけることはできませんが、安全性が示されたことは前進です。今後の研究で、より効果的な水素吸入の方法を見出していくことが期待されます。

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公開日:2024/06/01
最終更新日:2026/02/11
目次
  1. 3分で読める詳細解説
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公開日:2024/06/01
最終更新日:2026/02/11

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  1. 3分で読める詳細解説
    1. 結論
    2. 研究の背景と目的
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