がん
放射線治療の副作用を軽減?水素吸入療法の可能性を徹底解説

放射線治療の副作用を軽減?水素吸入療法の可能性を徹底解説

《この記事の執筆者》

放射線治療はがん治療において重要な役割を果たしますが、その副作用に苦しむ患者さんも少なくありません。

そんな中、水素吸入療法が放射線治療の副作用を軽減する補助療法として注目を集めています。

水素の持つ強力な抗酸化作用や抗炎症作用は、放射線治療による皮膚炎や肺炎などの副作用を抑え、患者さんのQOL向上に貢献する可能性が期待されています。

本記事では、放射線治療と水素吸入療法の基本から、具体的な副作用に対してどういったことが期待されるのかについて詳しく解説していきます。また、専門家の意見や体験者の経験談についてもご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

水素吸入と放射線治療 – 補助療法としての可能性

水素吸入と放射線治療 - 補助療法としての可能性

がん治療において、放射線治療は重要な役割を果たしていますが、副作用の軽減が大きな課題となっています。

そんな中、水素吸入療法が放射線治療の補助療法として注目を集めています。

まずは、放射線治療の基本的な知識と水素吸入の基礎知識について振り返ってみましょう。

放射線治療とは?特徴や副作用について

放射線治療は、高エネルギーの放射線を使用してがん細胞を破壊する治療法です。

この治療法は、がん細胞のDNAに損傷を与え、その増殖を抑制または停止させることを目的としています。

放射線治療は単独で使用されることもありますが、手術や化学療法と組み合わせて行われることも多くあります。

放射線治療の主な特徴としては、以下のものが挙げられます。

放射線治療の主な特徴
  • 非侵襲的な治療法(体を切開しない)
  • 局所的な治療が可能(特定の部位に集中して照射)
  • 臓器の機能を温存しながら治療可能

放射線治療による主な副作用とは?

放射線治療は効果的ながん治療法ですが、同時に正常な細胞にもダメージを与えてしまうため、様々な副作用が生じる可能性があります。

これらの副作用は、急性期(治療中や治療直後に現れる)と晩期(治療後数ヶ月から数年後に現れる)に分けられます。

急性期の主な副作用
  • 疲労感
  • 皮膚の炎症(発赤、かゆみ、乾燥)
  • 吐き気・嘔吐
  • 口内炎
  • 下痢
  • 脱毛(照射部位周辺)など

晩期の主な副作用
  • 放射線肺炎
  • 皮膚の線維化
  • リンパ浮腫
  • 神経障害
  • 二次がんのリスク など

これらの副作用の程度は、照射部位や照射量、個人の体質によって異なります。医療技術の進歩により、副作用のリスクは以前より低減されていますが、完全に避けることは難しいのが現状です。

水素吸入療法の基本

水素吸入療法とは、分子状の水素を吸入することで体内の酸化ストレスを軽減し、様々な健康効果を得ることを目的とした療法です。

2007年に世界的権威の医学雑誌「ネイチャー・メディシン」にて、日本人の研究者らによって水素が高い抗酸化作用を持つことが報告されて以来、様々な研究が進められています。

水素吸入の主な特徴としては以下のとおりです。

水素吸入療法の特徴
  • 強力な抗酸化作用がある
  • 体内の炎症を抑制する
  • 選択的に悪玉活性酸素を除去する能力
  • 重大な副作用は報告されておらず安全

これらの特徴を持つ水素吸入療法は、放射線治療の急性期および晩期の副作用を軽減する可能性が期待され注目されています。

水素吸入の研究が進められている分野

上記に上げた特徴を持つ水素吸入は、実に様々な分野での応用が期待されています。

今回取り上げている放射線治療の補助療法など疾患に関するものだけではなく、美容や身体パフォーマンス向上などの面でも多くの期待が寄せられ、研究が進められています。

まだまだ研究段階ではあるものの、有望な研究報告が様々発表されています。それらについては、以下で解説しているので興味のある分野のものを覗いてみてください。
>> 水素吸入に期待されている効果一覧

放射線治療における水素吸入の役割

水素吸入療法は、放射線治療の補助療法として注目を集めています。その主な理由は、水素の持つ強力な抗酸化作用と抗炎症作用にあります。

放射線治療によって生じる様々な副作用に対して、水素吸入が効果を発揮する可能性が研究で示されています。

具体的には以下のような副作用に対する効果が期待されています。

水素吸入の効果が期待される放射線治療の副作用
  1. 放射線皮膚炎
  2. 放射線肺炎
  3. 放射線顎骨壊死
  4. 放射線腸炎
  5. 放射線難聴
  6. 放射線認知機能障害
  7. 放射線精巣機能障害
  8. 放射線性口腔粘膜炎
  9. 放射線関連心疾患
  10. 二次がん
  11. 味覚障害
  12. 食欲不振
  13. 骨髄抑制
  14. 放射線性脳炎

それぞれの副作用に対する水素吸入の可能性について、簡単にご紹介します。

水素吸入と放射線治療①:放射線皮膚炎

水素吸入と放射線治療①:放射線皮膚炎

放射線皮膚炎は、放射線治療を受ける患者さんの多くが経験する副作用の一つです。

放射線を照射した皮膚が赤くなり、皮膚の乾燥が進んで痒みや角質が剥がれ落ちるなどの症状が起こります。重症化すると水疱や潰瘍を形成することもあり、患者さんのQOLを著しく低下させる可能性があります。

水素が持つ抗炎症作用(炎症を抑える効果)によって、放射線による皮膚の炎症を抑えられる可能性が研究で示唆されています。また、放射線によって生じた皮膚炎の治癒速度や治癒率の改善も報告されています。

水素吸入と放射線皮膚炎の詳しい解説については、以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】水素吸入で放射線皮膚炎を克服!?驚きの治療効果とは

水素吸入と放射線治療②:放射線肺炎

水素吸入と放射線治療②:放射線肺炎

放射線肺炎は、胸部への放射線治療後に起こる可能性のある深刻な副作用です。

軽度な場合は対症療法などで自然に良くなる場合もありますが、重症の場合は入院して呼吸の補助を行うなど深刻な影響を及ぼす可能性があります。症状としては、咳、発熱、息切れなどが現れ、重症化すると呼吸困難に至ることもあります。

水素には肺の炎症を抑制し、酸化ストレスを軽減する効果が期待されています。特に、水素の選択的な抗酸化作用が、放射線によって生じる過剰な活性酸素を除去し、肺組織のダメージを軽減する可能性が示唆されています。また、水素の抗炎症作用が肺の炎症反応を抑制し、放射線肺炎の予防や症状の改善に寄与する可能性も研究で報告されています。

水素吸入と放射線肺炎の関係について詳しくは以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】がん治療による放射線肺炎の予防・改善に水素吸入が有効?

水素吸入と放射線治療③:放射線顎骨壊死

水素吸入と放射線治療③:放射線顎骨壊死

放射線顎骨壊死は、頭頸部がんの放射線治療後に起こる可能性のある深刻な合併症です。放射線照射により顎骨の血流が低下し、骨組織が壊死する症状で、激しい痛みや感覚・味覚異常、顎骨の露出などを引き起こす可能性があります。

放射線顎骨壊死は活性酸素が深く関わっているとされ、高い抗酸化作用を持つ水素吸入が予防や改善の面で活用できるのではと期待されています。

水素吸入と放射線顎骨壊死についての詳細は以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】放射線顎骨壊死に水素吸入が効く?最新研究とその期待

水素吸入と放射線治療④:放射線性腸炎

水素吸入と放射線治療④:放射線性腸炎

放射線性腸炎は、腹部や骨盤部への放射線治療後に生じる可能性のある副作用です。消化管への放射線治療を行った患者の約半数が経験する、決して珍しくない副作用の1つです。症状としては、下痢などお通じの異常や肛門の痛みなどがあり、患者さんのQOLを低下させる要因となります。

水素には消化器系の炎症を抑える効果が期待されており、胃腸粘膜の保護や炎症の軽減に役立つ可能性があります。また、水素の抗酸化作用が放射線による消化器系組織のダメージを軽減し、症状の緩和や予防に寄与する可能性も示唆されています。

水素吸入と放射線性腸炎についての詳細は以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】水素吸入で改善?放射線性腸炎の新たな対策となりえるのか

水素吸入と放射線治療⑤:放射線難聴

水素吸入と放射線治療⑤:放射線難聴

放射線難聴は、頭頸部への放射線治療によって起こる可能性のある副作用の一つです。内耳の感覚細胞や聴神経が放射線によってダメージを受け、聴力低下や耳鳴りなどの症状が現れることがあります。放射線難聴に対する治療法はまだ確立されておらず、様々な研究が進められています。

水素が持つ抗酸化作用や抗炎症作用によって、内耳の細胞を保護し、聴力低下のリスクを軽減する可能性が示唆されています。実際に、水素吸入によって放射線治療による難聴が改善した症例なども報告されています。

水素吸入と放射線難聴に関するより詳しい情報は以下の記事でご確認いただけます。
>> 【医師監修】水素吸入が放射線治療による難聴に効果的?研究報告から見る可能性

水素吸入と放射線治療⑥:放射線認知機能障害

水素吸入と放射線治療⑥:放射線認知機能障害

放射線認知機能障害は、脳への放射線治療後に生じる可能性のある副作用で、記憶力の低下、集中力の欠如、情報処理速度の低下などの症状が現れることがあります。

水素には脳細胞を保護し、認知機能の低下を予防する効果が期待されています。水素の抗酸化作用と抗炎症作用が、放射線による脳組織のダメージを軽減し、神経細胞の保護効果を持つ可能性が示唆されています。また、水素が放射線によって低下した認知機能の改善に寄与する可能性も研究で報告されています。

水素吸入と放射線認知障害に関しての詳細な内容は、以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】水素吸入が放射線治療による認知機能低下を抑制?最新研究が示す可能性

水素吸入と放射線治療⑦:放射線精巣機能障害

水素吸入と放射線治療⑦:放射線精巣機能障害

放射線精巣機能障害は、主に放射線治療の際に精巣が照射範囲に含まれている場合に起きる副作用です。精巣機能の低下や精子の生成が困難になるなどが起こります。

将来的に子供を作りたいと考えている若い世代では特に深刻な問題となり、そういった場合は治療前に精子を保存するなどの対処がなされます。

この放射線精巣障害に対して、水素の抗酸化作用が注目を集めています。動物実験では、水素によって放射線精巣障害の重症化を予防したり、精子の形態異常を抑制したりといった報告がなされています。

水素吸入と放射線精巣障害の詳しい解説については、以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】男性がん患者は必見!水素吸入が放射線による精巣機能障害を防ぐのかを解説

水素吸入と放射線治療⑧:放射線性口腔粘膜炎

水素吸入と放射線治療⑧:放射線性口腔粘膜炎

放射線性口腔粘膜炎は、放射線治療によって口の中の粘膜にダメージが与えられ、口腔内で炎症を引き起こす副作用です。頭頚部がんの放射線治療での発生率が非常に高く、平均で80%となっています。、また、11%はこの副作用を理由に治療を中断するとされています。

この治療の中断にもなり得る放射線性口腔粘膜炎に対して、水素が有効かもしれないとする研究報告が出てきています。水素が除去する活性酸素と放射線誘発口腔粘膜炎に深い関連があることや、水素の摂取によって症状が改善することなどが報告されています。

さらに詳しい解説については、以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】治療中断もある!放射線性口腔粘膜炎に対する水素吸入の可能性

水素吸入と放射線治療⑨:放射線関連心疾患

水素吸入と放射線治療⑨:放射線関連心疾患

放射線関連心疾患は、がんの放射線治療時に心臓に放射線が当たることで発症する副作用の1つです。放射線治療後5〜10年で10〜30%の方が発症すると言われており、発症すると予後不良となる可能性もあるため、長期的な経過観察が大切になります。

この放射線関連心疾患への対策として、水素吸入の抗酸化作用が注目を集めています。

例えば、水素の投与によって放射線関連心疾患の生存率の改善や、放射線から心臓を保護する効果などが研究報告として挙がっています。

そのほか水素吸入と放射線関連疾患についての詳しい解説については、以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】治療後10年で30%が発症?放射線心疾患に対する水素吸入の可能性

水素吸入と放射線治療⑩:二次がん

水素吸入と放射線治療⑩:二次がん

二次がんは、すでに治療を受けたがんではなく、放射線や化学療法などの治療が原因で新たに発症するがんです。治療から数年〜数十年後に見つかることもあり、治療後の経過観察が重要な副作用の1つとなります。

この放射線治療による二次がんの発症予防や改善に対して、水素吸入の抗酸化作用やミトコンドリア保護作用が注目を集めています。

放射線治療による二次がんの発症は、活性酸素やミトコンドリア傷害が関わっていることが報告されており、水素が持つ活性酸素の軽減やミトコンドリア保護作用が有効ではと考えられています。また、動物実験では水素を摂取したグループはそうでないグループに比べて二次がんの発症率や生存率が改善したことが報告されています。

さらに詳しい水素吸入と放射線治療による二次がんの関係については、以下の記事をご覧ください。
>> 【医師監修】放射線治療の隠れたリスク!二次がんの予防に対する水素吸入の可能性

水素吸入と放射線治療⑪:味覚障害

水素吸入と放射線治療⑪:味覚障害

味覚障害は、頭頸部がんへの放射線治療を行った際に生じやすい副作用の1つです。

発症すると、食べ物をうまく味わえないことから食事の楽しみが減り、生活の質(QOL)が低下してしまいます。ひどい場合は、治療を中断して味覚障害の対応に集中することもあるため、決して侮れない副作用です。

これまでの研究で、水素が放射線治療による味覚障害の緩和に有効ではないかと示唆する報告がなされています。人を対象とした研究で、水素を摂取した場合はそうでない場合と比べて味覚障害の程度が半分ほどに抑えられたことが報告されています。

水素吸入と放射線治療による味覚障害について、さらに詳しい内容は以下の記事で解説しています。
>> 【医師監修】水素吸入で味覚障害を克服!放射線治療の副作用対策となりえるのか

水素吸入と放射線治療⑫:食欲不振

水素吸入と放射線治療⑫:食欲不振

食欲不振は、放射線治療を受けた患者さんが発症することのある副作用の1つで、場合によっては気分の低下や抑うつ症状などの合併症も引き起こす注意すべき症状です。

食欲が落ちることで治療に必要なエネルギーが取れなくな事が主な問題となりますが、この副作用に対する特異的な治療法はまだありません。したがって、少量を数回に分けて食べるなどの工夫での対応が主になります。

そこで、水素が放射線治療による食欲不振を予防・改善するのではないかと期待が寄せられています。

人を対象とした研究では、水素を摂取したグループでは、そうでないグループに比べて、放射線治療後の食欲不振の症状が有意に改善したことが報告されています。

水素吸入と放射線治療による食欲不振について、さらに詳しい内容は以下の記事で解説しています。
>> 【医師監修】放射線治療で食欲不振に悩む方へ:水素吸入が解決策となる可能性を考察

水素吸入と放射線治療⑬:骨髄抑制

水素吸入と放射線治療⑬:骨髄抑制

骨髄抑制とは、骨の中にある血液を作る組織(骨髄)が放射線のダメージを受け、赤血球や白血球などの血液成分が上手く作れなくなる副作用です。

発症すると、感染症や貧血、出血のリスクが上がり、ひどい場合は放射線治療の中止にも及びため、侮れない副作用の1つです。この副作用に対しての治療は存在するものの確立された予防法がなく、放射線治療を受けた方は一定の確率で発症します。

この放射線による骨髄抑制の予防策の1つとして、水素吸入が注目を集めています。

2021年の研究で、放射線治療を受けた患者さんが水素吸入をした場合とそうでない場合を比較されました。その結果、水素吸入をしたグループでは、そうでないグループに比べて白血球や血小板の減少が有意に低かったことが報告されています。また、放射線治療の効果を損なわなかったことも確認されており、放射線治療の補助治療としての可能性が示唆されました。

水素吸入と放射線治療による骨髄抑制の関係について、さらに詳しい内容は以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。
>> 【医師監修】水素吸入が放射線治療による骨髄抑制を軽減?最新研究を徹底解説!

水素吸入と放射線治療⑭:放射線性脳炎

水素吸入と放射線治療⑭:放射線性脳炎

放射線性脳炎とは、主に頭頸部のがん治療として放射線治療を行なった際に、脳の正常な細胞にダメージが加えられ発症する副作用です。頭痛や記憶障害、認知機能の低下などを招き、日常生活に大きな影響を与えることもある、深刻な副作用の1つです。

この放射線性脳炎の予防・改善に対して水素がもつ抗炎症作用が役立つのではないかと注目を集めています。

これまでの研究において水素吸入が酸化ストレスの軽減や神経保護作用を発揮することが示されており、さらなるエビデンス構築のために様々な研究が進められています。

水素吸入と放射線性脳炎については以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。
>> 【医師監修】水素吸入が放射線性脳炎に効く?新たな治療の可能性を探る

放射線治療と水素吸入に対する専門家の意見

放射線治療と水素吸入に対する専門家の意見

水素吸入療法の放射線治療への応用については、日本の医療界でも注目を集めており、複数の専門家が見解を述べています。

ここでは、著名な医師や研究者の意見をいくつかご紹介します。

赤木純児医師(くまもと免疫統合医療クリニック院長)の見解

赤木医師は「がん治療において水素ガス吸入療法が不可欠」だと考えているようです。

ご自身のクリニックでもがん患者さんの治療には、放射線治療などの標準治療に水素吸入を組み込んだ「統合療法」を実践され、標準治療の効果が肌感で3倍ほどに上がると見られています。

赤木純児医師は、2016年に世界初の水素ガスのがん治療への適用を開始された水素業界の権威です。

参考:【Vol.1】熊本のクリニックに日本全国から患者が押し寄せる理由

萬憲彰医師(よろずクリニック院長)の見解

萬医師は、これからエビデンスの構築が必要とはしつつも、以下のように述べられています。

(前略)水素ガスによって抗がん剤の副作用の軽減や、放射線治療の副作用の軽減、今後はもっと術後の回復を早めてくれたり、そういう患者さんにとってメリットのある作用を、水素ガスは持っているんですね。また、皆さんが怖がったり嫌がったりするところを、水素によって少しでも緩和をしていくことで、前向きに治療に望んでもらえるのが重要かと思っています。

引用元:https://helixj.co.jp/blog/interview/40/

この考えに基づいて、標準治療と水素吸入のような標準外治療を用いて、副作用や苦しいことがなく、一番望ましい結果が出るように治療法を組み合わせた「統合腫瘍治療」を掲げ、よろずメソッドを確立されています。

参考:【Vol.2】水素吸入を併用したがん治療「よろずメソッド」とは

萬憲彰医師は、国際水素医科学研究会の副理事長を努められている水素業界の権威です。

宮川路子教授(下北沢西口クリニック院長)の見解

「最強の水素術」の書籍でもおなじみの宮川教授も、同書籍内で以下のように述べられています。

放射線治療の副作用も、放射線によって炎症や、活性酸素や炎症が生じることが原因となります。ですから、放射線治療の際にも水素を取り入れることにより、大幅に副作用を軽減し、治療の苦しみを和らげることができるのです。
(中略)
効果のある抗がん剤や放射線治療を副作用が怖いからと、最初からあきめてはいけません。なぜなら、副作用の原因となるのは主として活性酸素であり、その活性酸素を取り除く水素によって、抗がん剤や放射線治療の副作用を軽くすることができるからです。

引用元:最強の水素術(p.118-120)

上記のように、水素の放射線治療に対する補助療法としての期待を寄せられています。実際に、ご自身のクリニックでのがん治療に水素吸入を取り入れられており、その結果として以下のように述べられています。

クリニックでは栄養療法だけでなく、免疫力を上げるといわれている水素ガス吸入療法も取り入れました。今までに約百人の患者さんに導入していただき、目を見張るほどの効果が得られています。(中略)最も重要なポイントは、水素吸入療法には副作用が一切なく、標準治療に影響を与えないことです。

引用元:https://yab.yomiuri.co.jp/adv/hosei/research/post_52.php

水素吸入は副作用がなく安全なのか

水素吸入は副作用がなく安全なのか

水素吸入はその安全性の高さも注目されている理由の1つです。

これまで数々の臨床研究が行われてきていますが、重篤な副作用は未だ報告されていません。

軽度なもの(頭痛やめまい、胃の不快感など)は、稀に報告されることがありますが、自然に回復し消滅することが多いです。

水素吸入の安全面で注意すべき点

一般的には副作用もなく安全性の高い水素吸入ですが、注意すべき点が2つあります。それは、水素爆発と機器の品質の観点です。

水素爆発について

水素は可燃性ガスであり、特定の条件で爆発する可能性があります。基本的には水素吸入器はその点も考慮して設計され、安全機能も搭載されている場合があるためほとんど心配はいりません。

しかし、誤った使い方をした場合は爆発を誘発してしまう恐れがあるため、取り扱いには十分に注意する必要があります。水素吸入中は火器厳禁です。
>> 【危険】水素吸入器で水素爆発する条件とさせないためのポイント4つ

水素吸入器の品質について

水素吸入の注目度が高いこともあり、市場には様々な吸入器が販売されています。中には粗悪なものも混じっているため、吸入器選びは慎重に行う必要があります。

低品質なものを使用して、逆に体に害を及ぼしてしまう可能性もゼロではありません。

のちの「後悔しない水素吸入器の選び方」で紹介するポイントをしっかりと確認し、選ぶようにしましょう。

水素吸入と他の放射線治療の補助療法の比較

水素吸入と他の放射線治療の補助療法の比較

放射線治療の副作用軽減や効果増強を目的とした補助療法には、水素吸入療法以外にもいくつかの方法があります。

ここでは、水素吸入療法と他の主な補助療法を比較し、それぞれの特徴や有効性について検討します。

放射線治療の主な補助療法としては以下のものが挙げられます。

放射線治療の主な補助療法
  • アミフォスチン
  • 抗酸化サプリメント
  • プロバイオティクス

それぞれの特徴についてまずは見ていきます。

放射線治療の補助療法①:アミフォスチン

アミフォスチンは放射線治療の副作用を軽減する目的で使用される放射線保護剤です。

FDA(アメリカ食品医薬品局)によって認可されており、頭頸部がんの放射線治療における唾液腺障害の軽減に使用されます。ただし、副作用として悪心や嘔吐が報告されています。

放射線治療の補助療法②:抗酸化サプリメント

ビタミンCやEなどの抗酸化サプリメントも放射線治療の補助療法として検討されています。ビタミンCは強力な抗酸化作用を持っており、放射線治療によって引き起こされる酸化ストレスを軽減する可能性があると考えられています。一部の研究では、ビタミンCの投与が正常細胞を保護し、副作用を減少させる可能性が示唆されています。

しかし、ビタミンCががん細胞にも同様の保護効果を与える可能性があり、治療の効果を減少させるリスクも指摘されています。、また、高用量のビタミンCを用いる場合の腎臓への負担やその他の副作用を考慮する必要があります。

さらに、水素吸入とビタミンCの抗酸化作用を比較した研究では、ビタミンCは体のエネルギーの生成に欠かせないミトコンドリアの新生を妨げる事が示唆されています1)

放射線治療の補助療法③:プロバイオティクス

プロバイオティクスも放射線治療の補助療法として期待を寄せられています。プロバイオティクスとは、腸内細菌の餌となるもので、食物繊維などがこれに含まれます。

プロバイオティクスは腸内環境を整える効果があることが言われており、放射線治療によって引き起こされる消化器系の副作用(例: 下痢、便秘、腹痛など)を軽減する可能性が示唆されています。また、腸内環境を整えることで免疫機能が改善する効果があることも期待されています。

水素吸入と補助療法の比較

上記の放射線治療の補助療法と水素吸入との違いをまとめると以下のようになります。

補助療法有効性副作用エビデンス
水素吸入様々な副作用軽減が示唆されている重大な副作用は特になし動物実験や小規模臨床試験で有望な結果。大規模臨床試験はまだ不足
アミフォスチン頭頸部がんの放射線治療における唾液腺障害の軽減に限定悪心や嘔吐などFDAに認可されており高い
抗酸化サプリメント一部で放射線治療の副作用軽減効果が示唆されているが、種類や投与量により効果は異なるがん治療の効果を減少させるリスクや腎臓への負担など一部のサプリメントで臨床試験あり。結果は混在しており、さらなる研究が必要
プロバイオティクス主に消化器系の副作用(下痢、便秘、腹痛など)の軽減一般的に高い安全性があるが、いくつか考慮すべき副作用やリスクありメタ分析で放射線治療による下痢の軽減効果が示されている。他の効果についてはさらなる研究が必要

これらの比較から、まだ研究段階ではあるものの水素吸入は安全性が高く、幅広い効果が期待されている補助療法として注目に値します。とはいえ、どの補助療法も一長一短があり、患者の個別の状況や治療計画に応じて、最適な選択をする必要があります。

放射線治療を受ける際は、これらの補助療法の使用について必ず担当医師と相談し、個々の状況に最適な方法を選択することが重要です。また、水素吸入を含む新しい補助療法については、今後のさらなる研究と臨床試験の結果に注目していく必要があります。水素吸入に関しての最新情報は当サイトで随時更新していきます。

後悔しない水素吸入器の選び方

後悔しない水素吸入器の選び方

現在、様々な水素吸入器が販売され、それぞれに特徴があり、どれが良いのか迷っている方も多いでしょう。

また、高い性能を持つ水素吸入器は数十万〜数百万円と高額なため、買った後に後悔しないか不安な人もいるでしょう。

そんな水素吸入器選びの際に失敗しないための9つのポイントは以下になります。

水素吸入器選びのポイント
  1. 水素発生量
  2. 連続稼働時間
  3. 騒音レベル
  4. 製品価格
  5. 維持費
  6. メンテナンスの内容
  7. 安全性
  8. 製品の耐久性
  9. 信頼性

これらのポイントをしっかり抑えて吸入器を選べば、大きな失敗は避けられるでしょう。

それぞれのポイントで具体的にどういった内容を見ればよいのかなどの詳しい解説については、以下の記事で解説しています。ぜひご参考ください。
>> 後悔しない!水素吸入器の選び方を徹底解説

放射線治療中に水素吸入を取り入れる際のポイント

放射線治療中に水素吸入を取り入れる際のポイント

放射線治療中に水素吸入を補助療法として取り入れる際は、以下のポイントに注意することで、より効果的かつ安全に実施できるので、ぜひご参考ください。

ポイント①:医師との相談と承認を得る

水素吸入を始める前に、必ず担当の主治医と相談し、承認を得ることが重要です。

これまでに治療の効果を下げるなどの報告はされていませんが、現状の治療と水素吸入の相性を確認しておくようにしましょう。医師は患者さんの個別の状況を考慮し、水素吸入が適切かどうかを判断できます。

ポイント②:十分な水素量と吸入時間を確保する

水素吸入を最大限活かすためには、適切な水素発生量と十分な吸入時間が重要です。

放射線治療の副作用軽減に対しての最適な水素発生量はまだ確立していませんが、発生量が多いほど期待値も高くなると考えています。人を対象とした研究では200〜2000ml/分以上の水素発生量を持つ機器が用いられています。なので、最低でも200ml/分以上の機器を用いることをおすすめします。

また、吸入時間についても長いほどよいと考えています。研究によってまちまちですが、30分〜数時間の研究が多組み受けられます。上記で紹介した水素吸入をがん治療に取り入れられている医師たちは、1~2時間ほどの水素吸入を取り入れているようです。なので、せめて1時間ぐらいは毎日取り入れることを検討するのが良いでしょう。

ポイント③:水素吸入だけに頼らず統合的に取り組む

水素吸入は、放射線治療の副作用軽減の面で期待は寄せられているものの、まだ研究段階であり確実に効果があるといえる段階ではありません。

がんとの闘病中に限らず、健康の維持には適切な食事、睡眠、運動が欠かせません。こういった観点の改善も取り組みながら、それのプラスアルファとして水素吸入を位置づけて取り入れていくのが最大限良い結果になるためには、必要不可欠でしょう。

また、上記で紹介した抗酸化サプリやプロバイオティクスなど他の補助療法も医師と相談の上、取り入れていくことも検討してもよいでしょう。

ポイント④:体調変化に注意し経過観察を怠らない

水素吸入自体の副作用は報告されていませんが、体調の変化には常に注意を払うことが大切です。

気分が悪くなったり、異常を感じたりした場合は直ちに使用を中止し、医師に相談すること。また、定期的に血液検査や画像診断を受け、治療の進行状況を確認することは必ず行うようにしましょう。

水素吸入と放射線治療に関するユーザーの体験談

すいかつねっとに寄せられた水素吸入を活用した方の体験談を、以下でいくつかご紹介します。

※効果・効能を保証するものではありません。

  • 匿名男性プロフィール

    S.マサト|60代男性

    私が膵臓がんと診断された時、絶望したのを今でも覚えています。伝統的な治療法である手術、化学療法、そして放射線療法を経験する中で、私は身体だけでなく心のケアも同じくらい重要だと痛感しました。この苦しい時期に、私が見つけ出したのが水素吸入です。
    最初に水素吸入を知った時、その効果について半信半疑でしたが、何かしらのプラスになればと思い試してみることにしました。治療を始めて数週間が経過した頃、私は自分の体調に小さながらも確かな変化を感じ始めました。放射線による副作用が徐々に軽くなり、特に疲れやすさが減少しました。夜の睡眠の質も改善し、朝の目覚めが以前とは違い、ずっと良くなりました。
    私は、水素吸入が膵臓がんそのものに劇的な影響を及ぼすことは期待していませんでしたが、治療過程での身体的、精神的な負担の軽減には、一定の効果があることを実感しました。水素吸入に出会えて良かったです。

放射線治療と水素吸入に関するよくある質問

放射線治療と水素吸入に関するよくある質問

水素吸入と放射線治療に関してよく寄せられる質問とその回答について、以下にまとめてみました。

Q: 水素吸入はいつから始めるべきですか?

A: 理想的には放射線治療の開始と同時に、もしくは治療開始前から水素吸入を始めることが望ましいです。これは、水素の保護効果を最大限に活用するためです。

ただし、治療途中からでも効果が期待できるので、主治医と相談の上、できるだけ早く開始することをお勧めします。

Q: 水素吸入は放射線治療の効果を妨げませんか?

A: 現在のところ、水素吸入が放射線治療の抗腫瘍効果を妨げるという報告はありません。むしろ、水素は選択的に有害な活性酸素種を除去し、正常細胞を保護しながら、がん細胞を縮小させる効果もあるのでは?と期待が寄せられています。

ただし、個々の症例で異なる可能性があるため、必ず主治医と相談し、経過観察をしっかりと行ってください。

Q: 水素吸入の効果はどのくらいで実感できますか?

A: 効果の実感は個人差が大きく、即効性を感じる方もいれば、徐々に効果を感じる方もいます。

一般的に、疲労感の軽減や皮膚症状の改善などは比較的早く(数日〜数週間)感じられることが多いですが、長期的な副作用の軽減効果は数ヶ月単位で評価する必要があります。

Q: 水素吸入は保険適用されていますか?

A: 現在、水素吸入療法は保険適用外の治療法です。そのため、費用は全額自己負担となります。

ただし、一部の医療機関では臨床研究の一環として無料や低価格で提供している場合もあります。

もし通っている病院で水素吸入が行えない場合はお近くの水素吸入を提供しているサロンやクリニックを活用するとよいでしょう。水素吸入が行える施設の一覧を以下にまとめているので、ぜひご参考ください。
>> 【都道府県別】水素吸入ができる施設一覧

Q: 水素吸入と他の補助療法(サプリメントなど)を併用しても大丈夫ですか?

A: 多くの場合、水素吸入と他の補助療法の併用は可能です。水素は副作用が少なく、他の治療法との相互作用も報告されていません。

ただし、安全性を確保するために、使用しているすべての補助療法について主治医に報告し、承認を得るようにしてください。

Q: 放射線治療が終わった後も水素吸入を続ける必要がありますか?

A: 放射線治療後も水素吸入を続けることで、晩期の副作用軽減や全般的な健康維持に役立つ可能性があります。特に治療終了後3〜6ヶ月程度は継続することをお勧めします。

ただし、継続期間については個々の状況に応じて主治医と相談して決定してください。

Q: 水素吸入にはどんな副作用がありますか?

A: 水素吸入療法は一般的に安全性が高く、重大な副作用は報告されていません。まれに、一時的な軽い頭痛やめまいを感じる方もいますが、これらは通常すぐに消失します。

しかし、何か異常を感じた場合は直ちに使用を中止し、医師に相談してください。

より詳しい水素吸入の副作用や安全性については、以下の記事をご参考ください。
>> 【医師監修】水素吸入療法にリスクや副作用はある?各国の規制は?

Q: 自宅で水素吸入を行う場合、どのような点に注意すべきですか?

A: 自宅で水素吸入を行う際は、以下の点に注意してください。

自宅で水素吸入をする際の注意点
  • 信頼できるメーカーの機器を選択する
  • 使用説明書をよく読み、適切に使用する
  • 定期的にメンテナンスを行う
  • 換気の良い場所で使用する

Q: 放射線治療の副作用軽減におすすめの水素吸入器は?

A: どれくらいのスペックがあれば放射線治療の副作用軽減に対して効果があるのかについては、まだ研究段階であります。ただ、当サイトのスタンスとしては水素発生量は200ml/分以上、稼働時間が2時間以上と長い吸入器をおすすめしております。

その他、水素吸入器を選ぶ際のポイントについては以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
>> 後悔しない!水素吸入器の選び方を徹底解説

まとめ:放射線治療の補助治療として注目される水素吸入

今回は水素吸入と放射線治療の副作用軽減をテーマに様々なことをお伝えしてきました。

まだ研究段階ではあるものの、水素吸入には放射線治療の補助療法として大きな可能性が秘められており、今回ご紹介したように実際に医療機関でも活用されている事例があります。他の放射線治療の補助療法と比べても水素吸入は安全性が高く、高い効果が期待されています。

とはいえ、水素吸入はあくまでも補助療法であることを念頭に置いておきましょう。標準治療をベースにがんと闘いながら、その副作用を軽減し適切な治療を続けるための位置づけであることを忘れないでください。

放射線治療中で水素吸入を取り入れる際は今回ご紹介した注意点やポイントを抑えながら、医師と相談し最適な結果を得られるようにしましょう。今後も最新情報が入れば、当サイトで紹介していきます。

水素吸入療法が、より多くのがん患者さんの治療選択肢の一つとなり、苦痛の軽減と治療成績の向上に貢献することを願っています。

参考文献
  1. Chaoqun, L., Yuqi, Z., Shi, Z., Zhenghui, Y., & Li, W. (2021). A Comparison of the Antioxidant Effects Between Hydrogen Gas Inhalation and Vitamin C Supplementation in Response to a 60-Min Treadmill Exercise in Rat Gastrocnemius Muscle. Frontiers in physiology12, 745194. https://doi.org/10.3389/fphys.2021.745194

この記事は役に立ちましたか?

役に立ったら、下のボタンで教えてください。

関連記事

新着記事
会員限定
おすすめ
PAGE TOP
ログイン 会員登録
会員登録

\水素吸入に関する無料相談受付中!/

お友だち追加

\水素吸入に関する無料相談受付中!/

LINEお友だち追加