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【医師監修】水素吸入療法は大腸がんの予防や改善に効果はある?

【医師監修】水素吸入療法は大腸がんの予防や改善に効果はある?

2022年における大腸がんでの死亡者数を部位別に見ると、男性では2位、女性では1位となっており、大腸がんは最も注意すべきがんの1つです1)

この大腸がんに対して近年注目を集めているのが、水素を鼻から吸って体内に取り入れる水素吸入療法です。

本記事では、水素吸入療法が大腸がんの予防や改善に効果があるのかについて、これまでの研究データをもとに詳しく解説していきます。

なお、大腸がん以外のがん種との関係については、『水素吸入と「がん治療」の最前線まとめ』をご覧ください。

《この記事の執筆者》

《▼YouTube動画版での解説▼》

大腸がんはどんな病気?

大腸がんは、大腸に発生するがんのことです。良性のポリープががんになるタイプと大腸の粘膜から発生するタイプに分けられます。

日本では大腸がんの発生率が高く、女性では最も死亡数が多いがんとなっています。

男性も肺がんに次いで大腸がんで亡くなる方が多く、男女とも注意しなければならないがんの一つです1)

まずは、大腸がんの特徴について詳しく見てみましょう。

大腸がんの主な原因

大腸がんは、喫煙、過度な飲酒、肥満などの乱れた生活習慣が発症のリスクを高めると考えられています。食生活の乱れも大腸がんの引き金となることが分かっており、特にハムやベーコンなどの加工肉や赤肉の過剰摂取は大腸がんの原因になるとされています。

また、大腸がんは遺伝が関わっているケースも少なくありません。血族の中に大腸がんを発症した方がいる場合は注意が必要です2)。その他、大腸に慢性的な炎症を引き起こす潰瘍性大腸炎やクローン病などの病気も大腸がんの引き金になることがあります。

大腸がんの主な症状

大腸がんは早期段階ではほとんど自覚症状はありません。しかし進行すると以下のような症状が現れるようになります。

大腸がんの症状
  • 便に血液が混じる
  • 便が細くなる
  • 便秘や下痢になりやすくなる

また、がんの病変部からは出血が生じやすいため、進行するとめまいや動悸などの貧血症状を伴うことも。さらに進行すると周囲のリンパ節や腹膜、肝臓や肺などの臓器に転移を引き起こし、全身にさまざまな症状が現れるようになります3)

大腸がんは早期段階で発見されて治療を受ければ5年生存率は97.3%と高く治る見込みが高いがんです。しかし、進行して転移があるような場合では5年生存率は20%以下となるため、早期発見と早期治療が重要となります4)

大腸がんの標準的な治療

大腸がんの標準的な治療方法は進行度や全身のコンディションによって異なります

ごく早期の場合には内視鏡による切除手術が可能です。一方、がんが粘膜の下にある筋肉の層に達しているような場合には手術によるがんの切除が必要です。

また、がんが進行して肺や肝臓への転移がある場合には状態に合わせて大腸のがんと転移したがんを両方とも切除したり、手術ができないケースでは抗がん剤や放射線治療を行ったりします5)

水素吸入は大腸がんの予防・改善に効果はある? 

大腸がんは早期段階で発見できれば治る見込みが高いがんです。しかし、早期段階では自覚症状がほとんどないため、残念ながら進行した段階で初めて発見される方も少なくありません。また、進行した状態で発見された場合は治療が難しいケースも多く、5年生存率は低くなります。

大腸がんの予防や治療方法については現在もさまざまな研究が重ねられています。近年の研究では、水素が大腸がんの予防や改善に役立つ可能性があることを示唆する結果も報告されました。

大腸がんと水素にはどのような関係があると考えられるのか、詳しく見てみましょう。

大腸がんの予防の可能性

大腸がんの予防と水素吸入を直接的に調べた研究報告はまだありませんが、いくつか関連する研究で予防の可能性が示唆されています。

活性酸素を抑制して予防できる可能性

2024年2月に報告された研究結果では、腸内細菌の一種である「アクチノマイセス・オドントリティカス」が大腸がんの発症に関わっていることが明らかとなりました6)

この腸内細菌は、元々大腸がん患者の便の中に多く含まれることが分かっており、この研究によって大腸がんの発症を促していることが同定されたのです。

具体的には、この腸内細菌が大腸粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、さらに活性酸素を増やして細胞のDNAを傷つけていることが明らかになりました。

つまり、腸内細菌による活性酸素を抑えられれば大腸がんの発症リスクを下げられる可能性があると言えます。

活性酸素を除去する方法はさまざまありますが、水素吸入もその一つです。確実な予防効果があるとは言えませんが、水素吸入が大腸がんの予防に役立つ可能性は否定できないでしょう。

大腸粘膜の炎症を鎮めて予防につながる可能性

また、大腸がんの発症リスクを高める要因はたくさんあります。上述したように潰瘍性大腸炎やクローン病など慢性的に大腸の粘膜に炎症が生じる病気も大腸がんの引き金になります。

2022年10月に報告された研究結果によれば、水素水(水素ガスを溶かした水)を飲用すると潰瘍性大腸炎やクローン病による大腸粘膜の炎症を鎮める可能性があるとのこと。結果的に大腸がんを予防できる可能性が示唆されました7)

大腸がんと水素吸入の関係はまだ解明されていない部分も多いですが、2つの研究結果から水素吸入は活性酸素を減らしたり、大腸粘膜の炎症を鎮めたりすることで大腸がんの予防効果を持つ可能性があると言えます。今後のさらなる究明と応用が期待されます。

大腸がんの治療に役立つ可能性

大腸がんの治療の基本は手術によるがんの切除です。

しかし、進行度や全身のコンディションによっては手術ができなかったり、手術後の再発を予防したりするために抗がん剤治療を行うケースがあります。抗がん剤治療は大腸がん治療でも大きな役割を占める治療法と言えるのです。

2015年に行われた研究では、水素水は大腸がんに対して使用される5-フルオロウラシルという抗がん剤の効果を高めることが明らかとなりました8)

また、この研究では水素水自体ががん細胞の死滅を促すことも明らかにされ、水素水と5-フルオロウラシルを併用することで大腸がんを抑制できる可能性があると結論付けられました。

もちろん、確実に水素が大腸がんを治すと言い切ることはできませんが、この研究では大腸がん治療で水素が重要な役割を持つ可能性が示唆されたのです。今後さらに研究が進み、大腸がん治療に応用できるようになることを願います。

【私はこう考える】水素吸入と大腸がん

大腸がんは日本人が発症しやすいがんの一つです。早期段階で治療ができれば治る見込みが高いがんですが、自覚症状が少なく進行した状態になって発見されるケースも少なくありません。

大腸がんの予防や治療方法は現在もなお多くの研究が行われており、近年では水素が予防や治療に役立つ可能性を示唆する結果が報告されています。今回ご紹介した3つの研究結果からも水素が大腸がんの予防、治療によい影響を与える可能性が示唆されました。

現時点では、水素吸入が明らかに大腸がんの予防や治療に役立つと断言することはできません。しかし、予防や治療に役立つ可能性も示唆されており、自宅でも気軽にできる水素吸入を予防や改善の補助的な手段として取り入れるのもよいでしょう。

ただし、水素吸入を継続する場合でも、定期的ながん検診や医師に指示された治療は必ず受けるようにしましょう。

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