近年、美容業界で話題を集める「水素化粧水」。
美容効果に期待が寄せられるものの、本当に肌に良い変化をもたらすのでしょうか。
本記事では、科学的根拠から実際の利用者の声まで、最新情報をもとに水素化粧水を徹底解説。メリット・デメリット両面にしっかり触れながら、賢い活用法や注意点についてもわかりやすくご紹介します。
《この記事の執筆者》

当サイト「すいかつねっと」の運営者。3年前に水素の可能性に魅了され、日々独自に探求する水素健康アドバイザー。主に海外の論文をもとに水素を研究し、より多くの人が水素を活用して幸せになれればと情報を発信。
そもそも「水素化粧水」とは?

水素化粧水とは、その名の通り、「水素」を溶け込ませた化粧水です。
水素水(水素を多く含んだ水)をベースとして、他の成分を配合しているのが一般的です。製品によって、水素水自体にナノバブル技術を使ったり、「水素イオン水」を使ったりして、水素濃度や保持力を高める工夫がされていることもあります。
なぜ化粧水に「水素」を配合する?
水素は、美肌の天敵とも言える「活性酸素」を除去する作用がある成分として注目されています。1)
私たちの肌は、紫外線やストレス、大気汚染などで活性酸素が増えると「サビる(酸化する)」と言われ、これがシミやシワ、くすみなどの原因になります。
水素は、この「サビ」の原因である活性酸素に直接アプローチできる成分なのです。
水素化粧水に期待される「効果」は本当?

水素の抗酸化作用により、水素化粧水には以下のような効果が期待されています。
- シミ・くすみのケア
- シワ・たるみの予防
- ニキビ・肌荒れのケア
- 乾燥肌・毛穴目立ちの改善
これらの肌悩みの多くは、活性酸素による「酸化」が引き金となっているためです。水素が活性酸素を除去できれば、美肌につながる可能性があります。
ただし、2025年現在、「水素化粧水を塗布すること」でこれらの美容効果を明確に実証した、質の高い研究論文はまだ非常に限られているのが実情です。
一方で、水素水を飲むこと(飲用)や水素ガスを吸うこと(吸入)による健康・美容効果の研究は進んでいます。そのため、水素化粧水も「理論上は期待できる」ものの、効果はまだ発展途上であり、過度な期待は禁物と言えます。
水素水や水素ガス吸入については、後述する「より効果的に水素を美容に活用する方法」で取り上げて解説します。
水素化粧水のデメリット・注意点3つ

では、ここで水素化粧水の知っておくべきデメリットと注意点を3つ解説します。
①エビデンスの不足
最大のデメリットは、美容効果に関する科学的根拠(エビデンス)がまだ確立されていない点です。
前述の通り、「水素化粧水」によって肌のシミやシワが改善したという直接的な臨床研究は、現時点ではほとんど見当たりません。水素水を顔に塗布する小規模な研究2)は存在しますが、これは電解水素水を用いたものであり、市販されている多様な「水素イオン水」や「ナノバブル水素水」で同様の効果が得られるかは不明です。
そのため、「必ず効果が出る」とは言い切れず、個人の使用感に頼る部分が大きいのが現状です。
②水素が残っているかどうか不明瞭
水素は非常に小さく軽い分子のため、水から非常に抜けやすい(揮発しやすい)性質があります。
製品が製造された時には水素が十分に含まれていても、私たちが使う瞬間にどれだけ残っているか、不明瞭な場合があります。過去には、飲む「水素水」で国民生活センターが調査した際、表示通りの水素が含まれていない製品や、開封後数時間で水素が抜けてしまうことが報告されています。3)
水素化粧水は水素を溶け込ませた水素水ベースで作られていることも多いため、こうした水素水と同様の問題が起こり得ると考えられます。そのため、開封後の保存状態や使用過程で水素が抜けていないか、その対策がどうなっているかは消費者には分かりにくいという懸念点があります。
③通常の化粧水よりも高額
水素化粧水は、一般的な保湿化粧水と比較して高額な製品が多い傾向にあります。
一般的な保湿化粧水の場合、ドラッグストアなどで1,000〜2,000円程度(150ml前後)でも十分な品質のものが買えます。一方、水素化粧水の場合、5,000円〜8,000円台(100ml前後)の製品も珍しくありません。
継続して使用していく上では、コストがかかる点には注意が必要と言えるでしょう。先述の「エビデンス不足」や「水素残存の不確かさ」も考慮し、じっくりと検討するべき要素と言えます。
水素化粧水のメリット4つ

もちろん、デメリットばかりではありません。水素化粧水ならではのメリットも存在します。
ここでは、水素化粧水のメリットを4つご紹介します。
①不要な添加物が少ない
水素化粧水の中には、シンプルな成分構成にこだわった製品が多いです。
水素の働きを主軸に置いているため、余計な成分を配合する必要性が低いのかもしれません。製品によりますが、界面活性剤、パラベン(防腐剤)、アルコール、香料、着色料などを不使用とうたっているものが多く見られます。
肌への負担を最小限にしたい方には大きなメリットと言えるでしょう。
②敏感肌の人でも使いやすい
①とも関連しますが、刺激を感じにくい製品が多く、敏感肌の方でも試しやすい選択肢となり得ます。
水素自体は、私たちの体内でも腸内細菌が作り出しているほど身近なもので、刺激物ではありません。レチノールや高濃度ビタミンCなど、効果は高いものの刺激が出やすい美容成分が合わなかった人にとって、「守り(抗酸化)」のケアとして取り入れやすいです。
③日常のルーティンとして取り入れやすい
特別な手間なく、毎日のスキンケアに組み込める手軽さは大きなメリットです。
どんなに良い成分でも、続けるのが面倒では意味がありません。すでに毎日化粧水を使う習慣がある人も多いでしょうから、今使っている製品を水素化粧水に置き換えるだけで済みます。美容液やクリームを追加するのではなく、「いつものケア」の中で抗酸化対策ができるのは魅力的です。
④乳液やオイルが不要な場合もある
製品によっては、保湿成分がしっかり配合されており、オールインワンのように使えるものもあります。
水素だけでなく、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分を組み合わせている製品の場合、1本でスキンケアが完結することがあります。化粧水の後に使う乳液や美容オイルが不要になれば、結果的にスキンケア全体の時間短縮(時短)にもつながります。
水素化粧水の口コミを徹底調査
実際に水素化粧水を使用した人はどう感じているのでしょうか?
オンラインショップや口コミサイトから、良い点と悪い点の両方を公平に集めました。
ポジティブな口コミ
良い口コミでは、「肌なじみが良い」「さっぱりするのに潤う」といった使用感に関する声が見られました。
さらっとした化粧水ですが、しっとり保湿され乾燥しにくいと思います。
楽天市場
今までのスキンケアは、肌にのせている間は潤っている気がする感じでしたが、この水素化粧水は、まるで肌の質が変わったかのような感覚になります。
楽天市場
圧倒的に肌に吸い付いてくれる感覚になり保水感が強いので助かっています!
楽天市場
顔は今まで化粧水の後にジェルをぬっていましたが、これ一本でモチモチフワフワになりジェルが不要なくらいです。
楽天市場
水素自体に保湿力はありませんが、ベースとなる水や配合されている保湿成分の質が良い製品があるためと考えられます。特に、保湿面での効果を実感している方が多く見られました。
ネガティブな口コミ
一方、ネガティブな口コミでは「効果がわからない」という意見がいくつか見られました。
私には良さが分かりませんでした。
@cosme
高評価のクチコミが多いので、合う人にはきっと素晴らしい効果を感じられる物だと思います。
付けてもつけなくても変化を感じられなかったです…柔らかい細かな水がスプレーから出てきて使いやすいけども変化はない
@cosme
これ1本では肌はとても潤いません。
@cosme
これは、デメリットで挙げた「エビデンス不足」や「水素が抜けている可能性」と直結する問題と考えられます。シミやシワへの劇的な変化を期待して購入すると、「この値段でこの程度か」と期待外れに終わる可能性も否めません。
より効果的に水素を美容に活用する方法
実は、水素化粧水以外でも、水素の「抗酸化力」を美容に活かす方法はあります。
ここでは、水素を美容活用するためのおすすめの方法を3つ紹介します。
①作りたての水素水の塗布もおすすめ
水素化粧水の「水素が残っているか不安」という問題を解決する最も簡単な方法は、「作りたての水素水」を直接肌に塗布することです。
水素水生成器が自宅にあれば、水素が抜ける前に使用できるため、最も高濃度の状態で肌に届けられます。水素水は本来飲用するものですが、洗顔に使ったり、洗顔後に少し顔に馴染ませたりなど、いろいろな活用ができます。
2025年の研究では、水素水を直接顔に塗布することでシミや毛穴の改善が見られたとの報告もあります。2)
これなら水素濃度を確実に担保でき、コストも(初期投資を除けば)安価です。ただし、保湿成分は入っていないため、その後の保湿ケアは必須です。
②水素ガス吸入(水素吸入)

最も効率的かつエビデンスが豊富な方法が「水素吸入」です。
呼吸によって直接水素ガスを体内に取り込むため、肌表面だけでなく、血流に乗って全身の細胞に水素を届けることができます。美容クリニックや専門サロンで利用できるほか、家庭用の水素吸入器も普及しています。過去には先進医療Bとして承認されていた実績もあり、安全性やエビデンスは他の方法より確立されています。
肌だけでなく、根本的なエイジングケアを行いたい人には最適な方法と言えます。
③水素風呂(水素入浴)

全身の肌から水素を取り込める「水素風呂」も非常に効果的な方法です。
水素は皮膚からも吸収されることが分かっており、入浴によって全身の皮膚、そして呼吸からも水素を取り込むことができます。入浴剤タイプの水素発生剤や、浴槽に設置するタイプの水素風呂生成器があります。いくつかの研究では、水素入浴による肌の水分量改善やシワの改善などが報告されています。4)
顔だけでなく、背中やデコルテなど全身の肌ケアをしたい人、リラックスしながらケアしたい人におすすめです。

水素化粧水に関するよくある質問
最後に、水素化粧水に関してよくある疑問にお答えします。
Q1. 「水素分子(H2)」と「水素イオン(H+)」の違いとは?
この2つは全くの別物です。美容や健康での「抗酸化」を期待する水素は「水素分子(H2)」のことです。
「水素分子(H2)」は、電気的に中性で安定しており、活性酸素と結びついて無害な水(H2O)に変える働きを持ちます。一方、「水素イオン(H+)」は、物質の「酸性・アルカリ性(pH)」を決めるものです。H+が多いほど酸性になります。
「水素イオン化粧水」とうたう製品は、実際には「水素分子(H2)」を含んでいるか、あるいは「酸性水」のピーリング効果(肌表面の古い角質除去)や収れん効果を狙っている可能性があります。抗酸化を期待するなら「水素分子」と明記されたものを選ぶべきです。
Q2. 「飲む水素水」と「塗る水素化粧水」はどう違う?
アプローチする場所が「体の内側」か「肌の外側(表面)」か、という違いがあります。
「飲む水素水」は、主に消化器系から吸収され、血流に乗って全身の臓器や細胞に水素を届けることを目的としています。
一方、「塗る水素化粧水」は、肌の表面(角質層)に直接水素を届け、紫外線や外気によって発生した肌の活性酸素にピンポイントでアプローチすることを狙っています。
両者は役割が異なるため、どちらが良いというものではありません。本気で活用を考えるなら、内側からの「飲用」や「吸入」と、外側からの「塗布」を併用するのが理想的です。
まとめ:水素化粧水は「期待」と「懸念」を理解して選ぶことが重要
水素化粧水は、肌トラブルの原因である活性酸素にアプローチできる、新しいエイジングケアの選択肢です。
低刺激で敏感肌でも使いやすい製品が多い一方、「美容効果のエビデンス不足」「水素が抜けやすい懸念」「高コスト」といった明確なデメリットも存在します。口コミでも「効果がわからなかった」という声があり、過度な期待は禁物です。
もし水素の力をより効果的に美容に取り入れたいのであれば、自宅で「作りたての水素水」を塗布したり、「水素吸入」や「水素風呂」といった、よりエビデンスが豊富な方法を検討するもおすすめです。
参考文献
- Ohsawa, I., Ishikawa, M., Takahashi, K. et al. Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals. Nat Med 13, 688–694 (2007). https://doi.org/10.1038/nm1577
- Debkowska, N., Niczyporuk, M., Surazynski, A., & Wolosik, K. (2025). Topically Applied Molecular Hydrogen Normalizes Skin Parameters Associated with Oxidative Stress: A Pilot Study. Antioxidants (Basel, Switzerland), 14(6), 729. https://doi.org/10.3390/antiox14060729
- 容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」|独立行政法人国民生活センター
- Tanaka, Y., & Miwa, N. (2022). Repetitive Bathing and Skin Poultice with Hydrogen-Rich Water Improve Wrinkles and Blotches Together with Modulation of Skin Oiliness and Moisture. Hydrogen, 3(2), 161-178. https://doi.org/10.3390/hydrogen3020011










