一言まとめ
パーキンソン病モデルラットを用いた研究で、水素水の飲用と間欠的な水素ガス吸入には予防効果が認められたが、ラクツロースの投与や継続的な水素ガス吸入では顕著な効果は見られなかった。
3分で読める詳細解説
結論
水素水飲用や間欠的な水素吸入は、パーキンソン病モデルラットにおいて、運動障害の進行を抑制する効果がある。
研究の背景と目的
従来の研究で、水素水摂取がパーキンソン病モデルラットの症状を抑制することが報告されている。本研究では、同様に水素を体内に取り込む方法として「ラクチュロースによる腸内水素産生」や「連続・断続的な水素吸入」がパーキンソン病モデルにどの程度有効かを比較し、水素の投与法による効果の違いを検証することを目的とした。
研究方法
研究結果
Appendix(用語解説)
- 6-OHDA(6-ヒドロキシドパミン):ドーパミン作動性神経を破壊する物質。脳内に注入することでパーキンソン病様のモデルを作製する。
- パーキンソン病(PD):中脳の黒質ドパミン神経細胞が変性・脱落することで、運動機能障害や振戦などが起こる神経変性疾患。
- ラクチュロース:フルクトースとガラクトースからなる合成二糖。腸内細菌によって分解され、水素が発生する。
- 回転行動(ローテーション):半球片側病変を持つパーキンソン病モデルラットに特異的に生じる行動で、症状評価に用いられる。
論文情報
タイトル
Drinking hydrogen water and intermittent hydrogen gas exposure, but not lactulose or continuous hydrogen gas exposure, prevent 6-hydorxydopamine-induced Parkinson’s disease in rats(水素水摂取および断続的な水素吸入は6-ヒドロキシドパミン誘発パーキンソン病を防ぐが、ラクチュロース摂取および連続的水素吸入では効果が限定的である:ラットを用いた研究)
引用元
Ito, M., Hirayama, M., Yamai, K., Goto, S., Ito, M., Ichihara, M., & Ohno, K. (2012). Drinking hydrogen water and intermittent hydrogen gas exposure, but not lactulose or continuous hydrogen gas exposure, prevent 6-hydorxydopamine-induced Parkinson’s disease in rats. Medical gas research, 2(1), 15. https://doi.org/10.1186/2045-9912-2-15
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