後ろ向き研究は、既に発生した疾患や健康問題の原因を探るために過去のデータを分析する研究手法です。この方法では、例えば特定の病気にかかった人（症例）と、その病気にかかっていない人（対照）の二つのグループを比較します。研究者は、これらのグループの過去の生活習慣や環境などを調査し、病気の原因やリスク要因を見つけ出すことを目指します。例えば、ある地域の公害が特定のがんの発生にどのように影響しているかを調べる場合に使われます。
メリットは、必要なデータが既に存在するため、研究にかかる時間が短くて済む点です。
デメリットとしては、研究者がグループを選定する過程や仮説を立てる過程で意図しない先入観（バイアス）が生じやすいことが挙げられます。そのため、結果の解釈には慎重な検討が必要です。
対義語は『前向き研究』
