一言まとめ
水素吸入は急性ポストCOVID-19患者の身体機能と呼吸機能を改善する可能性があり、特に6分間歩行距離(6MWT)の増加と肺機能の向上が見られた。
3分で読める詳細解説
結論
水素吸入は急性ポストCOVID-19患者の身体機能と呼吸機能を改善する可能性がある。
研究の背景と目的
COVID-19は深刻な呼吸器疾患であり、回復後も多くの患者が疲労や呼吸困難などの後遺症に悩まされている。これらの症状は、酸化ストレスや炎症によって悪化することが知られている。分子状水素(H2)は、強力な抗酸化作用を持つため、これらの症状の改善に有望な治療法と考えられている。本研究は、急性ポストCOVID-19患者におけるH2吸入の効果を評価することを目的とした。
研究方法
26名の男性(平均年齢44歳)と24名の女性(平均年齢38歳)を対象に、ランダム化、単盲検、プラセボ対照試験を実施。H2吸入群とプラセボ吸入群に分け、14日間、1日2回、各60分の吸入(水素発生300ml/分)を行った。主な評価項目は、6分間歩行距離(6MWT)と肺機能(FVCおよびFEV1)であった。
研究結果
Appendix(用語解説)
- FVC: 努力肺活量。最大限に吸い込んだ後、できるだけ早く吐き出すことのできる空気の量。
- FEV1: 1秒量。最大限に吸い込んだ後、1秒間に吐き出すことのできる空気の量。
- 6MWT: 6分間歩行テスト。6分間でどれだけの距離を歩くことができるかを測定するテスト。
論文情報
タイトル
Molecular Hydrogen Positively Affects Physical and Respiratory Function in Acute Post-COVID-19 Patients: A New Perspective in Rehabilitation(分子状水素が急性ポストCOVID-19患者の身体機能と呼吸機能に良い影響を与える:リハビリテーションの新しい視点)
引用元
Botek, M., Krejčí, J., Valenta, M., McKune, A., Sládečková, B., Konečný, P., Klimešová, I., & Pastucha, D. (2022). Molecular Hydrogen Positively Affects Physical and Respiratory Function in Acute Post-COVID-19 Patients: A New Perspective in Rehabilitation. International journal of environmental research and public health, 19(4), 1992. https://doi.org/10.3390/ijerph19041992
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