一言まとめ
喘息とCOPD患者に2.4%の水素ガスを45分間吸入させたところ、気道の炎症性サイトカインが減少し、気道の炎症が軽減された。
3分で読める詳細解説
結論
水素吸入は、喘息とCOPD患者の気道炎症を短時間で軽減できる可能性がある。
研究の背景と目的
水素は抗酸化作用と抗炎症作用を持つことが知られている。喘息やCOPDなどの気道疾患は慢性の気道炎症が特徴だが、水素吸入がヒトの気道炎症に及ぼす影響は不明だった。そこで本研究は、喘息とCOPD患者に水素ガスを吸入させ、気道の炎症に対する急性効果を調べることを目的とした。
研究方法
研究結果
Appendix(用語解説)
- COPD:慢性閉塞性肺疾患。喫煙などが原因で気道の炎症が起こり、呼吸機能が低下する病気。
- 呼気凝縮液(EBC):呼気中の水蒸気を冷却して得られる液体成分。気道の炎症マーカーを反映する。
- サイトカイン:炎症反応などを調節するタンパク質の総称。IL-4やIL-6、IL-8、MCP-1など多数ある。
論文情報
タイトル
Hydrogen gas (XEN) inhalation ameliorates airway inflammation in asthma and COPD patients(喘息とCOPD患者における水素ガス(XEN)吸入による気道炎症の改善)
引用元
Wang, S. T., Bao, C., He, Y., Tian, X., Yang, Y., Zhang, T., & Xu, K. F. (2020). Hydrogen gas (XEN) inhalation ameliorates airway inflammation in asthma and COPD patients. QJM : monthly journal of the Association of Physicians, 113(12), 870–875. https://doi.org/10.1093/qjmed/hcaa164
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