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結論
水素吸入により、3分後には動脈血濃度が1/40程度まで低下し、10分後には静脈系で優位となり、60分後には動脈血中では定常状態である。
研究の背景と目的
水素吸入は近年注目されており、有用性が認識されているにも関わらず、その薬物動態については十分に解明されていない。本研究では、水素ガスが肺で吸収されて血中に入った後の過程を評価すべく行われた。
研究方法
研究結果
Appendix(用語解説)
- 移流拡散:水素が血流に運ばれながら(移流)、血管外の組織に拡散していくこと。
- 頚動脈(CA):首の動脈。全身に血液を送り出す。
- 門脈(PV):腸管から吸収された栄養分を肝臓に運ぶ静脈。
- 肝静脈上下大静脈(IVC):肝臓を通過した血液が心臓に戻る静脈。
論文情報
タイトル
Pharmacokinetics of a single inhalation of hydrogen gas in pigs(ブタにおける水素分子単回吸入の体内動態)
引用元
Sano, M., Ichihara, G., Katsumata, Y., Hiraide, T., Hirai, A., Momoi, M., Tamura, T., Ohata, S., & Kobayashi, E. (2020). Pharmacokinetics of a single inhalation of hydrogen gas in pigs. PloS one, 15(6), e0234626. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0234626
専門家のコメント
三國ユウジ 先生
本研究は、ブタを用いて水素の薬物動態に一部を明らかにした貴重な報告です。水素吸入は今では広く有用性が認知されてきましたが、その動態については特に解明されていないことが多くあります。一方で、薬物動態を知ればこれまでの研究成果と併せて、効果的な投与量や投与方法を検討することができるでしょう。水素は単回の摂取では、速やかに分布して体内に多くは残らないと認識されていましたが、本研究の単回吸入の結果はそれを支持した内容である他、定量したことに大きな意義があります。
