一言まとめ
6ヶ月間のラットへの水素水摂取と水素ガス吸入の影響を調べたところ、体重や血清生化学パラメータに有意な変化が見られ、特に心筋酵素スペクトルに顕著な変化が見られた。水素ガス吸入の方が水素水摂取よりも影響が大きかった。
3分で読める詳細解説
結論
長期的な水素治療は、正常ラットの生理機能に影響を及ぼす。
研究の背景と目的
水素分子の治療効果は様々な疾患モデルで確認されているが、正常な状態での生理機能への影響はほとんど調べられていない。また、水素水摂取と水素吸入の効果の違いも不明確である。そこで本研究は、健康なラットに対する長期的な水素水摂取と水素吸入の生理機能への影響を調べることを目的とした。
研究方法
健康な雄性SDラットを3群(コントロール群、水素水群、水素吸入群)に分け、6ヶ月間の水素治療を実施。水素水群には水素水を自由摂取させ、水素吸入群には1日1時間、水素ガス(67% H2、33% O2)を吸入させた。6ヶ月の間、体重と13項目の血清生化学パラメータを定期的にモニタリングした。
研究結果
Appendix(用語解説)
- 血清生化学パラメータ:血液中の様々な物質の濃度を測定し、体の状態を評価するための指標。
- 心筋酵素スペクトル:心臓の筋肉(心筋)に含まれる酵素の種類と量。心筋の状態を反映する。
- 空腹時血糖値:空腹時の血液中のブドウ糖濃度。糖尿病の指標の一つ。
- 中性脂肪、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール:血液中の脂質の種類。動脈硬化などの危険因子。
- ALT、AST:肝臓の状態を反映する酵素。肝機能の指標の一つ。
論文情報
タイトル
Effects of long-term hydrogen intervention on the physiological function of rats(ラットの生理機能に対する長期的な水素介入の影響)
引用元
Xun, Z. M., Zhao, Q. H., Zhang, Y., Ju, F. D., He, J., Yao, T. T., Zhang, X. K., Yi, Y., Ma, S. N., Zhao, P. X., Jin, X. Y., Li, Y. X., Li, X. Y., Ma, X. M., & Xie, F. (2020). Effects of long-term hydrogen intervention on the physiological function of rats. Scientific reports, 10(1), 18509. https://doi.org/10.1038/s41598-020-75492-w
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