一言まとめ
急性期後COVID-19患者50名(男性26名、女性24名)に14日間の水素吸入治療(1日2回60分)を実施したところ、6分間歩行距離が64m向上し、呼吸機能も有意に改善した。
3分で読める詳細解説
結論
水素吸入はCOVID-19後の身体機能と呼吸機能を安全かつ効果的に改善する。
研究の背景と目的
COVID-19感染後には、疲労、息切れ、頭痛、注意力障害などの症状が4週間以降も持続することが多い。これらの症状は「サイトカインストーム」と呼ばれる病的な免疫反応や、酸化ストレス、炎症の増加が原因と考えられている。水素分子は抗酸化、抗炎症、抗疲労効果を持つことから、本研究はCOVID-19後患者に対する水素吸入治療の効果を検証することを目的とした。
研究方法
研究結果
Appendix(用語解説)
- 努力性肺活量(FVC): 最大吸気後に力いっぱい息を吐き出せる空気の総量。肺の容量を示す指標
- 1秒間努力呼気量(FEV1): 最大吸気後の最初の1秒間に吐き出せる空気の量。気道の狭窄を評価する指標
- 6分間歩行テスト(6MWT): 6分間でどのくらい歩けるかを測定する検査。心肺機能の総合的な評価に用いられる
- サイトカインストーム: 免疫系が過剰に反応して炎症性物質が大量に放出される病態
- 酸化ストレス: 体内で活性酸素が過剰に産生され、細胞や組織が損傷を受ける状態
論文情報
タイトル
Molecular Hydrogen Positively Affects Physical and Respiratory Function in Acute Post-COVID-19 Patients: A New Perspective in Rehabilitation(水素分子は急性期後COVID-19患者の身体機能と呼吸機能に良い影響を与える:リハビリテーションにおける新たな視点)
引用元
Botek, M., Krejčí, J., Valenta, M., McKune, A., Sládečková, B., Konečný, P., Klimešová, I., & Pastucha, D. (2022). Molecular Hydrogen Positively Affects Physical and Respiratory Function in Acute Post-COVID-19 Patients: A New Perspective in Rehabilitation. International journal of environmental research and public health, 19(4), 1992. https://doi.org/10.3390/ijerph19041992
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