一言まとめ
後天性弁膜疾患の患者に対する心肺バイパス手術の際に、麻酔成分として水素分子(H2)を投与することで、赤血球機能の改善および術後経過が良好となることがわかった。
1分で読めるまとめ
結論
水素分子によって赤血球機能の改善および術後経過が良好となる。
研究ハイライト
以下、論文内に掲載されていた図について解説。
全ての図表に共通して、Research GroupはH2投与グループ、Control Groupは非投与グループを指す。
なお、横軸が測定のタイミングを示す場合、第1段階:麻酔導入直後、第2段階:CPB開始前;第3段階:CPB終了直後;第4段階:手術24時間後での数値。
Figure2

左列は、動脈血におけるATP及び2,3-DPGの数値。右列は、静脈血におけるATP及び2,3-DPGの数値。
Figure3

左列は、動脈血におけるATP及び2,3-DPGの数値。右列は、静脈血におけるATP及び2,3-DPGの数値。
Table1

表の上半分は、H2投与グループに於ける、ジエン共役体、トリエン共役体、及びシッフ塩基の動態が、動脈血及び静脈血について示される。
表の下半分は、非投与グループに於ける、ジエン共役体、トリエン共役体、及びシッフ塩基の動態が、動脈血及び静脈血について示される。
Figure4

左列は、動脈血におけるMDA濃度及びカタラーゼ活性。右列は、静脈血におけるMDA濃度及びカタラーゼ活性。
Figure5

心筋停止後の心臓活動回復の特徴。
Table3

心臓活動の機能的指標として、手術後1日目、2日目、及び3日目に対し、左室分画短縮率、拡張末期容積/体表面積(mL/m2)、左室収縮期容積/体表面積(mL/m2)を示す。
論文情報
タイトル
Molecular hydrogen exposure improves functional state of red blood cells in the early postoperative period: a randomized clinical study(水素分子の曝露は術後早期の赤血球の機能状態を改善する:無作為化臨床試験)
引用元
Deryugina, A. V., Danilova, D. A., Brichkin, Y. D., Taranov, E. V., Nazarov, E. I., Pichugin, V. V., Medvedev, A. P., Riazanov, M. V., Fedorov, S. A., Andrej, Y. S., & Makarov, E. V. (2023). Molecular hydrogen exposure improves functional state of red blood cells in the early postoperative period: a randomized clinical study. Medical gas research, 13(2), 59–66. https://doi.org/10.4103/2045-9912.356473
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