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【医師監修】水素吸入は白内障の予防と改善に効果がある?最新の研究結果を解説

【医師監修】水素吸入は白内障の予防と改善に効果がある?最新の研究結果を解説

《この記事の執筆者》

加齢とともに発症率が上昇する白内障。

80歳以上ではほぼ全ての人が罹患するこの目の病気に、水素吸入療法が効果を発揮する可能性があります。

本記事では、白内障の基礎知識から、水素吸入がどのようにして白内障の予防や改善に役立つ可能性を秘めているのかについて、最新の研究報告をもとに解説していきます。

白内障とは

白内障とは
出典:https://www.akatsuka-eye-clinic.com/cataract/

白内障は、物を見るためのレンズの役割である水晶体がにごってしまう疾患です1)

発症する割合は年齢とともに増加し、早い人では40歳代から白内障を発症します2,3)

80歳以上になると100%の人が発症していると報告されており、決して見過ごしてはいけない疾患です。

白内障の原因

白内障の原因は大きく個人要因と環境要因に分けられます1,2,3)

個人要因
  • 加齢
  • 性別
  • 遺伝

環境要因
  • 喫煙
  • 紫外線
  • 糖尿病
  • ステロイド内服
  • 肥満 など

ぶどう膜炎など、ほかの目の疾患に続いて発症することもあります。

白内障の症状

水晶体はレンズとして光を曲げ、目の奥のセンサーに光を集めます。

白内障によって水晶体がにごってしまうと、光が散乱してしまい、うまく集めることができません1,2)

その結果、目がかすんだり、物が二重に見えたり、いつもまぶしく感じたりします。

進行すると視力が下がり、眼鏡をかけても矯正できなくなります。

白内障の治療

白内障が早い段階で見つかった場合、点眼薬を用いて進行を遅らせることはできますが、にごってしまった水晶体をもとに戻すことはできません1,2,4)

進行した場合は手術が行われます。手術では、にごった水晶体を超音波乳化吸引術で取り除いたあと、水晶体の代わりに眼内レンズを挿入する方法が一般的です。

水素吸入は白内障の予防に効果はある?

水素吸入は抗酸化作用や抗炎症作用を示し、多くの疾患に有効であると報告されています。

白内障などの目の疾患でも酸化ストレスが大きな要因といわれており、水素吸入が役立つ可能性は高いです5)

現在、白内障の予防と水素吸入の関係を調べた論文はありませんが、水素水が白内障の予防に役立つ可能性を示唆した研究結果が報告されています6)

水素がラットの白内障を予防

この研究では、亜セレン酸という白内障を誘発する薬剤が用いられています6)

ラットをコントロール群(A群)、亜セレン酸注入群(B群)、亜セレン酸+水素水注入群(C群)に分け、生後12日目にB群とC群に亜セレン酸が注入されました。C群では生後8日目から生後17日目まで毎日水素水をお腹に注入しています。白内障は亜セレン酸注入日から2週間にわたり毎週評価しました。

すると、B群はA群よりも水晶体が有意ににごっており、C群はB群よりも水晶体が有意ににごっていないことが示されました。

B群がA群よりもにごっていないのは、亜セレン酸により白内障が誘発できたことを示しています。

また、C群がB群よりもにごっていないのは、水素水により白内障の発症と重症度が抑えられたことを示しています。

この結果から、水素が白内障の予防に効果がある可能性が示唆されたといえます。

水素吸入は水素水よりも水素の吸収率が高いので、今後研究が進めば水素吸入が白内障により有効であると示唆されるかもしれません。

水素吸入は白内障の改善に効果はある?

上でも述べたように、白内障が進行すると水晶体のにごりを取り除くのは難しいです。

しかし、白内障手術にともなう症状は、水素で改善できる可能性が示唆されました7)

水素が白内障手術にともなう合併症を軽減した

研究デザインは単一施設前向きランダム化二重盲検臨床試験です。

両目の白内障患者32名に、片方の目は水素水を、もう片方の目は従来の溶液を用いて超音波乳化吸引術が行われました。

すると、術後1日目、1週間目、3週間目の内皮細胞密度の減少率が、対象群に比べて水素水投与群で有意に低く、また水疱性角膜症が明らかに軽度であることが示されました7)

超音波乳化吸引術は活性酸素を発生する

白内障手術では、超音波乳化吸引術という方法で水晶体を取り除きます。

このとき、超音波から活性酸素のフリーラジカルが発生し、角膜の内皮細胞を傷つけるおそれがあるのです5,8)

角膜内皮細胞が傷つくと水疱性角膜症という合併症が引き起こされますが、これに対し抗酸化作用をもつ水素が有効であると今回の論文で示されました。

つまり白内障手術の超音波乳化吸引術による合併症を、水素が改善する可能性が示唆されたといえます。

この研究も水素水が用いられているので、より効率のいい水素吸入の効果も期待できるかもしれません。

【私はこう考える】水素吸入と白内障

これまで、水素吸入と白内障の関係について述べてきました。

結論としては、水素吸入の効果について研究報告がなく、白内障に水素吸入が有効であるかどうか、まだ断言ができません。

手術中の合併症に関しては、水素吸入で血中から目に水素を届けるよりも、目に直接水素水を投与する方が有効な可能性も考えられます。

しかしながら、これまで述べたように水素吸入は水素水の投与よりもはるかに吸収効率がいいと報告されているので、水素吸入でも白内障の予防や改善に一定の効果は見込めるかもしれません。

またゴーグルを用いた水素療法もあり、人を対象とした研究では、白内障の予防の面で水素水よりも効果が見込めるかもしれません。

今後、水素吸入が白内障の予防や改善に有効である可能性が報告されることを期待しています。

参考文献
  1. 白内障|公益財団法人日本眼科学会
  2. 白内障とは|日本白内障学会
  3. 白内障|慶應義塾大学病院
  4. 白内障の手術|公益財団法人日本眼科学会
  5. Li, S. Y., Xue, R. Y., Wu, H., Pu, N., Wei, D., Zhao, N., Song, Z. M., & Tao, Y. (2023). Novel Role of Molecular Hydrogen: The End of Ophthalmic Diseases?. Pharmaceuticals (Basel, Switzerland)16(11), 1567. https://doi.org/10.3390/ph16111567
  6. Yang, C. X., Yan, H., & Ding, T. B. (2013). Hydrogen saline prevents selenite-induced cataract in rats. Molecular vision19, 1684–1693.
  7. Igarashi, T., Ohsawa, I., Kobayashi, M., Umemoto, Y., Arima, T., Suzuki, H., Igarashi, T., Otsuka, T., & Takahashi, H. (2019). Effects of Hydrogen in Prevention of Corneal Endothelial Damage During Phacoemulsification: A Prospective Randomized Clinical Trial. American journal of ophthalmology207, 10–17. https://doi.org/10.1016/j.ajo.2019.04.014
  8. Johnsen, H. M., Hiorth, M., & Klaveness, J. (2023). Molecular hydrogen therapy—A review on clinical studies and outcomes. Molecules, 28(23), 7785. https://doi.org/10.3390/molecules28237785

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