コラム
血液クレンジング(オゾン療法)は

血液クレンジング(オゾン療法)は”危険”?効果と副作用の真実

血液クレンジング(オゾン療法)は、SNSで「疲労回復」「アンチエイジング」に効くと話題ですが――本当に安全で効果はあるのでしょうか?

米国の厚生労働省にあたるFDA(食品医薬品局)は「医療用途はなく有毒」と警告しており、リスク等を慎重に検討するべきと言える状況です。

本記事では、血液クレンジングの科学的な根拠とリスク、より安全な代替法までわかりやすく解説します。

《この記事の執筆者》

血液クレンジング(オゾン療法)とは?

血液クレンジング(オゾン療法)とは?

血液クレンジングは、美容クリニックや自由診療の病院で行われている治療法の一つです。正式には「大量自家血オゾン療法」と呼ばれます。

血液クレンジングと呼ばれるのは、施術の際に「血液が浄化(クレンジング)された」ように見えるため、この俗称で呼ばれています。

この療法は、「疲労回復」「免疫力アップ」「美肌効果」「肩こり・冷え性の改善」など、非常に幅広い効果が謳われているのが特徴です。中には「がん予防」「動脈硬化予防」といった、より深刻な病気への効果を示唆するクリニックもあります。

血液クレンジングの流れ

まず、自分の血液を100mlほど採血します。

その抜き取った血液に、医療用の「オゾンガス」を混ぜて反応させます。すると、採血直後のどす黒い静脈血が、オゾンと反応することで鮮やかな赤色に変化します。

その後、オゾンと反応させた血液を点滴で再び体内に戻すまでが、血液クレンジングの一連の流れになります。

なぜオゾンを使うのか?施術の仕組み

オゾン療法の理論的な根拠には「ホルミシス仮説」があります。これは「本来有害なものでも、適量なら逆に体に良い作用をもたらす」という考え方です。

オゾンは強力な酸化力を持つガスです。このオゾンを血液と反応させ、あえて体に「適度な酸化ストレス」を与えることで、体がそのストレスに適応しようと反応します。その結果、自身の「抗酸化力」や「免疫機能」が活性化すると考えられています。

血液クレンジングの「副作用」と「危険性」

血液クレンジングの「副作用」と「危険性」

クリニックなどのサイトでは「安全性は高い」と説明されがちな血液クレンジングですが、その「副作用」や「危険性」について知っておく必要があります。

ここでは、軽い副作用から、命に関わる重篤なリスクまで解説します。

だるさなどの「軽い副作用」について

多くの場合、血液クレンジングは安全性が高く、副作用はほとんどないと説明されています。

よく言われる軽微な副作用は、施術後に一時的なだるさや眠気を感じるなどです。これは、オゾンの投与量が多すぎた場合や、体が反応している証拠(好転反応)として説明されることがほとんどです。

しかし、知っておくべきリスクは、こうした軽いものだけではありません。

公的機関・医学論文が警告する「重篤なリスク」

公的機関・医学論文が警告する「重篤なリスク」

軽い副作用とは別に、血液クレンジング(オゾン療法)には公的機関や医学論文が警告する「重篤なリスク」が存在します。具体的に見ていきましょう。

米国FDAの警告:「有用な医療用途のない有毒ガス」

米国の厚生労働省にあたるFDA(食品医薬品局)は、オゾン療法に対して極めて厳格な立場をとっています。

FDAは連邦規則集(CFR)において、「オゾンは有毒ガスであり、既知の有用な医療用途はない」と明確に断定しています。1)

これは、米国政府の公的機関が、オゾンガスの医療利用の有効性と安全性を真っ向から否定していることを意味します。

日本の厚生労働省の見解

日本の厚生労働省は、上述のFDAの見解を認識しているものの、オゾンの医療の利用を明確に禁止しているわけではありません。2)

一方で、血液クレンジングは日本では医薬品医療機器法(薬機法)上の承認を得ていない「未承認の医療行為」です。つまり、効果や安全性を政府が認めたわけではない自由診療(保険適用外)の行為という現状があります。

査読論文で報告された「死亡」「脳梗塞」の事例

査読論文で報告された「死亡」「脳梗塞」の事例

日本や米国政府が否定的な立場をとるのは、これまでに報告されている悲惨な事例があるためです。

実際、医学論文では、重篤な健康被害や死亡例が報告されています。

例えば、オゾンガスが血管内に誤って注入されることによる「ガス塞栓症」での死亡例が報告されています。3)また、2025年には、36歳の女性が血液クレンジングの施術直後に失神と全身痙攣を発症し、「脳梗塞(虚血性梗塞)」が確認されたケースもあります。4)

そのほか、施術手技の不備に起因する「敗血症」や重篤な「感染症合併症」の発症、「心停止」に陥るなど、施術には致命的なリスクが伴うことが警告されています。5)

血液クレンジングの「効果」を科学的根拠から検証

血液クレンジングの「効果」を科学的根拠から検証

血液クレンジングのリスクがわかったところで、これに見合うメリットはあるのでしょうか?

よく言われる「疲労回復」「アンチエイジング」「免疫力UP」といった効果は、どれほど証明されているのでしょうか。

結論から言うと、これらの広範な効果を支持する、信頼性の高い科学的根拠(エビデンス)は非常に薄いのが現状です。医学研究で最も信頼性が高いとされる「システマティック・レビュー」や「ランダム化比較試験(RCT)」の結果を見ると、その効果は否定的か、限定的です。

具体的に見ていきましょう。

「疲労回復」効果

血液クレンジングによって、疲労回復や活力の向上が期待できると示唆する研究はあるものの、課題も多く立証できる段階ではありません

2022年の論文では、線維筋痛症患者を対象に、オゾン療法を受ける前後で疲労や痛み、QOL(生活の質)を評価しました。結果として、治療後の疲労感の改善や活力の向上が見られたとしています。6)

しかし、同研究ではオゾン療法を受けなかった対照群が設定されておらず、それがオゾン療法によるものかについては、大きな疑問が残ります。また、健康な人が血液クレンジングを受けて、疲労回復を見込めるかについても、不明です。

「アンチエイジング」効果

血液クレンジングのアンチエイジング効果については、極めて限定的なエビデンスに留まります

人を対象として「アンチエイジング効果」を検証した臨床研究はまだ存在せず、主に理論的メカニズムや動物実験に限られます。動物モデルでは、低用量オゾン投与で心臓や脳の老化指標が抑えられたという報告はあるものの、人でも同様の効果が見られるかは未知数です。7)

「免疫力UP」効果

血液クレンジングの免疫力アップ効果についても、大規模で質の高い研究はまだなく、可能性が示唆される初期の段階といえます。

2024年の研究では、COVID-19後遺症患者73名を対象に、オゾン療法の効果が検証されました。8)その結果、従来治療のみに加えてオゾン療法を受けたグループは、従来治療のみのグループと比べて症状や細胞性免疫の改善が見られたとしています。

しかし、これが健康な人や他の疾患を持つ人にも当てはまるかについては、さらなる検証が必要で、あくまで可能性が示唆された段階といえます。実際、著者らも「効果立証に向けて、今後のさらなる検証や手法の確立が必要」と述べています。8)

信頼性の高い研究が示す「効果の限界」

幅広い効果が歌われているオゾン療法ですが、疲労回復、アンチエイジング、免疫改善以外の分野においても信頼性の高い科学的根拠は非常に乏しいは上述した通りです。

そのほか「糖尿病性足潰瘍」をはじめとする疾患分野では、世界的に権威のあるコクランレビュー(複数の質の高い研究を分析したもの)が「標準治療と比べて明確な有効性は認められない」と結論づけています。9)

また、腰痛への効果を検証した論文でも、「研究の質は低く、バイアスのリスクが高いため、決定的な効果は示せない」とされています。10)

オゾン療法の効果については一部で肯定的な研究報告があるものの、全体として「質の高い強固な証拠」と見なせないケースがほとんどです。

血液クレンジングは「がん治療」に使えるのか

抗がん剤治療を受けている女性

血液クレンジング(オゾン療法)は「がん治療にも効果がある」と宣伝されることがありますが、信頼性の高い科学的根拠は極めて限定的です。

実際、米国がん協会は、「酸素療法(オゾン療法含む)がガンに有効であるという科学的根拠(エビデンス)はない」と明言しています。

一部に抗がん剤治療の副作用軽減・生活の質(QOL)改善などの補助的効果を示唆する研究もありますが、標準治療として認められるほどの根拠はありません。1112

加えて、米国がん協会は「オゾン療法は高額かつ有毒で、がん患者に害を及ぼす」として、がん患者はオゾン療法を避けるべきだと強く警告しています。13)

したがって、がん治療としてオゾン療法を積極的に取り入れるのは、エビデンスや安全性の観点から避けておくのが無難と言えるでしょう。

血液クレンジングの代替案?安全な「水素吸入」との比較

自宅で水素吸入をする綺麗な女性

ここまでお読みいただき、「血液クレンジング」のリスクや根拠の乏しさに不安を感じた方も多いでしょう。

実は、オゾン療法が目的とする「酸化ストレスによる老化や疲労対策」には、より安全性と実績に優れた選択肢「水素ガス吸入療法(水素吸入)」があります。これは水素ガスを吸入する方法で、かつて先進医療Bにも承認された治療法です。

ここでは、血液クレンジング(オゾン療法)と水素吸入の決定的な違いを4つのポイントで比較解説します。

ポイントをまとめると以下の通りです。

項目オゾン療法水素吸入
作用メカニズムホルミシス仮説悪玉活性酸素のみを除去
公的機関の評価米国FDAや米国がん協会などから警鐘先進医療Bへの承認実績
安全性重篤な有害事象の報告あり高い安全性
(可燃性ガスのため取り扱いは注意)
がん治療補助米国がん協会は「避けるべき」との見解治療補助として大きな期待

それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

違い①:作用メカニズム

最大の違いは、体へのアプローチが「真逆」である点です。

血液クレンジング(オゾン療法)は、「あえて体に強い酸化ストレスを与え、防御反応を引き出す」という未確立の理論(ホルミシス仮説)に基づきます。

一方、水素吸入は「悪玉活性酸素だけを選択的に除去する」という抗酸化作用があり14)、直接的に酸化ストレスの軽減が期待できます。

違い②:公的機関の評価

公的機関な評価も対照的です。

オゾン療法は、米国FDAや米国がん協会から「有毒ガスであり、医療用途はない」と厳しく断定されています。

一方、水素吸入は、日本において2016年に「心停止後症候群」の治療として「先進医療B」(将来の保険適用を目指す高度医療技術)として承認された実績があります。また、健康被害リスクなどの注意喚起や見解も発表されていません。

違い③:安全性

安全性に関する点でも、異なります。

オゾン療法は、「死亡例」「脳梗塞」「心停止」といった重篤な有害事象が報告されています。

一方、水素吸入はこれまでに行われた多数の臨床研究や動物実験において、重篤な副作用が報告されていません15)また、水素自体が無毒であり、食品添加物として利用できるほど安全性が確立しています。ただし、水素は一定の条件で爆発する可燃性ガスであるため、取り扱いには注意が必要です。

違い④:がん治療の補助としての可能性

がん治療の補助としての可能性も大きな差があります。

オゾン療法は、がん治療に役立つどころか有害である可能性があり、米国がん協会から「がん患者はオゾン療法を避けるべきである」と警告されています。

一方、水素吸入は、多くの研究でがん治療の補助効果が期待されています。特に、放射線や抗がん剤による副作用(だるさ、食欲不振など)の軽減や、生活の質(QOL)向上を報告する例が増えています。まだ確定的な結論ではありませんが、有害な影響を示す報告はなく、今後も有望な治療補助として注目されています。(2025年11月時点)

水素吸入とがん治療のより詳しい解説は以下の記事をご覧ください。

血液クレンジング(オゾン療法)に関するよくある質問

最後に、血液クレンジングに関してよく聞かれる質問について、まとめておきます。ぜひご参考ください。

Q1. 血液クレンジングの1回あたりの料金・費用相場は?

血液クレンジングは保険適用外の「自由診療」です。そのため、費用はクリニックによって異なりますが、1回あたり約15,000円~30,000円が相場となっています。

また、初診料とは別に、初回に必須となる「G6PD検査」の費用(約3,000円~5,000円程度)が別途かかる場合がほとんどです。

Q2. 血液クレンジングの推奨される頻度や回数は?

クリニックによりますが、月1回~2回程度の頻度を推奨されるケースが多いようです。

ただし、これはあくまでクリニックが設定した目安です。医学的に「最適な頻度や回数」というものが科学的根拠に基づいて確立されているわけではありません。

Q3. なぜ多くの芸能人や著名人が受けているのですか?

多くの場合、クリニックなどの宣伝も兼ねていることがほとんどでしょう。

しかし、「芸能人が受けていること」と「科学的・医学的に安全で有効であること」は全く別の問題です。

公的機関である米国FDAが「有毒ガス」と警告し、米国がん協会が「がん患者は避けるべき」と強く警告している事実と、極めて限定的なエビデンスを比べて、冷静に判断することが重要です。

Q4. 施術は痛いですか?時間はどのくらいかかりますか?

痛みは、最初の採血と、最後の点滴の際に、通常の注射針を刺す痛みだけです。オゾンを混ぜたり戻したりする過程で痛みはありません。

施術全体の時間(問診、採血、オゾン混合、点滴終了まで)は、クリニックによりますが約30分~40分程度が一般的です。

Q5. 「ドイツでは保険適用」というのは本当ですか?

これはクリニックの宣伝文句として非常によく使われます。

ドイツの医療保険制度は日本と異なり複雑で、全てのケースで適用されているわけではありません。それ以上に、米国のFDAが「有毒ガスであり、医療用途はない」と明確に警告しているという事実の方が、安全性を判断する上ではるかに重要です。

Q6. 血液クレンジングは誰でも受けられますか?

いいえ。G6PD欠損症(グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症)という遺伝性の疾患を持つ人が、人がオゾン療法を受けると、重篤な副作用が起こります。G6PDは赤血球を酸化から守る酵素のため、これが欠損している場合、オゾンの強い酸化力によって赤血球が壊れてしまうおそれがあります。

そのため、事前に「G6PD検査」を必ず受ける必要があります。自覚症状がなくても検査は必須で、この検査を行わないクリニックは、安全管理上、極めて問題があると言えます。

Q7. がん治療中なのですが、血液クレンジングはした方が良いですか?

いいえ。米国がん協会は、「酸素療法(オゾン療法含む)ががんに有効であるという科学的根拠(エビデンス)はなく、高額で有毒であり、安全ではなく、がん患者に害を及ぼす可能性がある」としています。そのため、「がん患者はオゾン療法を避けるべきであると強く警告する」と、非常に厳しい見解を示しています。13)

治療補助として活用するのであれば、水素吸入の方が安全性が高く安心して行えます。

まとめ:血液クレンジングよりも水素吸入がおすすめ

血液クレンジング(オゾン療法)は、その華やかなイメージとは裏腹に、科学的根拠が乏しく、米国FDAも「有毒ガス」と警告しています。また、死亡例・脳梗塞など重大なリスクも報告されており、“がん患者は避けるべき”と明言されています。

もし美容や健康を目指すなら、重篤な副作用報告がなく実績ある「水素吸入」も検討してみてください。

参考文献
  1. § 801.415 Maximum acceptable level of ozone.|eCFR Code of Federal Regulations
  2. FDAにおけるオゾンに関する見解について
  3. Marchetti, D., & La Monaca, G. (2000). An unexpected death during oxygen-ozone therapy. The American journal of forensic medicine and pathology21(2), 144–147. https://doi.org/10.1097/00000433-200006000-00010
  4. Wong, C. Y. Y., Saxena, K., Meneer, J., George, K., & Keijzers, G. (2025). Neurological Crisis Following Intravenous Ozone Therapy; a Case Report. Archives of academic emergency medicine13(1), e31. https://doi.org/10.22037/aaemj.v13i1.2592
  5. Bocci V. (2010). The Potential Toxicity of Ozone: Side Effects and Contraindications of Ozonetherapy. OZONE: A new medical drug, 75–84. https://doi.org/10.1007/978-90-481-9234-2_7
  6. Ahi, E. D., & Afsar, S. I. (2022). The effectiveness of major ozone autohemotherapy in the treatment of fibromyalgia syndrome: Major ozone autohemotherapy in the treatment of fibromyalgia. Journal of Surgery and Medicine, 6(8), 746–750. https://doi.org/10.28982/josam.1032050
  7. Scassellati, C., Galoforo, A. C., Bonvicini, C., Esposito, C., & Ricevuti, G. (2020). Ozone: a natural bioactive molecule with antioxidant property as potential new strategy in aging and in neurodegenerative disorders. Ageing research reviews63, 101138. https://doi.org/10.1016/j.arr.2020.101138
  8. He, Y., Liu, X., Zha, S., Wang, Y., Zhang, J., Zhang, Q., & Hu, K. (2024). A pilot randomized controlled trial of major ozone autohemotherapy for patients with post-acute sequelae of COVID-19. International immunopharmacology139, 112673. https://doi.org/10.1016/j.intimp.2024.112673
  9. Liu, J., Zhang, P., Tian, J., Li, L., Li, J., Tian, J. H., & Yang, K. (2015). Ozone therapy for treating foot ulcers in people with diabetes. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2015(10), CD008474. https://doi.org/10.1002/14651858.CD008474.pub2
  10. Andrade, R. R., Oliveira-Neto, O. B., Barbosa, L. T., Santos, I. O., Sousa-Rodrigues, C. F., & Barbosa, F. T. (2019). Efetividade da ozonioterapia comparada a outras terapias para dor lombar: revisão sistemática com metanálise de ensaios clínicos randomizados. Brazilian journal of anesthesiology (Elsevier)69(5), 493–501. https://doi.org/10.1016/j.bjan.2019.06.007
  11. Li, Y., & Pu, R. (2024). Ozone Therapy for Breast Cancer: An Integrative Literature Review. Integrative cancer therapies23, 15347354241226667. https://doi.org/10.1177/15347354241226667
  12. Serra, M. E. G., Baeza-Noci, J., Mendes Abdala, C. V., Luvisotto, M. M., Bertol, C. D., & Anzolin, A. P. (2023). The role of ozone treatment as integrative medicine. An evidence and gap map. Frontiers in public health10, 1112296. https://doi.org/10.3389/fpubh.2022.1112296
  13. Oxygen Therapies|cancer network
  14. Ohsawa, I., Ishikawa, M., Takahashi, K. et al. Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals. Nat Med 13, 688–694 (2007). https://doi.org/10.1038/nm1577
  15. Johnsen, H. M., Hiorth, M., & Klaveness, J. (2023). Molecular Hydrogen Therapy—A Review on Clinical Studies and Outcomes. Molecules28(23), 7785. https://doi.org/10.3390/molecules28237785
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