研究論文
Hydrogen-Rich Gas Enhanced Sprint-Interval Performance: Metabolomic Insights into Underlying Mechanisms(水素豊富ガスがスプリントインターバルパフォーマンスを向上させる:メタボロミクス解析によるメカニズムの解明)

水素吸入はスプリントインターバルパフォーマンスを向上させる

一言まとめ

健康な成人男性10名を対象に、水素吸入がスプリントインターバルトレーニング(SIT)のパフォーマンスに与える影響をメタボローム解析で調査。水素吸入後のSITで疲労軽減と後半スプリントの能力向上を確認され、この効果は脂肪酸の代謝促進と酸化ストレスの軽減によるものであることが明らかになった。

3分で読める詳細解説

結論

水素吸入はスプリントインターバルトレーニングのパフォーマンスを向上させ、疲労を軽減する可能性がある。

研究の背景と目的

高強度運動は活性酸素種(ROS)の大幅な増加を引き起こし、酸化ストレスによる疲労や運動パフォーマンスの低下を招く。水素は有害な活性酸素を選択的に除去する特性を持つ。本研究は、水素吸入がスプリントインターバル運動のパフォーマンスに与える影響とそのメカニズムをメタボローム解析で探ることを目的とした

研究方法

健康な成人男性10名(23.6±2.2歳)を対象に、クロスオーバーデザインで実験を実施。各被験者は、60分間の水素吸入またはプラセボ吸入後にウィンゲートスプリントインターバルテスト(SIT)を実施。SITは30秒間の全力スプリントを4回、4.5分間の休息を挟んで行う。水素は30mL/sの水素・酸素混合ガス(比率2:1)を経鼻カニューレで供給。血液サンプルを吸入前後とSIT後に採取し、メタボローム解析を実施。

研究結果

  • 水素吸入後のSITで、4回目のスプリントの平均パワー(MP)が有意に向上(6.32±0.74 W/kg vs 5.73±0.77 W/kg, p=0.029)。
  • 疲労指数(FI)が有意に低下(65.3±12.3% vs 75.2±14.4%, p=0.001)。
  • ピークパワー到達時間(TTP)が有意に短縮(4.72±2.62 s vs 9.10±4.00 s, p=0.005)。
  • 1回目と4回目のスプリント間の平均パワー低下が有意に抑制(-2.02±0.97 W/kg vs -2.77±1.00 W/kg, p=0.006)。
  • メタボローム解析により、水素吸入後にアセチルカルニチン、プロピオニル-L-カルニチン、ヒポキサンチン、キサンチンが有意に上昇。
  • パスウェイ解析から、水素吸入が脂肪動員を促進し、コエンザイムA合成を強化、グリセロリン脂質代謝を促進、インスリンレベルを抑制する可能性を示唆。
  • 水素吸入がミトコンドリアの脂質代謝を促進し、脂肪酸のβ酸化を加速させてATP産生を増加させる可能性を示唆。

Appendix(用語解説)

  • スプリントインターバルトレーニング(SIT): 短時間の高強度運動と休息を繰り返すトレーニング方法。
  • メタボローム解析: 生体内の代謝物質を網羅的に解析する手法。
  • 活性酸素種(ROS): 酸素から生成される反応性の高い分子で、過剰だと細胞に悪影響を与える。

論文情報

タイトル

Hydrogen-Rich Gas Enhanced Sprint-Interval Performance: Metabolomic Insights into Underlying Mechanisms(水素豊富ガスがスプリントインターバルパフォーマンスを向上させる:メタボロミクス解析によるメカニズムの解明)

引用元

Dong, G., Liu, H., Chen, Y., Bao, D., Xu, W., & Zhou, J. (2024). Hydrogen-Rich Gas Enhanced Sprint-Interval Performance: Metabolomic Insights into Underlying Mechanisms. Nutrients16(14), 2341. https://doi.org/10.3390/nu16142341

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