基礎知識
【徹底解説】水素療法の種類について|一番効果的なのは?

5つの水素療法とメリット・デメリット|一番効果的なのは?

水素の抗酸化作用が美容や健康に役立つとして、近年様々な水素療法が出てきています。

一大ブームとなった「水素水」をはじめ、水素ガスを吸う「水素吸入」や水素が溶けた水に入浴する「水素風呂」など実に多種多様で、どれが良いのか迷っている方も多いでしょう。

そこで本記事では、それぞれの水素療法の特徴とメリット・デメリットについて解説し、どれを取り入れるべきかのおすすめについてもお伝えします。これから水素を健康や美容に活用しようとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

《この記事の執筆者》

水素療法とは?注目される理由

水素療法は、健康や美容に役立てること目的として、体内に水素を取り入れる療法のことを指します。

水素には老化や不調の原因とされる「悪玉活性酸素」のみに反応する性質があることが研究で報告1)されています。

そのため、水素を体内に取り入れることで、老化予防や健康増進、美容効果が期待され、現在も多くの研究が進められています。

こうした有用性から、アスリートや芸能人、美容・健康意識の高い人々の間でも、水素を取り入れる動きが広がっています。

5種類の水素療法とメリット・デメリット

現在、水素を取り込むため療法は、主に以下の5つがあります。

水素療法の種類一覧
  1. 水素吸入
  2. 水素水
  3. 水素風呂
  4. 水素点滴
  5. 水素ゴーグル
    (水素吸入のオプション)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

水素吸入

自宅で水素吸入をしている高齢女性

水素吸入(水素ガス吸入)は、機械で発生させた水素ガスを呼吸と一緒に取り込む療法です。一般的に、カニューレ(鼻チューブ)やマスクを用いて行います。

機器の性能に応じて取り込める水素量は異なりますが、比較的短時間でも大量の水素を取り込めるのが大きな特徴の1つです。2016年に先進医療Bとして承認された実績もあり、多くの研究が進められています。

サロン・クリニックで水素吸入を受ける場合、1回(60分)3,000〜8,000円が目安です。自宅用機器の購入費は20万〜100万円以上、レンタルの場合は月1〜5万円ほどです。

水素吸入のメリット・デメリット

水素吸入の主なメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリットデメリット
✅ 取り込める水素量が圧倒的に多い
✅ 数多くの研究論文・報告がある
✅ 先進医療Bへの承認実績あり
⚠️ 専用の機器が必要
⚠️ 機器が20万円以上と高額な初期費用がかかる
⚠️ 購入しない場合は、サロンやクリニックなどに通う必要がある

水素ゴーグル(水素吸入のオプション)

水素ゴーグルを使っている女性

水素吸入器には、鼻カニューレだけでなく、ゴーグル型のオプション(水素ゴーグル)が用意されている場合があります。

これは目に直接水素ガスを当てるもので、眼精疲労やドライアイなど、目の不調に特化したケアをしたい場合に有効とされています。

ただし、目から取り入れた場合と鼻から取り入れた場合の効果を比較した研究はまだなく、水素ゴーグルを用いた研究報告もありません。

水素水

水が入ったコップを持っている女性

水素水とは、水素分子や水素イオンを含んだ水のことを指します。

水素水は飲料としてアルミパウチやペットボトル、水に溶けるタブレットの形で販売されていたり、専用の機械を使って自分で生成する方法があります。

水素水は、”活性水素水”や”還元水素水”などの異なる名称で呼ばれることもありますが、これらは基本的に同じ意味です。ただし、水素水の公的な定義や水素含有量に関する明確な基準が存在しないため、製造業者によって含有量や溶解方法に違いがあることが特徴です。

市販の水素水は1本150〜300円程度、家庭用の水素水生成器は初期費用1万円〜が一般的です。

水素水のメリット・デメリット

水素水の主なメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
✅ 研究データが多い
✅ 比較的安価で始めやすい
✅ 手軽に水分補給と同時に摂取できる
⚠️ 一度に摂取できる水素量が少ない
⚠️ 開封後、水素が抜けやすい
⚠️ 特定の持病がある人には向かない

水素風呂

水素風呂に入っている女性

水素風呂は、浴槽の水に水素を含んだものを指します。

浴槽の水に水素を含ませる方法としては、入浴料が浴槽の水と反応することで水素を発生させるものと、特殊な機械を浴槽に入れて水素を発生させる方法があります。

水素風呂には肌の美しさを高める効果も期待されており、特に女性からの人気が高いです。

水素は皮膚からでもしっかりと取り込むことができることがわかっており、水素風呂に浸かることで血行が促進され、代謝が向上するため、ダイエット効果も期待されています。

入浴剤タイプの場合は1回300円程度、専用装置の場合は20万円前後が相場です。

水素風呂のメリット・デメリット

水素風呂の主なメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
✅ 全身の皮膚から水素を吸収できる
✅ 人を対象とした研究データもある
✅ 毎日の週間として取り入れやすい
⚠️ 比較的研究データは少ない
⚠️ 入浴剤タイプの場合は長期的にコストが高くなる
⚠️ 機器によって火傷に注意が必要な場合あり

水素点滴

水素点滴をしている女性

水素点滴とは点滴によって水素を取り込む方法で、点滴は生理食塩水などの溶液に水素を混ぜて使用されます。

この方法は、様々な疾患の治療や細胞の老化防止に役立つと期待されており、健康維持だけでなく美容目的での使用にも注目が集まっています。

水素点滴はクリニックでのみ受けられ、自由診療(保険適用外)のため費用は全額自己負担です。料金は1回5,000円~15,000円程度です。

水素点滴のメリット・デメリット

水素点滴の主なメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
✅ 高濃度の水素を直接取り込める⚠️ クリニックでのみ受けられる
⚠️ 研究データは動物実験が中心
⚠️ 1回のコストが高め

5つの水素療法のメリット・デメリットまとめ

それぞれの比較ポイントをまとめると、以下のようになります。

摂取方法費用目安メリット・デメリット
水素吸入機器20万~
サロン等3,000円~/回
✅ 取り込める水素量が圧倒的に多い
✅ 数多くの研究論文・報告がある
✅ 先進医療Bへの承認実績あり
⚠️ 専用の機器が必要
⚠️ 機器が20万円以上と高額な初期費用がかかる
⚠️ 購入しない場合は、サロンやクリニックなどに通う必要がある
水素水1本150円~✅ 研究データが多い
✅ 比較的安価で始めやすい
✅ 手軽に水分補給と同時に摂取できる
⚠️ 一度に摂取できる水素量が少ない
⚠️ 開封後、水素が抜けやすい
⚠️ 特定の持病がある人には向かない
水素風呂機器20万~
入浴剤300円~
✅ 全身の皮膚から水素を吸収できる
✅ 人を対象とした研究データもある
✅ 毎日の週間として取り入れやすい
⚠️ 比較的研究データは少ない
⚠️ 入浴剤タイプの場合は長期的にコストが高くなる
⚠️ 機器によって火傷に注意が必要な場合あり
水素点滴1回5千〜1万5千✅ 高濃度の水素を直接取り込める
⚠️ クリニックでのみ受けられる
⚠️ 研究データは動物実験が中心
⚠️ 1回のコストが高め

どの水素療法が一番効果的?

結論から言うと、「目的に合わせて適切な水素療法を選ぶこと」がベストです。

どの方法も“体内に水素を届ける”という点では共通していますが、科学的根拠(エビデンス)の充実度や手軽さ、コストなどが異なります。また、それぞれ向いているケースも違うため、次のセクションで「どの療法がどんな目的に最適なのか」を具体的に解説していきます。

水素点滴は「なし」でOK

なお、「水素点滴」については基本的に必要ないと考えています。確かに水素点滴は、高濃度の水素を直接血流へ届けられる利点がありますが、実は“水素吸入でも十分、血中水素濃度を高めることができる”ことが分かっています。3)

加えて、点滴はクリニックでしか受けられず、手間や時間、コストがかかりますので、無理に取り入れなくても良いでしょう。

各水素療法が向いているケースを紹介

それぞれの水素療法(水素吸入・水素水・水素風呂)が、どんな目的や悩みに適しているのかをまとめます。

現時点での科学的エビデンスをベースとした、最適解としてご参考ください。

迷ったら「水素吸入」がおすすめ

迷ったら「水素吸入」がおすすめ

水素吸入は幅広い目的に使える万能型なので、迷ったらこれを選んでおけば良いでしょう。

先進医療Bとして承認された実績もあり、様々な質の高い研究が盛んに行われて、期待の持てる結果が次々と報告されています。

なので、基本的には一番エビデンスが充実している「水素吸入」を活用しておけば、満点ではなくとも80点は取れると考えています。

目の悩みには「水素ゴーグル」も選択肢に

特に目の症状(ドライアイ、眼精疲労、飛蚊症など)には、オプションの水素ゴーグルの活用もおすすめです。

鼻から吸った場合も目に効果は期待できますが、ゴーグルで直接当てる方法も効率が良いと考えられます。

ただし、現時点ではゴーグルと鼻吸入の効果比較研究は報告されていませんので、気になる方はお好みで取り入れてください。

水素吸入器があれば、風呂・ゴーグル・飲用も可能

実は、水素吸入器の中には、備品を揃えるだけで水素風呂、水素ゴーグル、水素水の活用ができる場合があります。

1台4役の活躍を見せる水素吸入を取り入れない理由はないでしょう。

肌トラブルには「水素風呂」がおすすめ

水素風呂は、肌の悩み(背中の吹き出物やシミなど)を改善したい方に特に適しています

2019年の日本人を対象とした研究では、水素風呂に1日10分間浸かってもらった結果、吹き出物やシミの改善が見られたと報告されています。2)

皮膚からも水素がしっかり取り込めるため、美肌目的の場合は「水素風呂」が最適です。

口腔ケアには「水素水」がおすすめ

口腔ケアには「水素水」がおすすめ

水素水は、口腔内の健康(歯周病予防や改善など)に向いています

鼻から吸入する場合は肺に水素が届きやすいため、口内への直接のアプローチなら水素水がより効果的と考えられます。

また、健康目的以外に水素水を使って野菜や果物を育てたり、切り花や金魚の水槽の水に使えるなど、様々な用途でも活用できます。

水素療法と「水素ケア製品」の違い

ここまで「水素療法」として、水素吸入、水素水、水素風呂、水素点滴といった方法を紹介してきました。

一方で、「水素クリーム」や「水素ゼリー」「水素サプリ」といった商品も目にする機会があると思います。

どちらも水素の持つ抗酸化作用を活用していますが、目的・特徴・科学的根拠に明確な違いがあります。

水素療法水素ケア
目的体内への「水素分子」の直接到達による健康維持・体質改善肌ケア・美容・生活の中での手軽な水素補給
特徴医療分野・科学研究でのエビデンスが多い化粧品・健康食品として配合成分や使いやすさを重視
科学的根拠医療・論文ベースでの証明や臨床研究が存在商品ごとに配合や効果にばらつきがあり、化粧品・食品としての研究が中心
・水素ガス吸入
・水素水(飲用)
・水素風呂
・水素点滴 など
・水素クリーム
・水素トリートメント
・水素サプリ
・水素ゼリー など

水素療法は健康や体質改善を狙う医療的アプローチで、科学的な根拠や研究データも豊富です。一方の水素製品は、美容やライフスタイルの中で手軽に水素を取り入れる目的で使われます。化粧品や食品として分類されるケースが多く、即効性や手軽さを重視した設計です。

どちらも「水素による抗酸化効果」に期待が集まっていますが、目的や確実性を重視したい方は水素療法を、日々の美容ケアや手軽さを求める方は水素製品を選ぶと良いでしょう。

まとめ:自分の目的に合った水素療法を賢く選ぼう

水素療法には水素吸入、水素水、水素風呂などさまざまな方法があり、それぞれ目的に応じて使い分けることで効果的に活用できます。

科学的根拠や使いやすさ、美容・健康への期待値を参考に、自分に合った方法を選びましょう。迷った際は、水素吸入を取り入れておけば、合格点はクリアできるはずです。

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