一言まとめ
マウスの慢性閉塞性肺疾患(COPD)モデルに対し、42%水素ガスを1日2回1時間ずつ吸入させたところ、肺機能低下や炎症反応が抑制され、COPDの進行が抑えられた。
3分で読める詳細解説
結論
水素吸入はCOPDの進行を抑制し、新たな治療法となる可能性がある。
研究の背景と目的
COPDは世界的に死亡率の高い疾患だが、効果的な治療法が限られている。水素には抗酸化作用や抗炎症作用があることが知られており、本研究ではCOPDに対する水素吸入の効果を評価することを目的とした。
研究方法
C57BL/6J雄性マウスを用いて、タバコ煙暴露によりCOPDモデルを作成。90日間のタバコ煙暴露のうち、後半30日間は42%水素ガスを1日2回、1時間ずつ吸入させた。対照群、タバコ煙暴露群、タバコ煙暴露+水素吸入群の3群に分け、肺機能や炎症反応などを比較した。
研究結果
Appendix(用語解説)
- COPD:慢性閉塞性肺疾患。タバコ煙などの有害物質の吸入により引き起こされる肺の慢性炎症性疾患。
- ERK1/2:細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質。炎症反応の制御に重要な役割を果たす。
- NF-κB:炎症反応を制御する転写因子。
論文情報
タイトル
Hydrogen gas inhalation protects against cigarette smoke-induced COPD development in mice(水素ガス吸入はマウスにおけるタバコ煙誘発性COPD発症を抑制する)
引用元
Lu, W., Li, D., Hu, J., Mei, H., Shu, J., Long, Z., Yuan, L., Li, D., Guan, R., Li, Y., Xu, J., Wang, T., Yao, H., Zhong, N., & Zheng, Z. (2018). Hydrogen gas inhalation protects against cigarette smoke-induced COPD development in mice. Journal of thoracic disease, 10(6), 3232–3243. https://doi.org/10.21037/jtd.2018.05.93
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