一言まとめ
放射線治療後の鼻咽頭癌患者において、4週間の水素吸入治療は、耳管機能障害のスコアと気導および骨導の聴力閾値を有意に改善した。
3分で読める詳細解説
結論
水素吸入は鼻咽頭癌治療後の難聴改善に有望なリハビリ療法である。
研究の背景と目的
鼻咽頭癌(NPC)は頭頸部の悪性腫瘍の中でも一般的であり、主に放射線治療や化学療法と放射線治療の併用で治療される。治療後の長期生存者では、聴覚系の損傷が避けられず、難聴が一般的な後遺症となっている。これまで有効な治療法は確立されておらず、本研究は水素吸入療法がこれらの患者の聴力改善に有効かどうかを評価することを目的とした。
研究方法
研究結果
Appendix(用語解説)
- 耳管機能障害スコア(ETDQ-7): 耳管機能の評価に使用される7項目の質問票。高いスコアは症状が重いことを示す。
- 気導閾値: 外耳から内耳に至る音の伝達の測定値。数値が低いほど聴力が良好。
- 骨導閾値: 頭蓋骨を通じて内耳に音を伝える測定値。数値が低いほど聴力が良好。
- ティンパノグラムスコア: 中耳の圧力と鼓膜の動きを測定する検査。高いスコアは異常を示す。
論文情報
タイトル
Effect of Hydrogen Inhalation Therapy on Hearing Loss of Patients With Nasopharyngeal Carcinoma After Radiotherapy(放射線治療後の鼻咽頭癌患者における難聴に対する水素吸入療法の効果)
引用元
Kong, X., Lu, T., Lu, Y. Y., Yin, Z., & Xu, K. (2022). Effect of Hydrogen Inhalation Therapy on Hearing Loss of Patients With Nasopharyngeal Carcinoma After Radiotherapy. Frontiers in medicine, 9, 828370. https://doi.org/10.3389/fmed.2022.828370
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