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研究報告

老化マウスにおける水素分子の保護効果

更新日:2026/02/11
Protective Effect of Molecular Hydrogen Following Different Routes of Administration on D-Galactose-Induced Aging Mice(D-ガラクトース誘発老化マウスにおける水素分子の投与経路の違いによる保護効果)
D-ガラクトース誘発老化モデルマウスに対し、水素吸入、水素水飲用、水素水注射の3つの投与方法で水素を投与したところ、いずれの方法でも酸化ストレスの軽減効果が見られたが、水素吸入が最も効果的だった。
  1. 13分で読める詳細解説
    1. 結論
    2. 研究の背景と目的
    3. 研究方法
    4. 研究結果
    5. 論文情報
  2. 2専門家のコメント

3分で読める詳細解説

結論

水素分子は、D-ガラクトース誘発老化モデルマウスにおいて、投与方法に関わらず酸化ストレスを予防できる。水素は有望な抗老化介入となり得る。

研究の背景と目的

酸化ストレスは老化に密接に関連しているが、酸化ストレス関連の老化に対する水素の有益な効果はまだ明らかになっていない。本研究では、D-ガラクトース誘発老化マウスモデルを用いて、水素の保護効果を調査することを目的とした。

研究方法

6週齢のC57BL/6J雄マウスを6群(各群n=10)に無作為に割り付けた。

  • Control群:生理食塩水を皮下注射
  • Model群:D-ガラクトース(200mg/kg体重)を皮下注射
  • 4%H2群:4%水素ガスを1日2時間吸入
  • HRW群:水素水を自由飲水
  • HRS群:水素水(700μmol/L)を腹腔内注射(0.1mL/10g体重/日)
  • Ator群:アトルバスタチン(0.1mg/kg体重/日)を経口投与

水素水は8時間ごとに交換し、700μmol/L以上の濃度を維持。10週間の投与後、マウスを解剖し各種分析を行った。

研究結果

  • 水素投与により、血漿中の老化関連バイオマーカー(総抗酸化能、終末糖化産物、TNF-α、遊離脂肪酸、ALT)が改善した。
  • 水素投与により、肝臓、脳、心臓の酸化ストレス(過酸化脂質、MDA)が減少し、抗酸化酵素(SOD)活性が増加した。
    • 4%水素吸入が最も効果的だった(LPO:肝臓-39.2%、脳-20.6%、心臓-21.1%、MDA:肝臓-22.7%、脳-20.3%、心臓-16.7%)。
    • 水素水飲用と水素水注射でも、多くの指標で同等の効果が見られた。
  • 水素吸入では5分以内に肝臓内の水素濃度が20μmol/Lに到達し飽和。吸入中止後は8分以内にベースラインに戻った。(Figure 1A,B)
  • 水素水は8時間経過後も600μmol/L以上の濃度を維持。(Figure 1C)

Appendix(用語解説)

  • D-ガラクトース:老化を促進する糖質。過剰に摂取すると活性酸素の蓄積を引き起こす。
  • 総抗酸化能(TAOC):生体内の抗酸化物質の総量を反映する指標。
  • 終末糖化産物(AGEs):タンパク質や脂質の糖化・酸化により生成される老化関連物質。
  • 過酸化脂質(LPO):脂質の過酸化により生成される老化関連物質。
  • マロンジアルデヒド(MDA):脂質過酸化の最終生成物。酸化ストレスマーカー。
  • スーパーオキシドジスムターゼ(SOD):活性酸素を分解する抗酸化酵素。

論文情報

タイトル

Protective Effect of Molecular Hydrogen Following Different Routes of Administration on D-Galactose-Induced Aging Mice(D-ガラクトース誘発老化マウスにおける水素分子の投与経路の違いによる保護効果)

引用元

Liu, B., Xie, Y., Chen, J., Xue, J., Zhang, X., Zhao, M., Jia, X., Wang, Y., & Qin, S. (2021). Protective Effect of Molecular Hydrogen Following Different Routes of Administration on D-Galactose-Induced Aging Mice. Journal of inflammation research, 14, 5541–5550. https://doi.org/10.2147/JIR.S332286

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公開日:2024/07/06
最終更新日:2026/02/11
目次
  1. 3分で読める詳細解説
    1. 結論
    2. 研究の背景と目的
    3. 研究方法
    4. 研究結果
    5. 論文情報
  2. 専門家のコメント

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公開日:2024/07/06
最終更新日:2026/02/11
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