研究論文
水素水によって肥満と糖尿病を改善

水素水によって肥満と糖尿病を改善

一言まとめ

db/dbマウスに水素水を3ヶ月間自由飲水させたところ、肝臓の酸化ストレスが減少し、脂肪肝が改善、体重増加が抑制され、血糖値・中性脂肪値が低下した。水素の作用機序として、肝臓でのFGF21の発現増加とエネルギー代謝の亢進が示唆された。

3分で読める詳細解説

結論

水素水の飲用は、2型糖尿病モデルマウスにおいて、肝臓の酸化ストレスを減らし、肥満や糖尿病を改善する。

研究の背景と目的

近年、水素の抗酸化作用による様々な疾患の予防・改善効果が報告されている。本研究では、2型糖尿病モデルマウス(db/dbマウス)を用いて、水素水の長期飲用が肥満や糖尿病に与える影響を調べることを目的とした。

研究方法

肥満・2型糖尿病のモデルマウスであるdb/dbマウスに、飽和水素水(0.8 mmol/L)または10%飽和水素水(0.08mmol/L)を自由摂取させ、体重や血糖値、インスリン濃度、中性脂肪などの代謝パラメータの変化を調べた。また、肝臓での酸化ストレスマーカーや、エネルギー代謝に関連する遺伝子発現を解析した。水素水は毎日14時に新しいものと交換した。

研究結果

  • 水素水の摂取により、db/dbマウスの体重増加や内臓脂肪の蓄積が抑制された。血糖値、血中インスリン濃度、中性脂肪濃度の上昇も緩和された。
  • 水素水摂取群では、肝臓の酸化ストレスマーカー(MDA)レベルが有意に低下し、肝臓への脂肪蓄積(脂肪肝)が有意に改善した。
  • 肝臓において、エネルギー代謝を制御するホルモンであるFGF21の発現が水素水摂取により増加した。
  • 水素水を飲んだdb/dbマウスは、酸素消費量と二酸化炭素排出量が10%上昇しており、エネルギー代謝が亢進していた。
  • 水素の作用機序として、肝臓でのグリコーゲンへの蓄積が示唆された。肝臓や水溶液中のグリコーゲンは水素を取り込み、ゆっくりと放出する性質があった。

Appendix(用語解説)

  • db/dbマウス: 2型糖尿病のモデルマウス。レプチン受容体の変異により肥満と高血糖を呈する。
  • MDA(Malondialdehyde): 脂質過酸化の指標となる物質。酸化ストレスマーカーの一つ。
  • FGF21(Fibroblast Growth Factor 21): 肝臓から分泌されるホルモンの一種。エネルギー代謝を調節する。

論文情報

タイトル

Molecular Hydrogen Improves Obesity and Diabetes by Inducing Hepatic FGF21 and Stimulating Energy Metabolism in db/db Mice(水素分子はdb/dbマウスにおいて肝臓のFGF21を誘導しエネルギー代謝を刺激することで肥満と糖尿病を改善する)

引用元

Kamimura, N., Nishimaki, K., Ohsawa, I., & Ohta, S. (2011). Molecular hydrogen improves obesity and diabetes by inducing hepatic FGF21 and stimulating energy metabolism in db/db mice. Obesity (Silver Spring, Md.)19(7), 1396–1403. https://doi.org/10.1038/oby.2011.6

専門家のコメント

あやたい 先生のアバター

あやたい 先生

本研究は、2型糖尿病モデルマウスに水素水を長期飲用させ、肥満や糖尿病に対する効果を調べた貴重な報告です。水素水が肝臓の酸化ストレスを減らし、脂肪肝や高血糖を改善したことは注目に値します。また、水素の新たな作用機序として、肝臓でのFGF21の発現増加とエネルギー代謝の亢進が示唆されたことは興味深い発見です。今後、ヒトでの検証が期待されます。

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